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2時間ほど戦闘を繰り返しているとレベルがそこそこ上がり、一度休憩する意味も込めてレベルが上がったことによって貯まったポイントでスキルを習得するため、近くのセーフティエリアで切り株の椅子に座る。ちょこんとかわいらしく座る姿は、先ほどまで敵が湧いては殺し続けていた少女とは到底思えない。
人差し指を空中で2回タップしてメニューを出し、ステータスを確認するとあの後100体以上のモンスターを倒したソフィアのレベルは8となっている。
習得できるスキルをスクロールして探していると、ふと気になるスキルが目に入る。
クリティカル増加
自身のクリティカル判定の威力を規定値プラス1.3倍増加する。
習得必要スキルポイント2
「へぇ、結構優秀なスキルだね」
レベル上限が低い現状で取る微妙だけど、クリティカル判定の攻撃が規定値である1.5倍に1.3倍プラスされるならほぼ2倍だし、スキル技に頼る戦闘はあまりしたくないからいいかも。
ソフィアはスキル一覧を眺め悩んでいたが、最終的には一番気になったクリティカル増加を取得する。なお、普通はMPを消費するスキルの威力が高いため、威力上昇スキルは現状優先度がかなり低いスキルである。
さて、スキルの効果を試したい所だけど明日も学校があるし、本格的な検証は明日にして、今日は少し戦闘したらログアウトして寝ようかな。
休憩も終わりセーフティエリアを出て新たな敵を探しては戦闘し、数戦行った後ゲームからログアウトする。
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VR世界から現実世界に戻ってくるとなる独特な疲労感を感じながらポッドを出ると、センサーが反応して部屋の照明が自動でつき、暗かった部屋が徐々に明るくなる。
「3時間ちょっとのダイブだったけど期待通り楽しかったな。このままやっていけばもっともっと強い敵と戦えそう。ふふ、楽しみだなぁ」
自室のベットに座りそう呟く少女の表情は、年齢にそぐわない妖艶ながらもどこか危険な雰囲気を浮かべており、青い瞳がわずかに赤く輝いている。
「おっと、昂り過ぎてしまった。無意識にこうなっちゃう癖はなくさないと……」
目を閉じてしばらくすると赤みがかっていた目は元の青い瞳に戻り、汗を流すためベットから立ち上がると部屋を出てお風呂場へと向かう。
風呂場に着きショートパンツ、Tシャツ、下着と脱いでかごに入れ、風呂場のドアを開け中に入りシャワーを浴びる。
「ふんふふーん」
お気に入りの曲を鼻歌で歌いながら髪、身体と洗い終えると湯船に浸かり今日の冒険を振り返る。そこそこ多くの敵を倒せたおかげで出だしとしてはかなりのペースだと思うけど、実際どうなんだろう。
お風呂場にあるAR機器でNBO情報サイトにアクセスし、先ほどのダイブで戦った白い狼の情報を見るとコメントがたくさん書かれている。どうやらレアモンスターに該当するらしく、HP自体はそこまで高くないものの、最初に出てくる敵としては攻撃力と速度が高く、プレイヤーのレベルが低い現状ではダメージをもらうとほぼ即死らしい。その分経験値が多いみたいだけど。
十分温まりお風呂を上がり、スキンケアのためボディケアを塗り、ささっと水気をタオルオフし、髪をタオルで巻きタオルドライする。洗面台の横にある籠から常温のミネラルウォーターを一口飲み水分補給をし身体を落ちつかせ、洗面台から拭き取り化粧水と化粧水を取り、細かい汚れを拭き取った後コットンを使って優しくなじませていく。拭き取り化粧水と化粧水を終わらせた後化粧水にコットンを浸けパックをし、その間に水色と白のかわいらしいパジャマに着替え、最後に乳液を塗ったあと軽くストレッチをし、髪をドライヤーで乾かしいつものルーティンを終える。
ここまでにかかった時間は15分ほど、女の子はいろいろと大変である。
自室に戻りアロマディフューザーでゆずの香りを部屋に満たし、部屋の電気をリモコンで消しベッドに入ると目を閉じ熟睡するのであった。