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カミサマノ気マグレ


真空空間


なんて場所に、もしも行けたとしたら、きっとこんな所なのだろう。


本当に、何もない。


空気も、光も、音も、感触もない。

真っ白でもなければ真っ黒でもない。


まあ、原因は私にあるのでだろう。五感が備わっていない…という感じ。


心だけがある。人魂になってしまったのか、

…人魂か…。死んじゃったのかな…。

やり残した事たくさん合ったんだけどなぁ…。


少し寂しい気持ちになった。けれど、なんだかここは心地が良い。


(こんにちは〜)


声がした。いや、声を感じた、と言うべきか。音はない。心に直接語りかけられているようだ。


(わたしは神様です)


神様…。神様とは、あの神様でしょうか。アマテラスオオミカミとか、あるいは、十字架に架けられた人?それとも、ずっと坐禅してる人…?

いずれにせよお目にかかれて心底光栄だけれど、想像より優しい声だった。

……あ、お目にかかれてはないか…。真空空間だもんね。


(あなたは生前、大罪を犯してしまいました。)


急な告白に少しドキっとした。

大罪…?そんなの覚えがない。なんだろう…小学二年生の時に、陽子ちゃんの消しゴムを借りパクしてしまった事かな…。


…ていうか生前って今言いましたよね…。私、やっぱり死んじゃったんだ。


うるうる


(したがって、罪を償っていただこうと思います。)


随分丁寧な口調だ。罪を償う…何をすればいいのだろう。切腹…石打…火炙り…云々。

江戸時代の残酷の刑が頭をよぎった。一番軽いのは尻叩きだったっけ…。それだって痛そうだ。


(ではでは、もう一人の大罪人と力を合わせてしっかりと罪を償ってくださいね)


…もう一人の大罪人…。

私以外に、大罪を犯した人がいると。

「それは一体誰ですか!私はどうすればいいのですか!」と声にしようとしても口がないからできない。「承知しました。がんばります!」とも言えない。


(さようなら〜)


ふぇ…?!私、まだ話の概要が全然見えてないんですけどっ。これからどうすれば良いのですか?!ねえ!神様?!ねえねえ!!神様ったら!!



神様ぁぁぁぁあ!!!!!!!!!








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