第68部
翌日の12:00になった。
「出発の時刻だ。全船、発進せよ」
同時に動かずに、まず、旗艦であるベルが動き最初に第3衛星から出て行った。そして次々と船が出発し、作戦は実行に移された。
「目標惑星系に向かい、全速前進。星域到着後、最外惑星にて第2参謀会議を招集する。以上を全船に通達」
「了解しました、船長」
すぐさま、全船から返事が帰ってくる。
「これより特異点を通過します。なお、この特異点は2020年当時から変っていないそうです」
「あそこか…では、進もう」
「了解。全船へ通達します」
「ああ、頼んだ」
「第1銀河/11腕/第311惑星系/第11惑星です。ここがこの惑星系の最外惑星となっています。なお、この惑星には390人の入植者がいる事になっています。生命エネルギーの感知も同人数です」
「この惑星上にて、燃料補給及び第2参謀会議を開く。全船に通達せよ」
「了解しました」
1時間後、大陸の真ん中にある、草原で燃料補給と会議を開いた。
「これより第2回参謀会議を開始する。なお、今回より前回推薦された人全員が参謀委員とし、本艦隊の旗艦船長である自分が参謀委員長とする。では、議題はどこに目標物があるか」
「大体の見当とかはついているのですか?」
「いや、ただこの惑星系の内側の方から放射されてきたとしか分からん。なので委員長提案として、まず10隻で内側へ向かってゆっくりと探査するんだ。そしてなぞのエネルギー源が発見されたら、全船に対し緊急集合をかける。なお、船同士の間隔は各AIにまかせる」
「了解しました。ではそういう方面で、進みましょう」
「では、これをもって第2回参謀会議を終了する。解散」
作戦は実行に移された。そして、
「全船に告ぐ、なぞのエネルギー波を感知。すぐ、集合せよ」
「場所は?」
「本惑星系恒星絶対座標、X=163,Y=42,Z=157」
「了解した。貴船の名前は?」
「フリーダム号です」
すぐに、全ての船が、その座標に集まった。
「みてください。これがそのエネルギー源です」
映像には、直方体の物体が写っていた。
「これは?」
「よく分かりませんが、これが元らしいですね。これでは、回収は出来ませんよ。大きすぎます。どうします?艦長」
「とりあえず、この事を、通信する必要があるな。最優先通信、第2種暗号通信を使用して、本部へ通信。他の船は、これを全方位から写真に収めてくれ」
「了解しました。艦長」
そして、3時間後、写真撮影は無事に終わった。しかし、全員、何らかの違和感を感じていた。
「そういえば、これ、どんな名前を付けようか」
「ああ、名前ですか、そうですねぇ…1-11-311-4ぐらいでいんじゃないですか?」
「何故そのような数字に?」
「第1銀河/11腕/第311惑星系/第4惑星で発見した。そう言う事です」
「では、そういう名称にします。いいですね」
「参謀会議において、賛成されたら」
結果は賛成多数でこの名前に決まった。ついでにいうと略称はモノリス4となった。
「質量とかは、出たか?」
「いえ、しかし、興味深い事に、この1-11-311-4、これより略してモノリス4と言いますが、あきらかに、重力波の量が多いのです。私達は、これにより時間軸を狂わされている可能性があります」
「とにかく、戻るのが先決だな。では、第3回参謀会議を終了し、これより1時間後に、帰路につく。以上、解散」
ピッタシ1時間後、全速力でモノリス4から後にした。
その途中、ベルは突如として、操縦不能となったが、他の船は気づかずそのまま通り過ぎて行った。
「船長、操縦できません」
「どういう事だ」
船は強制的に、あのモノリス4に戻された。
「普通波だけがどうにか使える状態です」
「緊急通信、普通波でもいい。本部と連絡を取れ」
「了解しました」
本部に送信したとたん、おもいっきり頭をたたかれたような感覚が襲い、船長は気を失った。