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第36部

一行は、同じ道順を通り、少し時間をかけて帰ってきた。

「ただいま〜〜。買って来たよ〜」

「お疲れ様。上に行って、休んどきなさい。その間に私が今日のご飯を作りましょう」

「今日は何なの?」

「ハンバーグよ。楽しみに待っててね」

「はーい」

みんなお釣りを持って、エアとイフニ兄妹の部屋に戻った。その後、各自部屋に戻り財布を持って再びスタディンの部屋に集まった。

「いま、お釣りが、9315GACある。これをまず等分する。6人いるから、6等分すると」

近くの電卓で計算する。

「一人当たり、1552.5となる。まず一人ずつ、1552GACとってくれ」

みんな手が伸びて、定められた量ずつ取っていった。

「残りが、3GACあるんだが、これはじゃんけんで、勝った者順で1GACずつ取って行く事にしよう。ただし、取ったものはそれ以後のじゃんけんに参加できない。いいね」

みんな賛成した。

「じゃあ、いくよー!最初はグー、じゃんけん、ポン!」

何回かして、最初に1GACを取ったのは、瑛久郎だった。

「では、瑛久郎は参加しないでね。では、第2回戦目、最初はグー、じゃんけんポン!」

また何回かして、次に取ったのは、アダムだった。

「次はアダムだね。では、最後だよ。最初はグー、じゃんけんポン!」

再び何回かして、最後の1GACを取ったのはクシャトルだった。

「これで分配会議を終了します。一同、礼」

「適当に仕切ってるな。まあ、いいけど」

みんな眠くなり、それぞれの場所で眠ってしまった。


一人、また一人と起きた。

「みなさーん、ご飯の準備を手伝ってもらえませんかー」

下から声が聞こえる。

「行かなきゃ行けないよな」

「そうだね」

起きていない人を全員起こして、下に行った。


「今日のご飯はハンバーグよ」

「わーい。私ハンバーグ大好き」

「気に入ってくれてうれしいわ。たくさんあるから、いくらでも食べていいわよ」

「いただきまーす」

みんな食べはじめた。一人いなかった。

「ねえ、愛華ちゃんはどこに行っちゃったの?」

「高校に行くぐらいなら、この家を出て行ってやる、って言って、あなた達が買い物に行っている間に、出て行ってしまったの。今頃どこにいるのか…」

由井さんの顔に影が走った。

「大変でしょうね。そのような娘さんだと」

「あなたの妹さんはそんな事ないの?」

「ありません。私は、そんな事をしません。ねえ、お兄ちゃん」

「ああ、そうだな。自分の妹は、そのような事をしないと思います」

「そう。あなた達は強いわよ。両親から離れて、この星からも離れて、全ての時間からさえ離れて、でも、何も起こさなかった。私もあの子のような時期があったけど、まさか、私の娘が、こんな事になるなんて」

わずかに目じりから光るものがあふれそうになっていた。

「とにかく今は泣くようなときじゃありませんよ。いずれここに帰ってきますよ。悲観的にとらえるのはやめて、このハンバーグを食べましょうよ」

「そうよね。みんなありがとう」

「何を言うのですか、皆、家族じゃないですか」

「家族、そうよね。新しい家族よね」

会話が切れた。食べる音だけが響く。


「ごちそうさまでした」

「食器は、流しの中に入れといてね」

「はーい。リビングのテレビを、見てもいい?」

「ええ、いいわよ」

いそいそと行き、テレビの電源を付ける。ニュースをしていた。

「先日日本領土を解放した事について、連邦政府のスポークスマンは、以下のように語っています。「私達は、連邦政府の調査によって、日本国の新暦20年辺りで発生した、原子力テロによって放射能にあふれた土地が、全て元の生態系を維持できるほどに回復した事を、ここに宣言します。日本国全域に出された、強制避難命令は開放した時点で解除し、地方政府が布告した、避難指令は残ります。しかし、遠からずして、これらも全て解除されるでしょう」」

