表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/86

第53部

第6章 元に戻ってから


「みんなおめでとう。第3銀河/35腕/第364惑星系及び周辺の、反政府組織は根絶されたと言う情報が入っている」

「ありがとうございます。第2惑星第3師団司令官殿」

「いやいや、かしこまらなくてもいい。君達の活躍も私の耳に届いているよ。昇格の推薦をさせてもらおう」

「ありがとうございます」

「では、下がっても良い」

「失礼しました」

扉を閉めて、コンティンスタンスさんの家に戻る。


「ただいま〜」

「お、クシャトル。お帰り」

「皆は、もう準備できたの?」

「とっくの昔に。これから久し振りに家に帰るんだから」

「何ヶ月ぶり?」

「えっと、2ヶ月ぐらいかな?」

「準備が出来たなら、出発しなさい。ああ、それと、全員これを持っていなさい」

「これは?」

「上級魔法取得者証明証。これがあれば、魔法協会から、色々な保証が受けれる」

「とりあえず、必要になった時のために、受け取っときましょう」

「それと、軍服には、中級の代わりにこれを張る事になっているから」

「分かりました」

私服に着替えながら、答えた。

「ああ、君達、最後に、到着前日に、確認した最後の魔力は知りたくないか?」

「知りたいですね」

「では、発表するぞ。クシャトルが、342。スタディンが、365。アダムが、333。イブが、313。シュアンが、298。クォウスが、296。ルイが、289。瑛久郎が、288。愛華が、169。まあ、これは、いわゆる、最高値だからな。しかしまあ、すごい伸びようだな。私をゆうに超えている」

「これはこのまま、変らない値なんですか?」

「いや、少しずつ下がっていく。だから、鍛錬は生涯する必要があるんだ」

「わかりました。これからもがんばります。これまで、ありがとうございました」

「ああ、君達も、元気でな」


「それでは、出発〜」

「おー!」

「とりあえず、普通の船を予約しているから、それに乗るからね」

「分かった」

あの細い路地を通っていく。出てきた場所を、左に曲がる。ここへ来た道の逆の順序で、帰って行った。


「よし。ようやく到着だ。この宇宙港に」

「私達が乗る船はどれ?」

「後1時間後に出発する便」

「もうそろそろ、搭乗手続きの時間だね」

「ああ、そういえばそうだな」

そう言っている間に、放送が流れてきた。

「お客様に放送します。あと、1時間で出発する本惑星発、第3惑星ヘシオドス着便に、ご搭乗なされるお客様は、搭乗手続きの時間ですので、第34ゲートへお集まりください。繰り返します……」

「この船に乗る事になっている。さあ、急ごう」


船の搭乗手続きを無事に終わらして、乗船した。

「これから、第3惑星までは、だいたい、1週間ぐらいかかる。まあ、その間はこの船にずっといる事になるんだけどね」

「ここは、第3惑星みたいに衛星がないの?それに、宇宙ステーションもなかったように見えたけど…」

「そうだよ。この惑星は、この太陽系のうち、衛星が無い惑星なんだ。そんな惑星はこの第2惑星を含めた、内側の惑星しかない」

「何で出来なかったの?」

「そもそも衛星がどうやって出来るかは知っているよね」

首を横に振るクォウス。

「まずそこからだね。衛星が出来るまでには、いくつかの条件があって、まず、大体1千万年ぐらいの間に、惑星の核となる大きな小惑星が出来る。他にもそれほど大きくならなかった小惑星がたくさん出来る。そして、その核となる小惑星の作られる時代が終わると次の時点に移る。その小さな小惑星が、大きな小惑星の重力圏に捕まり、引っ付いてゆく。これで、惑星が出来る。つぎに、引っ付き損ねた小惑星が、同じように小さな惑星を形成する。これが今の衛星になるんだ。その小さな惑星が、大きくなった惑星の重力圏に捕まる。だけど、小さな惑星も、なかなかの速さで回っているから、なかなか落ちない。そうこうしている内に、同じ軌道をただひたすら回っているだけの、衛星になるんだ」

