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ピピピピピというスマートホンのアラーム音が部屋に響き、ベットからむくりと起き上がる。
「ふわぁ、おはよう……」
アラームを止めると欠神をして体を伸ばし、ベットを下りてカーテンを開けると部屋に心地の良い朝日が差し込み明るくなる。
アロマを止めた後部屋を出て、洗面所で顔を洗い歯磨きをしてすっきりする。
掃除機を物置から取り出し掃除を終え、浴室に行きシャワーを浴び汗を流した後スキンケアを済ませキッチンで朝食の準備をする。
「今日は1限からあるから朝は軽くすまそう」
クロワッサン2個、牛乳、白湯、デザートに苺と用意しリビングでニュースや天気を確認しつつ食事を済ます。
食事を終え自室に戻り着替えとメイクを終えると姿見で問題がないかチェックする。うん、問題なし! そろそろいい時間だし大学にいこっと。
今日のコーデは腰まであるロングの髪を2か所三つ編みで結び片方を肩の前に出し、カーキスカートにブルーシャツを合わせ、知的な雰囲気を醸し出しつつさわやかな印象を感じる。
「いってきます」
ブラウンローファーを履き玄関を出てトートバックから出した鍵でドアを閉めて最寄り駅まで歩く。
駅が近づくと周りの喧騒もうるさくなり、こちらに向けて視線が向いているのを感じるが、いつものように無視していると駅に着き、電車に乗り大学の最寄り駅まで向かう。
いつものように電車内の時間は音楽を聴いてつぶしていると目的の駅に着く。電車を降り改札を抜けて10分ほど歩き続け、大学に着きそのまま講義室に向かう。
参加する授業の講義室に着き、2つあるドアのうち前のドアを開け、前列側の空いている席に座り、荷物をテーブルに置く。
トートバックの中からタブレットパソコンとタッチペンを取り出し授業の準備をし、タブレットでネットサーフィンをし授業までの時間をつぶす。
「うし、講義始めるぞー」
ガラっというドアを開く音と共に講師が入ってくると騒がしかった講義室は静かになり、談笑していた生徒たちは話を切り上げ席に着く。
落ち着いたのを見計らって授業が始まった。
1コマ90分の授業を2つ終え、午後の授業はないため荷物をしまい帰宅する準備をしていると、見るからに遊んでそうな男二人に話しかけられる。
「真白ちゃんこのあと暇? 俺らとカラオケ行こうぜ」
自分の容姿が優れた外見をしているのは理解しているが、相応に面倒事も増えるからめんどくさい。
ナルシストみたいな考えになってしまったが、ソフィア改め本名結月真白の容姿は超が付くほどの美少女であり、幼少期から自分に対する扱いが周りと違っていたり、とある理由もあり自分の容姿に自信を持っている。
「用事があるので遠慮させていただきます」
用事とはもちろんNBOのことであり、それがなくてもお断りなのだが、波風を立てないよう丁寧な口調でそう返す。
「用事なんかより俺らと遊んだほうが楽しいぜ。貴重な大学生活を遊びで使わないともったいないっしょ」
二人組の内一人がそう言うと肩に手を伸ばしてくる。こんなやつに触られるのは不快なため、相手と目を合わせて心の奥底を見るように見つめると、男性の目の光がなくなってきてこちらに伸ばした腕は途中で止まる。
「もういいですよね? 失礼します」
私はそう言いそそくさと場を離れた。
「あ、真白ちゃん待って! って行っちゃった……。お前どうしたんだよ。動きとめちゃってさ」
もう一人が動きの止まった男を揺さぶると目に光が戻り反応する。
「お、おう、わりぃ。なんか目線があった瞬間真白ちゃんの目が赤くなって、絶対に動いちゃいけないって感覚になったんだよな」
「なんだそりゃ。ま、振られちゃったし飯でもいくべ」
困惑を残しながらも二人は講義室を出るのであった。
先ほどの出来事は忘れ、真白は帰宅後さっそくゲームをするべくポッドで寝て起動セリフを言う。
「ダイブスタート」
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