「これって、再放送?前にも見たよ」

「昔、日本国はとても裕福な国だったの。中学の歴史で習うか分からないけど、日本は、国連の常任理事国にも選ばれたのよ。ただ、今となっては、それを証明する方法は何も残っていないけど。だけど、他にも色々、日本はすばらしい国だったという事は伝わっているの。だって、日本語は、第2言語に指定している地方国家だって多いのよ」

「多いって言ったって、4分の1もないけどね」

皆、食べ終わってきた。

「とにかくあるでしょう?元々、日本と仲がよかった国よ」

「でも、この映像と何の関係があるの?よく分からないんだけど」

「そうね、高校の歴史の時間にでも習いなさい」

少し怒っていた。

「とりあえずテレビ見せてよ。自分この時間軸上に3年間いなかったから、分からないんだ。その日本原子力テロの話を」

「ああ、そうだったね」

テレビに集中する。スポークスマンがまだ話していた。

「「昔は、これでもよかったのです。しかし今は違います。当時日本国領の大半の土地を放射能汚染にさせた、テロリスト達は、もうこの世にはいません。しかしながら、この世界にはそれらの後が残っています。その最も被害の大きいものが、日本国に対する原子力テロ攻撃でした。しかし、その被害も忘れられてしまっています。1945年旧アメリカ合衆国は、広島と長崎に原子爆弾を投下しました。2020年にはテロが起こりました。しかし、それ以後長い間、日本民族自体が、危機にさらされ続けました。しかし、もう終わったのです。日本列島はもう安全です。ただ、まだ安全ではない場所もありますが、恐らく今世紀中には、全て安全に生活できるようになっているでしょう。私はそれを伝えにきました。以上です」この安全宣言が発表されてから、1ヶ月が経過しました。すでに、300万人もの日本民族が帰っています。さらに、民間の放射能研究機関によると、2170年のクーデターで失われていたはずの、放射能測定器が発見された模様です。当時は「ガイガー探知機」と呼んでいたその機械ですが、今は使えないそうです。日本国領に入る際は、全ての人にこれの携帯が義務付けられています。あなたの、不注意が、全ての人を危機に陥れる可能性があります。あなたの注意が世界を救う。以上、国営放送アメリカ大陸北アメリカ地域南地方本部より放送しました」

