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第80部

第23章 第4宇宙空間


「この宇宙空間から直接つながっているのは、第1と第4だけなんです」

宇宙間を結ぶゲートの職員がいった。

「では、第4宇宙空間の方に行かせてくれ」

「分かりました。では、3秒後、開きます」

一瞬ともとれる時間の間に、船は、次の宇宙空間へと通って行った。


「この宇宙空間では、宇宙があまり広がらなかったようなんです」

大臣の説明が入る。

「そして、この宇宙には、生命が生まれませんでした。その代わりに、この宇宙空間では、人工惑星があります」

果てしないほどの空虚な空間の果てに、一つだけポツンと空間上に存在していた。そして、その惑星の周りに、人々は集い、この宇宙空間を構成していた。

「宝玉は、この人工惑星の核らしいんです」

「それを抜いた事による惑星の影響は?」

「恐らく、崩壊するかと思われています。それで、この惑星は成り立っているのですから。古今東西の泥棒や盗賊がそれを抜こうと試みましたが、全て未遂で終わっています。そのような宝玉をどうやって抜くのでしょうか?」

「簡単だ」

スタディンはさらりと言った。

「ああ、そうだな」

他の人達も賛同していた。

「どうやって?」

大臣はスタディンに聞いた。

「魔力を使って、このガラス玉に、斥力を入れる。そうすると、惑星は崩壊する事なく、永遠にその形を保ち続けれる」

「そうか、では、その作業はいつから?」

「もう始まっているよ」

大臣が指された場所を見ると、誰かが力を入れていた。

「あれは、誰ですか?」

「自分達の弟子達だ。こんな事もあろうかと、特殊魔法である空間移動を伝えておいた。それを覚えていれば、基本的に瞬間移動が出来る」

「なるほど。で、作業は何時終わるので?」

「あの惑星の総質量は、約(1.83*10^41)kgだから、それらの斥力は、ちょうど、重力とつりあえばいいんだから…」

「約(1.79*10^42)N」

スタディンが計算中に、イブとクシャトルが、同時に横槍をいれた。

「そうそう、それぐらいになるね」

「もう、お兄ちゃんは、昔っから計算は苦手だったんだから」

「まあ、そんな事言うなよ」

「それほどの斥力を入れるには、どれだけ時間がかかるのですか?」

「大体、全力で一週間だな。それまでは、寝ててもいいよ」

スタディンが大臣の額に人差し指をあてた。その瞬間に、大臣の全身から、力が抜けた。


大臣は、一週間の間、ずっと寝続けていた。

「大臣が寝ている間に、このガラス玉に力をいれ続けよう」

スタディンがみんなに言った。


一週間と一日が経ったとき、大臣は起きた。そのときにはすでに、宝玉を取る算段は整っていた。


「ああ、大臣起きましたか」

「あてて…どうしたんだ?私は、突然、目の前が真っ暗になって…」

「疲れていたんでしょう。それよりも、宝玉を取りに行きますが、ついてきますか?」

「もちろんだとも!」

だが、立ち上がった途端に足元がもつれた。そのまま、大臣は倒れた。

「ああ、やっぱり駄目ですね。大臣は、おとなしくこの船にいてください。大丈夫です。万一の時に備えて、私の弟子の1人を残します」

「よろしくお願いします」

「では、後は頼んだぞ」

「分かりました」

スタディンたちは、その二人を残して、船から出て行った。


「では、作戦どおりに。すでに宝玉とすりかえる球はこの袋の中にある。この袋から出すと、一瞬で斥力が2倍になる。そのとき、宝玉を取り替えるんだ。そして、何食わぬ顔をして、出てくればいい。何か言われたら、迷子になったとでもいえばいい」

「了解。では、気を付けて」

スタディンとアダムは、この惑星の一番地下深くまで潜りこんだ。


「ここが、最深層か」

「易々と入れたのが不思議だが、まあ、大丈夫か」

「それよりも、パパッと取り替えて、すぐに戻ろう。これが終われば、この惑星には用はない」

「そうだな。おっと、あれがその部屋だな」

「ああ、そうだな。この明らかに危険と書かれた部屋が一番怪しい」

二人の目の前には、さらに扉があり、その奥から魔力が伝わってきた。

「では、入るぞ」

取っ手をひねる。簡単に開いた。目配せをして、一気に中へ入った。


中は、霊気で満ちていた。

「この雰囲気は…今までのとはぜんぜん違うな」

心の中に、声が響いてくる。

"お前達は何者だ!我の眠りをさえぎる猛者たちよ"

「自分は、イフニ・スタディン。イフニ神の遺伝子を持つ末裔なり。真実の姿を探しにここへ参った。我らに力を貸してもらいたい」

少し考えてから、声が言った。

"真実の姿か…イフニ神の遺伝子を持っている以上、それはすでに分かっているはずだが?"

「しかしながら、長き年月の果てに、我は姿を喪失した。しこうして、いかがなる方法によりて真実の姿を見る事ができようか」

これまでで一番長い間。そして、重々しい声で、

"御主の決意の程、しかと受け取った。されど、我はおぬしらに協力は出来ぬ"

「何をすれば、協力を受けてもらえようか」

スタディンは、声を張り上げた。

"御主らの力を見て決めよう"

言うが速いか、心の中に強力な力が入ってきた。そして、抵抗すら出来ないようにされ、数分が経った。しかし、その数分は、二人にとってはるかに長い時間に思われた。

「もう…もう満足か…」

苦し紛れのように口の隙間からの空気に声を乗せた。

"…………ああ、もう満足だ。御主らは、真実に、イフニ神の力を継いでいる。よかろう!我も貴様らに手を貸そう"

「ありがたい。では、早速…」

すぐに袋からガラス玉を取り出し、すぐに宝玉をいれた。重さはまったく感じなかった。

「ところで、あなたは、何神と言われているのか」

"我はカオス神と言われている。古代七神のうち、最高神だ"

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