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第54部

あと2日で第3惑星に到着すると言うときに、事件が起きた。

「本船は、これより軌道を変え、第4惑星へ向かいます。ご理解と、ご了承のほど、申し上げます」

突然、合成音声が流れた。

「何があったんだろう」

愛華が言った。

「少し気になるね。あと、2日だし」

すっと立ち上がり、

「ちょっと見て来る」

瑛久郎が外へ出て行く。シュアンも立ち上がり、

「私も行く」

瑛久郎の後についていった。

「大丈夫かな」

心配するクォウスに、

「大丈夫だと思うよ」

ルイが、そういった。


瑛久郎とクォウスは、操縦室へ行った。

「ここだよね。扉が開いてるし」

瑛久郎が言った。

「いつもは閉まっているからね」

すっと、足を出したら、扉が完全に開いた。中には、黒い服面をした人が3人、正操縦士と副操縦士が、銃によって脅されていた。

「大丈夫ですか?」

こちらに銃口が向く。カラシニコフだった。

「お前は誰だ!」

犯人のうち、誰も狙っていない人がこちらを向きながら言った。

「自分は、宮野瑛久郎だ」

「はぁ、誰だよ」

犯人のうち別の人が、そう言った。

「人質は多いほうがいいって、聞いた事があるぞ」

最後の犯人が言った。その時、すっと、手の方から温かい風が通っていった。

「え?なんだ?」

思うが早いか、スタディンと、クシャトルと、アダムが、犯人の首元に魔法の刃を当てて、

「動くな」

と、すごんだ。

「へ、それよりも俺達の銃の方が早いし、お前達なんて、何とでもねえよ」

最初の犯人が、言った。

「ほう、そうか。じゃあ、やってみるか?」

「スタディン!どうやって、ここへ?」

「君達が、心配になって、少し見に来たら、こうだったんだ」

「そうだったんだ」

クォウスが言った。

「ちょっと待てや、スタディンって、あの…?」

「宇宙軍最少年将補昇格者並びに上級魔法使用資格を保有している、イフニ・スタディンだ。今は、宇宙軍最年少少将相当官昇進記録も持っている。他にはいないと思うが?」

「そうか、ならばいい。人質となってもらおう」

銃の引き金を引こうとした瞬間にスタディンの刃がのどを切り裂いたように見えた。

「うぐっ…あれ?切れてない?」

「お前は、ハイジャックをしている、その分の罪、償ってもらう」

下に落とした銃を拾い上げ、スタディンは、もう一人の方に向けた。

「おいおい、今ここで撃ったらどうなるか分かっているだろう?さあ、銃を置きな。さもないと、この操縦士の頭に風の通り道が出来るぜ」

「やってみろよ、お前だって、この場で発砲したら、この航宙機自体に穴が開く。そしたら、金も手に入らないし、その上死ぬ事になる。お前が困るんじゃないか?」

「なんとでも言えよ。おれ自身、お前を道連れにするなら本望だ」

そして、発砲した。3発。一発は副操縦士、一発は正操縦士、そして、最後の一発で自らの頭を撃ちぬいた。その瞬間、スタディンは、高校の時の事を思い出した。

「なんで…死ぬ事なんて無かったのに…」

フラッシュバックをしていた。

「おい、スタディン、どうした?冷汗かいてるけど?」

アダムが聞く。

「あ、ああ。いや、なんでもない…」

「もしかして、あの事を?」

「…そうだ。これも、不可抗力っていうやつかな。神様も何回もこんな事しないでいいのに」

「とりあえず、こいつどうする?」

頭をぶち抜いて、血を流しながら倒れている犯人を足蹴しながら言った。横には、クシャトルとアダムが首元に剣をつき付けていた。

「縛って、トイレにでも閉じ込めといたら?」

犯人達を瑛久郎達にまかせて、スタディン達は、操縦席にいた。

「アダム、船の操縦って出来るか?」

「ああ、なにせ、自分ところの船だからな。全機種操縦可能だ」

「じゃあ、運転よろしく。自分は、こいつの見張りしているから」


そして、船は、無事に到着して、警察当局に引き渡した。

「とりあえず、ありがとうございました」

「いえいえ、偶然そこにいただけですよ」

警察関係者に、少し事情聴取を受け、すぐに開放された。

「とりあえず、下に降りないといけないね」

「そうだよ。どうやって降りるの?」

「いつも通りとは今回行かないんだな」

「え?どうして?」

「宇宙エレベータが通過したばっかりなんだ。自分達が降りる場所へは、あと、23時間56分37秒。明らかにここから別の方法で下に降りた方が早い」

「でも、どうやって降りるの?」

「あれだよ」

アダムが指差した方向には、黒い箱が置かれていた。

「あれは?」

「特殊加工された、鉄の箱。あの中に入って、下に落ちる」

「安全の?」

「今まで、100年間。誰も死んではいない」

「けが人は?」

「それは、たくさんでたと思うけど、まあ、誰も重傷では無いみたいだし」

「まあ、今乗らないと、いつまでも、この衛星に閉じ込めっぱなしだしな」

「そうそう。さあ、乗ろう」

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