テレビが消される。

「はいはい、高校受験をするんでしょう?だったら、勉強しないといけませんよ」

「はーい」

しぶしぶテレビの前から皆立ち上がり、部屋に戻って行った。


「勉強って、何年ぶりだろうな」

「まあ、自分達は、出て行ってから1週間しかなかったわけですし、そう考えると、こちらはほとんど頭が変っていない状態なんだよね」

「お、言ってくれますね〜。じゃあ、マイナスをつけた計算で最高4桁×4桁の四則暗算。やってみ?問題はここにあるからさ」

「ちゃんと、解けるよ」

10分経って。

「出来たよ」

「長いよ。お兄ちゃん。私なんて3分ぐらいで出来たよ」

「それは早すぎるだろう。それとも自分が遅いのか?」

「多分、後者だな」

「えー。自分って計算遅いんだ」

「まあ、人それぞれ、得意不得意があるから、この高校を卒業して、コンティンスタンスさんの弟子入りするんだ。それが目標だろ?」

「まあ、そうだね。うん」

「じゃあ、その目標に向かってまっすぐ行かないといけないよ。そうだろ?」

「そうだな。その通りだ。とにかく今はこの高校入試に全力を注ぐべきだな」

下から声が聞こえる。

「すいませーん、お風呂沸きましたから誰か順番に入ってください」

扉が開いた音がした。廊下を走って降りる。

「私が一番!」

おそらく、丹国兄妹だろう。女子の声がした。

「ちがうよ、自分が一番だよ」

男子の声が聞こえた。

「私!」

「自分!」

少しケンカしているような口調になってきた。とうとう、最後には…

「私が入る!」

何も聞かないうちに、足音が聞こえて、どこかの扉が開いて、閉められた。

「行っちゃったみたいだね」

「そうだね」

多分、シュアンだろうと思った。扉が開き、

「入ってもいい?」

おずおずと入ってきた。瑛久郎とクォウスとルイだった。

「子供達、全員集合みたいな状況になっているね」

「一人足りないけどね」

「なんかこのほうが落ち着くね」

「人と言うのは、他の人といる事によって、落ち着きを得て、そして成長してゆく種族なんだよ」

見知らぬ人が扉にもたれていた。

「すいませんが、あなたは誰ですか?」

「ああ、すまないな。ここに人が引っ越してくることが珍しくて、しかも自分の隣の家だったからね。つい見に来てしまったよ。自分は、パビロン・オーニッカ・パッチ。オーストラリア人だ。まあ、これからよろしくな。自分は、哲学科出身だから、人間の本質とかの方は詳しいから。何か哲学的な事で分からなくなったら、私のところに聞きに来なさい。まあ、大体の事は分かるだろうし、分かる事は詳しく説明するからね。とにかく、左隣だから。これからここに住むんだろ?とにかく、仲良くしてな」

それだけいうと、出て行った。

「あの人は?前は居なかったけど」

「あの人は、私達と同時に引っ越してきた人よ。同じ日同じ時間にすぐお隣に引っ越してきたの。すごい偶然でしょ?」

「そうだね。何か仕組んでいたなんて事はないよね」

「ないよ〜。私の知る限り」

「ふーん。まあ、信用しようや。とにかく言えるのは、何でここに集まったんだろうね。この部屋と言う限られた部屋に」

「そう言えば何でだろうね。この部屋より広い部屋もあるのにね」

「まあ、テレビが壁掛け式で、机が2つ。ベットが4つ。椅子が、4脚。他にも色々置いてあるこの部屋より広い部屋なんて想像できないな」

「地下室は使えないしね」

「どうして?」

「いま、物置部屋になっているんだ。人が入れる隙間すらない」

「残念だな。あそこの部屋には、色々面白い実験をしていったのにな」

「例えばどんな実験?」

「繰り返し、声が反響し続けるようにしたり、一度開けてしまったら、元栓を閉めないと、水が流れ続ける水道の蛇口とか、他にも色々な実験をして、これからの事に役立てようと考えていたんだ。実際に役立つ事はなかったけど、科学や錬金術関係の知識は深くなったな」