長々と説明をする瑛久郎。

「物知りだね」

「いや、君が物事を知らないだけだと思うよ」

「え〜?そんな事無いよ〜」

「これからは、色々な事を知っておかないといけない時代だからな。とりあえず、部屋に向かうよ」

「へーい」

「気が無いね」

「はいはい」

「とにかく、乗るぞ」

全員が、船に乗り込んだ。出発30分前だった。


「ここが、私達の部屋。見失わないようにしないといけない。何せこの船は、客室が130もあるからね」

「それって、多いのか少ないのか分からないよ」

「多いほうだね。とりあえずは」

「全部同じような客室なの?」

「そうだね。基本的には同じタイプの客室だね」

「とりあえず、廊下に突っ立っているのは迷惑になるから、中へ入ろう」

「賛成」

すっと、横に扉が動き、中へ入った。


中は、なかなかよかった。

「大体の客船って、みんなこんなふうに、落ち着いた内装を取るよね」

「そうだよ。長い間、派手な内装を見ていると、精神的に不安になるんだ。それで、基本的には落ち着いている内装をしているんだよ」

「そうなんだ〜」

部屋は全部で7つあった。まず扉を開けて、中へ入ったところがリビング。そこを中心として、平面的に広がりを見せている。入って、右側の部屋が、廊下側から、トイレ。お風呂。押入れ。左側の部屋が、3部屋とも、寝室となっていた。寝室は、中にも扉があって、自由に行き来できるようになっている。

「これで、夜中も安心だね」

「まあ、誰か入ってきたら、一箇所に固まれるし、逃げる事も出来るしね」

部屋から、出て、あちこち歩き回った。


船が発射する1分前に部屋に入り、リビングに置いてあるソファーに全員座った。

「さあ、これから、家に戻るぞー!」

「おー!」

みんな、意気込んだ。


自動音声が流れてくる。

「本船はあと、30秒で出発します。みなさま、部屋に戻れらて、リビングのソファーについている、シートベルトを締めて、落ち着いて、お座りください」

少し間が空き、

「10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射します」

すっと、軽く衝撃が走り、重力がかかっている事が分かった。体が、すぐにソファーに押し込まれた。

「現在、第3惑星標準重力対比5.6G。高度第2惑星表面上より56km。本日は、ご乗船いただきまして、まことにありがとうございます。現在、第3惑星に向けて、推進中でございます。しばらくの間、過重力がかかりますが、御了承下さい。残り時間を言います。あと、18秒…15…10、…5秒前、4、3、2、1、現在、第3惑星標準重力対比3.5G。高度第2惑星表面上より534km。現在、第2惑星重力圏を通過中です。座席から御立ちになられるのは大変危険ですので、今しばらく、そのままの姿勢でお待ちください」

1分ぐらいしてから、同じ声が天井から降ってきた。

「現在、第3惑星標準重力対比1.0G。高度第2惑星表面上より980km。本船は、第2惑星重力圏を通過しました。なお、これよりしばらくして、無重量状態になります。その際は再び放送します。みなさま、本日は、エア航宙社を、お選びいただきまして、まことにありがとうございます。なお、これより、ご自由に行動してください」

放送が終わった。

「もう、立っていいっていう事?」

クシャトルがアダムに聞いた。

「そう言うことだと思うよ」

シートベルトを外し、ソファーから立ち上がる。

「これから、まあ、大体だけど、何事も無ければ、1週間で着く。ここ最近はね」

「え?それって、どういう事?」

アダムの発言に、スタディンが聞いた。

「ちょうど、今頃は、最接近になるんだ。この、第2惑星と、第3惑星がね」

「ああ、だから、短くなるんだ」

「そういう事。昔は、星間旅行なんて、出来なかったけど、観測には絶好のときだったからね。それが今は、絶好の旅行シーズンになっているんだ。燃料も節約できるし、早く行ける。いまは、すごく、お客が多い時期でもあるんだ」

「ああ、だから、ここ最近なんだね」

「そういう事。さて、この1週間は、何して過ごそうか」


彼らは、ほとんど、遊んで過ごした。しかし、魔力の鍛錬は忘れていなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