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第51部

現実世界に帰ってきた。

「おお、終わったか。とりあえず、合格かな?」

コンティンスタンスさんが、こちらを振り返りながら言った。

「え?ああ、試験ですね」

スタディンが答える。

「そうじゃ、まあいいから、早く体を洗ってきなさい。1週間ぶりの現実世界は、どうじゃ?」

「とても気持ちがいいです。ところで、この試験は、どういう意味があったんでしょうか」

他の人達も起きてきた。だが、まだ頭が働いていないらしい。ボーと座っているだけだった。

「この試験の目的は、いずれ分かる。まあ、今言えるのは、協調性を見出すことが出来たかどうかということと、早くそのベットから降りて、体を洗って来いと言う事じゃな」

「分かりました…」

すっと降りて、スタディンがシャワーを浴びにいった。その間に、全員起きた。そして、ファックスが送られてきた。試験結果が送られてきたのだ。

「おお、協会側からの結果通知書じゃな。早いな。昔はもっと時間がかかっておったのに」

「どうでしたか?」

「全員合格じゃな。次は、上位の魔法教育を受ける事になる。じゃが、その前に、スタディンとクシャトルは、軍が呼んどったから、そっちに行ってこい。まあ、この地各の軍の駐屯地は、ちょうどここから300mぐらいのところにある、中立地帯じゃから、すぐ分かるじゃろう。その時、軍服にこれもつけと着なさい」

何らかの標識だった。

「これはなんですか?」

「これは、中級魔法訓練合格証じゃ。これを、左胸のところへ点けといたら、みんな分かるじゃろう。まあ、お前達は、すでに宇宙軍将補じゃから、まあ、付けなくても分かるだろうがな」

「ありがたく、いただきます」

「では、軍服は、あの棚にいれておる。お前達が試験に入った次の日に届いたんじゃ。では」

すっと、コンティンスタンスさんは消えた。

「またどこかへ…」

スタディンがつぶやいた。

「仕方ないと思うよ。師匠は色々忙しい人だからね」

クシャトルが答える。

「そうだね。さっさと行って、仕事を終わらそうか」

「うん」

軍服に着替えて、宇宙軍少佐相当官の徽章を着け、合格証を付けて、出て行った。


「久し振りに外に出て来れたね」

クシャトルが言った。

「そうだな。でも、何も変っていないな」

スタディンが歩きながら言った。この細い道を通り抜け、右側に曲がり、少し歩いた所に宇宙軍第2惑星第3師団があった。ゲートの所で止められたが、すぐに通行許可が出た。

「ここをまっすぐ歩いて、右手に見える最初の建物に入ってください」

ずっと、歩き続けて、5分ぐらいすると、右手に白い直方体状の建物があった。

「ここだね」

クシャトルが言った。

「中へ入ろう」

スタディンが促した。


中は、少し涼しかった。目の前に受付があり、そこへ歩み寄り、名前を告げると、エレベータの方向を指差された。

「あのエレベータを登り、最上階のボタンを押してください」

エレベータの前まで行き、ボタンを押して、すぐに来た。誰も乗っていなかったので、すぐに乗り一番上の階である5階のボタンを押して、ゆっくりと上がって行く感覚に身を任せた。


扉が開くと、銃を突きつけられた。

「私達は宇宙軍少佐相当官の、イフニ兄妹だ。そこを通してくれ」

銃は遠のいて、徽章を確認した。

「当人と確認。ではこちらへどうぞ」

銃を持っていない人に案内された。


「先ほどの無礼をお詫びします。ここ最近要人暗殺未遂が増えておりますので」

「なるほど、それで、このような対応を」

「そうです。着きました。この部屋にお入りください」

扉が開かれて、中の人に何事か伝え案内した人は、エレベータの所へ戻った。


中へ入ると、大きいソファーが一つ置いてあり、その前に、机と椅子と人がいた。

「ああ、入りたまえ」

「失礼します」

スタディンとクシャトルが入り、扉を閉める。

「まあ、座りたまえ」

その時、視線が左胸に行った。

「ああ、魔法の中級レベルに合格したんだね。まあ、その事に対して、まずおめでとうを言っておこう」

「ありがとうございます。師団長殿。しかしながら、前書きはそのくらいにしておいて、今日、何故私達をここへ読んだか教えてもらえないでしょうか」

スタディンが一息でいった。

「そうだ。まあ、ある惑星で、我々の国に対して、革命を起こそうと言う機運が高まっている。君達は、必要最小限の人員で、その革命の芽を摘み取ってもらいたいのだ。予算は全てこちらが持つ事になっている。すでに、連邦政府も承認している」

何か言おうとしたスタディンを静止しながら言った。

「やってくれるね」

「命令とあらば」

「よろしい。これが辞令だ。中身はあとで確認しときたまえ。これより君を、反政府組織臨時掃討作戦隊長に任命する。がんばってくれたまえ。決まったら、ここに連れてきたまえ。その際に詳細を話す」

「分かりました。全力を尽くします。では、失礼しました」

扉を開け、コンティンスタンスさんの家に行った。


すでにコンティンスタンスさんは戻っていた。

「ああ、大変な事になったね」

「もう知っているんですか?」

「もちろんだ。今回他の会長達といつもの会合のために行ったときに聞いたんだ。君達が隊長か、誰を連れて行くんだい?」

「まだ決めていませんが」

「今回、5人の会長の中で、決定した事なんだが、これを魔法上級試験にする。その現場に着くまで、みっちり教え込む事になる。他の人達ももうすぐここに到着する予定だ」

言うが早いか、一陣の風が吹き、他の人達が全員到着した。部屋は、一杯になった。

「コンティンスタンスさんよ。あなたの弟子がそんなに高名な人とは知らなかったぞ」

「新聞に何度も載りましたが…」

スタディンがおずおずと言うと、

「新聞なんか読まん」

と、一蹴した。

「とりあえず、全員連れて行こう。それでもいいね」

「とりあえず、司令官からは、必要最低限と言われているのですが…」

「私達が話してこよう。連れて行ってくれ」

「この場にいる全員ですか?」

「そうだ」

スタディンとクシャトルは、同じ道順をたどり、再び司令官室に入った。

「おお、連れてきたか」

司令官は、顔を上げてこちらを見ながら言った。

「ええ。実は…」

スタディンが話しづらそうにしているのを見て、シヒェさんが、話をつなげる。

「実は、大勢になってしまったのです」

「おお、シヒェさんでしたか。いやいや、失礼をしました。あなた様がいらっしゃるという事は、他の会長様達も?」

「ここにいる」

いつの間にか、スタディンの横に全員そろっていた。

「なるほど、その大勢が必要最低限ならば、それは仕方がないでしょう。して、その人数は?」

「我々を含めて、37人」

「多いですが、まあ、大丈夫でしょう」

机の引き出しを開けて、どこかへ指示を出した。

「少しお待ちください。それと、乗員する名簿を作って欲しいのですが」

「ここにある」

コンティンスタンスさんが懐からだした。

「これが乗員名簿だ。それと、出来ればおきい体育館みたいなものもいるのだが」

「安心してください。全ての機体には、17mの立方体の空間があります。それでよろしいでしょうか?」

「十分だ」

誰かが入ってきた。

「司令官殿。準備が整いました」

「おおそうか、じゃあ、こちらへ」

すっと立ち上がり、扉の外へ促した。

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