「人それぞれ、色々な過去があるんだね」

「その通りだね」

扉が開いた音がした。階段を上がってくる。部屋の扉が開いた。

「次、誰が入る?」

「私が入る〜」

クォウスが出て行って、シュアンが椅子に座った。

「そういえば、高校受験って言っても、何をすればいいんだろうね」

「とりあえず、中学校までの復習とかは必要だろうね。最低でも」

「最低ランクが、そのぐらいなんだね」

「他にもあるぞ。ただ、中学校の、通信簿とかの結果もいるはずだけど、自分達は持っていないから。どうしようか」

「捏造すれば〜」

クシャトルがおどけた口調で言った。

「いや、犯罪だし」

「だめだな。犯罪じゃあ。だったらどうすればいい?」

「人事を尽くして天命を待て。やるだけの事をやろう。通信簿の事は後回しだ」

「そうだね。いまさら考えてもしょうがないしね」

「何の教科からやる?」

「何の教科が試験範囲なの?」

「えっと、この資料によると」

携帯電話を使って、ネット検索をしている。

「地方の第1公用語と、数学、英語、理科、社会だね」

「げ、苦手なやつが入っている」

「へー、船長さんにも苦手なやつってあるんだね」

「自分も人間だ。苦手なものもあるさ」

「どれが苦手なの?」

「英語と、社会だね。まあ、社会は苦手て言うより、不得意科目って言うべきなんだろうけどね」

「とりあえず、これからは英語を中心に勉強をしていこう」

「賛成だね」

「ああ、そうだな」

高校受験する人は皆賛成した。扉が開き、クォウスが入ってきた。

「次は誰?」

「自分が入るよ」

ルイが出て行った。

「皆真剣に勉強中?何の教科やってるの?」

「今は英語だね」

「英語?何でそんな簡単な教科するの?」

「君にとって簡単な事が、他の人が簡単だとは限らないだろ?それよりも、もしかしたら、君って、英語得意?」

「うん。そうだよ」

「よし、これで決定だな。もしも、英語で分からないことがあるなら、この中では、クォウスにたずねる事にしよう」

「それいいね。だったらいっその事、この子供達の中だけ通用する教科担任制をしてみれば」

「誰が何か専門的にまで知っていて、それを人に下手でもいいから教えられる教科がひとつでもある人」

「あたし、数学出来るよ」

シュアンが言った。

「自分は理科だな」

スタディンが言った。

「私はどの地方公用語だろうが、第一水準までなら話せるよ」

クシャトルが言った。

「いつの間に話せるようになったんだ?」

「まあいろいろと、ね」

「自分は、社会の公民が一番いけると思うな」

「ピンポイントですな。アダムよ」

「しょうがないよ。他はあまり興味がなかったんだもん」

「私は、社会全般だね」

イブが言った。

「歴史・公民・地理。何でもいけるわよ」

「それは心強い。整理すると、英語はクォウス。数学はシュアン。理科はスタディン。公用語はクシャトル。社会は公民がアダム。他はイブ。だね。皆覚えた?もし教科で分からないことがあれば、各担任に聞く事ね」

「はーい」

扉が開き、ルイが帰ってきた。

「なんか、皆早いな」

「そう?次は誰が入るの?」

「私が入る」

イブとクシャトルが同時に立ち上がった。二人とも一緒に入りに行った。

「不思議な二人だな。なんかあるんじゃない?」

「いや、それは違うと思うな。あの二人は、単に仲がいいと言うだけの二人だと思うよ」

「そうだといいんだけどな」

「まあ、勉学に励もうよ。とりあえず今は」

「そうだね。最初は英語だね。とりあえず英語で分からないことは、クォウスに聞くことだ。あの子はこの子供達の中で英語に一番強いからね」

「そうだね」

「他の教科の時は自分にも教えてよね」

「君は高校受験じゃないでしょう?」

「それはそうだけど、分からないところを教えあうのは重要だと思うな」

「そうだね。とりあえずこの子供達の中だけしか通用しないから、まあ、がんばろうよ」

「そうだよ。がんばらないと何も出来ないもんね」

皆集中し始めた。


扉が開く。

「あれ、皆すごい集中しているね」

「ああ、帰ってきたのか。今何時だ?」

「今は8時半ぐらいだよ」

「そうか、次は自分が入るよ」

「そうか」

クシャトルは立ち上がり下に行った。


「すいません。お風呂入らせてもらいます」

「どうぞ。あのドアを右に曲がった突き当たりのドアだからね」

由井さんが、リビングのテレビを見ながら、何かを作っていた。おそらく、ドールハウスだと、スタディンは思った。

「はい」

ドアを開け右を見た。

(ドアだらけだよ)

宇宙ステーションの家とは比べ物にならない量のドアだった。といっても、上の方の家の方が少ないだけだったが。だが、そのドアの上に看板がかかっており、どの部屋かというのは、すぐ分かるようになっていた。

「このドアだな」

右側の突き当たりのドアの上には「風呂・BATH」と書かれていた。

(一応日本語は分かるんだけどな。まあいいか)

ドアを開けて中へ入って行った。


「昔と変ってないな」

ドアを開けて入ると、脱衣室があって、またドアで区切ってあった。

(ここで脱いで、中に入るんだったよな)

ここを設計した人は確実に日本が好きだったらしく、風呂の中には富士山が書かれていた。

(その絵はどうなっただろうな)

スタディンは服を脱いで、中へ入った。蒸気でいっぱいだった。ドアを閉めて、浴槽を探した。

(郷に入れば郷に従え)

浴槽を見つけてゆっくり入った。無論かけ湯は済ませてある。


3分ぐらいして、

「なんか、頭がだるいな」

浴槽から出て、立ったまま体を洗って、出て行った。


出たら、外はとても冷たく感じた。体を拭き、服を着て、この部屋から出た。


(やばい。めまいがする)

立ちくらみが少し遅れてきたようだ。

(部屋はどこだ?よく見えない。目の前が少し暗い)

スタディンは、壁にもたれて、立ちくらみが収まるのを待った。すぐに収まってきた。

(もう歩いて大丈夫だろう)

歩きはじめて、すこしして、スタディンは思いはじめていた。

(そういえばこんな構造の家だったけな、この家って)

思い出そうとしても、ぼんやりとした記憶となっていて、よく分からなくなっていた。

(とりあえず、指示塩類区だ。あれ、指示塩類区ってなんだ?)

