第50部
第5章 最終試験及び中級魔法取得者試験
迷宮の中は明るかった。
「全員いるか?」
スタディンが聞いた。
「ああ。全員そろっている」
アダムが答えた。他の人達も立ち上がっていた。
「とりあえず、進もうか」
「ああ」
魔力を早速使いながら、ゆっくりと進みはじめた。後ろは壁だった。進みながら、ルイが、聞いた。
「後ろの壁、乗り越えられないかな?」
「え?何でそんな事聞くの?」
「なんか、後ろの壁が自分達に合わせて迫ってくるみたいなんだ」
そこで、アダムとイブが、距離を計測すると、さっきから変っていない事が分かった。
「確かに変ってないな。だとすると…」
アダムは、金縛りの魔法と、物質移動の魔法を使い、壁をどこかへ移動させた。壁の後ろには別の人達がいた。
「あれ、君達がこの壁を動かしたの?」
「そうだよ。君達はどこの人達?」
「僕達は、ピチタスオさんの弟子だ。自分の名前は、海部然武。他の人達は、左から順番に、岳田一郎、野沢菜月、勝克望だ。みんなよろしくな」
すっと、手が出てくる。
「ああ」
言いつつ、呪いの類がないか確認して、握手をした。
「これから、この13人で、行動しようか」
「そうだな。多い方が何かと便利だしな」
「とりあえず、どっちだろうか?」
一行は、T字路に挿しかかっていた。
「右か左か、左か右か」
「物調べを使えば、出来るんじゃないか?」
「そうだな」
スタディンは、物調べの魔法を使った。すると、右側に光がさした。
「こっち側だ」
その向きに向かって歩き出した。
少し歩くと、L字路があった。
「…!なにかいる」
「え?」
然武が言ったことについて、調べるために、物調べを使った。
「本当だ。何かいる」
「よし、3、2、1で、行こう」
「さーん、にー、いーち…」
「行けっ!」
バッと飛び出すと、そこには、人の頭、馬の体、大きい弓を構えた生き物がいた。
「お前は何者だ」
「この俺か?俺の名前は、ケンタウロスだ」
「ケンタウロスか…ならば、これだっ」
クォウスが強制呪縛の魔法をかける。
「な、からだが…」
「お前に、呪縛の呪文をかけた。数時間は動けない」
罵詈雑言をいいまくっていたが、完全に無視して、歩き続けた。
そして、最後の扉とかかれた門の前まで来た。
「ここが、最後なのかな?」
「そうかもしれないな」
扉を開くと、部屋があり、伝説上の生き物である、スフィンクスがいた。
「ほほう。ここまで来るとはなかなかなやつだな。あと、1時間ある。ここを通ることが一番の近道だ。まあ、私が出す、なぞなぞを解いたら通してやろう」
「どんななぞなぞだ?」
「最初は4本足、次は2本足、最後は3本足の生き物って、何か」
「それは決まってるな。人間だ」
「なぜ人間といえる」
「4本足というのは赤ちゃんがハイハイしている時、2本足というのは今みたいに歩いている時、最後の3本足というのは杖をついている時だ」
「正解だ。じゃあ、約束だ。全員通っていきな」
スフィンクスは一人分とおれるような隙間を開けて、横に退いた。全員、歩いていった。
スフィンクスの先の部屋には、誰かがいた。
「誰だ!」
愛華が叫んだ。
「私を倒せるかな?」
こちらを向いて、顔を見せた。
「私は、キマイラ。私を倒したら、無事元の世界に返そう。だが、私を倒せなかったら、そのときは、おとなしくこの迷宮で生涯を過ごすがいい」
「どうする?」
「やるっきゃないでしょう!」
戦闘が始まった。
その時、他の3人の弟子達も到着した。
「おお!こりゃなんだ!」
「こいつを倒さないと、ここから返してもらえないらしい」
「そりゃ大変だ!手伝うよ!」
「ありがたい。みんな、5方向から同時に最大の魔力で最高の魔法をかけるんだ」
然武が全員に向かって叫んだ。
「何の魔法?」
「滅びの魔法だ」
「それを使うのか?!」
「今使わないと、みんな帰れなくなるぞ」
「それもそうだな。じゃあ、誰かおとりを頼む」
「自分がしよう」
おとり役を買って出たのは、スタディンとクシャトルだった。
「では、その間に自分達は、滅びの呪文の詠唱をはじめよう」
二人は、キマイラの周りで、飛び回って、気を逸らした。何分かした後、
「スタディンたち!のけ!」
ばっと、上空にいって、限界ぎりぎりのところで、こちらに降りてきた。
「滅びの呪文!」
両手を重ね合わせ、前に突き出し、黒いエネルギーを一気に押し出す。エネルギーは、黒い矢となり、キマイラの体に深々と突き刺さる。
「そ、そんな…」
すっと、影が薄くなって、キマイラが消え、その場所に扉が現れた。
「これて、試験は合格かな?」
「さあ、とりあえずこの扉を通ろう」
みんなこの扉を通り抜けた。