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第49部

この宇宙ステーションは、特殊な構造をしており、その影響で、星間連絡船は、この第3惑星の二つある衛星にどちらかに行く事になっていた。それぞれ、ホメロスとヘシオドスと言う名前であった。ホメロスは真球状の衛星で、直径が380kmで現在人口が約2万人である。第3惑星の地表面からは、約3500km離れていた。今回はこちらではなく、もう片方のヘシオドスの方に行く事になった。ヘシオドスも真球だが、直径が590kmあり、地表面からも約5800km離れていた。

「結構人が住んでるね」

宇宙ステーションとヘシオドス間の連絡船に乗って、やってきたクシャトルの最初の言葉だった。

「まあ、第3惑星の二つの衛星のうち、人口、表面積、産業状態は、こっちの方が上だからな。そのせいもあるんだろう」

アダムがクシャトルに説明する。

「え?そうだっけ?」

「お前な〜、高校で習わなかったか?」

スタディンが、つっこむ。

「そんな記憶ありませ〜ん」

「とりあえず到着したぞ」

コンティンスタンスさんが皆に伝える。

「え、もう着いたんですか?」

ルイが言う。

「そうだ」

コンティンスタンスさんが答える。目の前には、「予約船」とかかれた看板がかかっていた。向こう側には、透明な窓があって、その先に船があった。

「あの船が、自分達が乗る船ですよね」

「そうだ。あれが、魔法協会が所有している、宇宙船だ」

涙みたいな白い船体に、青い協会のマークと、黒と紺色で、「魔法協会船」と書かれていた。すでに何人か待っていた。

「あそこにいる人達は?」

「他の会長達が集めてきた子達だ。だが、まだまだ増えるからな。5人中1人しか集まっていないらしいな」

コンティンスタンスさんの声に向こう側に人が反応した。

「ああ、コンティンスタンスか。待っていたよ」

男の人の声だった。

「久しぶりだな。ピチタスオ」

「今回も、弟子入りする人数は多いな」

「それは仕方がないだろう?なにせ、彼らはエア兄妹を除いて、140台を超えている」

「嘘つけ。そんな事ありえないぞ」

「だが、ここにいる。君も後で量りたまえ。本当にすごい魔力を持っている」

「へー。そんなにすごい魔力の持ち主なんだね」

後ろから、声が聞こえる。女の人だった。

「ああ、君か」

「それよりも早くのいてくださらない?少しつっかえてしまっているんだけど」

イールドさんがいた。

「あれ?やっぱり全員つれてきちゃったの?」

「ああ、彼らは全員で、ひとつの魔法集合体となる。だから、全員連れてくるしかなかったんだ」

「まあ、いいけどね。ああ、そうだ。頼んどいたやつ持ってきた?」

エア兄妹とイフニ兄妹に聞いた。

「これですか?」

4人とも同じような袋を出した。イールドさんは袋を受け取り、中身を確認した。

「ああ中身は無事みたいだね。だったらいいよ」

4人は同じ場所にしまった。全員、中へ入り、広くなっている待合室のところで待った。


そして他の2人も到着した。一人は、男性で名前はショパエ・シヒェと言い、もう一人は、女性で名前は近藤尚美と言った。


「さて、全員そろいましたね。では、これより、出発します」

船に入る順番は、先着順となった。


船の中は、外観と比べて、非常に中が広くなっていた。誰かの声が反響してくる。しかしその声は反響しすぎていて内容が分からなかった。全員入ると、わずかな振動を残して、船が出発したような雰囲気がなかった。

「これより、魔力の再確認検査をします。すいませんが、会長は中央にお集まりください」

どこからか聞こえてくる音声。5人の魔法最高評議会会長は中央に集まりなにやら相談しはじめた。他の人達は息を潜めて待っている。解散したとき、こちらに向かってくるのはコンティンスタンスさんではなかった。シヒェさんがこちらに来た。

「これから、全員の分の魔力の再検査をする。時々この検査で値が違う人がいる。この検査で100以下の場合は、問答無用で家に帰っていただく。では、これより開始する。なお、各自の魔力は、このグループ内のみで公表する」

その後、速やかに検査が行われた。どこからも話し声が聞こえなかった。


「検査は以上だ。みんな、お疲れ様。1分後には検査の結果が出てくる」

精確に1分後に結果が発表した。

「イフニ・スタディン、157、イフニ・スタディン、149、エア・アダム、136、エア・イブ、145、丹国シュアン、148、丹国クォウス、153、丹国ルイ、157、宮野瑛久郎、152、宮野愛華、142、以上、現時点で脱落者無し」

みんあ、胸をなでおろした。

「これから、第2惑星に着くまでは、好きにしていてよろしい。到着したら、再びコンティンスタンスが、君達の師匠に就任する。それ以後は、師匠は絶対だ。分かったね?」

「はい。よく分かりました」

「よろしい。では、解散」


その後、何分たったか分からない。だが、船は到着した。現地で、帰る人は誰もいなかった。

「これからは、私の家に行って、最終試験まで練習をする。いいね?」

コンティンスタンスさんが、イフニ兄妹たちに確認した。

「はい!」

全員、元気よく言った。船を下りて、コンティンスタンスさんの家に向かった。


「とりあえず、これから、1ヶ月間、この家に、ずっといてもらうよ」

「分かりました」

「では、これから、君達の修行を開始する。用意は?」

「いつでもどうぞ!」


それから、あっという間に1ヶ月がたった。

「これより、最終試験及び中級魔法取得者試験を開始する。今回の試験は、これまで修行した事全てが問われる。約1週間に及ぶ長期的な試験だ。その間は、みんな寝てもらう。この特殊な装置によって、1ヶ月前に会った彼ら全員と同じ脳波になってもらう。この試験は、ある迷宮にいってもらう。その迷宮にある数々の難問を解いて、最終地点にたどり着けば合格だ。期間は、1週間だが、迷宮内は時間が停止している。だから、恐らく一瞬で通り過ぎるはずだ。まあ、がんばれ。ああ、そうそう、他のチームと合流して一緒にするのもありだからな。では、このベットに寝て、そのままこの機械を頭に着ける」

着けたとたんに眠くなった。

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