思考自体が意味を成さなくなってきていた。だかスタディンは、どうにか元の部屋に戻る事に成功した。ドアを開ける。

「次の人入れよ」

「最後は自分だな」

スタディンと替わって、アダムが入りに行った。

「大丈夫?顔色が悪いように見えるけど」

「そうか?大丈夫だけどな。それより、勉強だよ。とにかく高校に入らないとこっちはやばいんだからな」

「どうして?」

「家庭の事情で」

「そうなの」

静かになった。


アダムが帰ってきた。

「やばいよ…立ちくらみの激しいのに襲われているよ」

「少し横になって目をつむるんだ。そして、ゆっくりと深呼吸を3回する。それで多少は収まるはずだ」

「そうか」

実践した。

「確かに収まるな。これからこの方法で立ちくらみを直そう」

勉強に戻る。


時報が聞こえる。

「12時です。12時です。皆さんこれから深夜帯です。第1シフトの皆さんは仕事をしてください」

「第1シフト?」

「この町では、一日を3つに区切って、0時から8時までが第1シフト。8時から16時までが第2シフト。16時から24時までが第3シフト。という感じに、分かれているの」

瑛久郎が答えた。

「そうなんだ。これから、第1シフトが始まるわけだね」

「そういう事。さて、もう夜も遅いし、もうそろそる皆寝ようか」

「そうだね。もう12時だしね。明日は、理科でもやろうか」

「もう、何でもいいよ。とりあえず、寝よう」

「その通り。明日は明日の風が吹くっていうしね」

「皆は自分の部屋に戻って、お休み」

「この部屋のままじゃ駄目なの?」

「いや別にかまわないけど…どうして?」

「みんなで寝たほうがすぐに勉強に取り組めるでしょう?」

「そう言ってるけど、実は、一人で寝るのが怖いんじゃないの?」

「そんな訳ないよ!ちゃんと一人で寝れるもん」

「まあ、いいじゃないか。みんなでひとつの家族なんだから」

「そうだね。ひとつの家族だからね」

「今日はここで寝ようか。でも、どうやって寝る?ベットは、4つ、人は6人。全部合わせたら寝れない事もないと思うけど」

「やってみる?このソファーは、ベットにそのままなるタイプだから、これで5つ。あと、ひとつはどうしても見つからないから、この5つのベットをそのままつなげて、6人入れるように場所を確保しようか」

「でも、音は出来る限り低く抑える必要があるし、それに、このうちの2つのベットはこの床と固定されているみたいだし。どうして動かすの?」

「このベットは、ただ、ねじで固定されているだけなんだ。だからそのねじを外すと、ベットは動かせれる。そうやってこの場所に自分達は持ってきたんだ」

「昔と変わらない位置だけどな」

「どういうこと?」

「このベットは元々ここに置いてあったんだ。自分達がここにいる間に動かしたんだ」

スタディンは部屋の端っこを指差しながら言った。

「そうなんだ。だからここの床には色々傷があったんだね」

「そういう事。まあ、そんな事より、寝るほうが優先だから、とにかく、ベットを動かして、さっさと寝る事にしよう」

「さんせー!」


ベットを動かし始めてから、終わるまで、30分かかった。

「これで完成だな。皆着替えるか、そのままかどうか分からないが、寝よう」

皆思い思いの格好で部屋にやってきた、だが、一様に普通の格好であった。

「なんだ。皆普通だな。こんなときなんだから、すごくど派手な人とか出てきそうなのにな」

「残念だったね。今はこの服しかないんだ」

「じゃあ、みんなベットに入って。もう寝よう」

「はーい」

みんな寝はじめた。夢の中へ…

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