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第16部

そして、スタディン達は着陸した。出る直前に、

「もしもこの世界が、失われた時の時代であったとしても、私は、この時代の大統領と、同盟を結ぼうと考えている」

「船長。同盟がすべてではないのですよ。もしもここで、同盟を結んだら、歴史が変わるかもしれないのですよ」

「それでもやる。やる必要があるのだから」

「そうですか。ならば止めません。自分の信念を貫く人は好きだよ。スタディン」

後ろを振り返る。クシャトルしかいない。

「さっきほかに人がいたか?」

「え?何聞いているの?さっきから私達だけじゃないの」

「さっき、自分に話しかける声が…」

「私には聞こえなかったけれど?気のせいじゃないの?」

「そうかな…そうだよな。気のせいだよな」

「うん。気のせい気のせい」

扉が開き、昔の第3惑星に降り立った。


「ここが、神戸宇宙港か」

「そうみたいだね」

扉が開いたときに、潮の香りがした。海辺に埋め立てられて、作られた神戸空港を改良して、スペースブレーンが発着できるようにした、この国で3個目の空港らしい。

「ようこそ。わが国へ」

出迎えてくれたのは、初代連邦大統領であった。

「私の名前は、大島仁人。よろしく頼みます」

「分かりました。末永い友好関係を築いていきましょう」

「ありがとうございます。ところでどこからこられたのですか?」

「私達はここから、約1500光年離れた、オリオン星雲から来ました。我々以外の生命を目指し、この地まで飛んできたのです。ただ、ここまで来るために、燃料を使ってしまいまして。もしよろしければ燃料を購入したいのですが…」

「どうぞ。かまいませんよ。ところであなた達の名前はなんと言うのでしょう?」

「私の名前は、イフニ・スタディン。こちらは私の妹の、イフニ・クシャトルです」

「分かりました。ところでここで立ち話も何ですので、こちらへおいでください。私達が用意したホテルに泊まっていってください」

「では、お言葉に甘えて」

そして二人は空港の近くのホテルに泊まった。

「ところで、お尋ねいたしますが、上空に止まっているもう一つの船はよろしいのですか?」

「ええ、彼らは、上空で待機するそうですから」

「それは良かった。もうすぐホテルに着きますから。それまで外の風景でもお楽しみください」

そう言われて初めて、車内から外を見た。神戸の空港から、橋を渡っているところだった。

「そう言えばこの辺りにほかに空港はあるのですか?」

「ありますよ。あとこの辺りに2つほど。もしよろしければ案内しますが?」

「またいずれ頼みます。この国の概要を教えてくれませんか?」

「分かりました。では腰の近くにある赤いスイッチを押してください。そしたら私の座席の後ろの画面に情報が出てきます」

いわれた通りにすると、確かに、情報が出てきた。その情報によると、このように書いてあった。

「国名:全地球統合連邦国

略称:連邦国

人口:74億人

所有惑星:なし

主要惑星:本惑星(地球)

主要地域:アメリカ大陸;北アメリカ地域;南地方

   :アジア大陸;東アジア地域

         ;西アジア及び中近東地域;北地方

   :ヨーロッパ大陸

産業:機械文明

惑星系:1恒星:8惑星

銀河系:天の川銀河

成人人口:69億人

平均出生率:2.75

主要燃料:バイオ燃料」

(とにかく出来る国だったんだ。だったら何故クーデターなどを?)

「ここ最近の重要事件を」

すぐにデータが表示された。

「ここ5年間の重要事件・

大統領暗殺未遂事件…2018年3月8日

 内容…現職の大統領が、ライフルにより狙撃、

    死傷者なし。犯人は逃亡中。

大規模脱税事件…2016年4月1日発覚

 内容…世界的な企業が、脱税、

    脱税額250億$。追徴課税25億$。

以上」

「ほかには?」

画面には一言だけ出てきた。

「ありません」

その時、大統領が話し始めた。

「ホテルまであと45分ぐらいかかります。そう言えば二人とも、神の存在を信じますか?」

「神の存在ですか。私達は信じます。私達が神の子孫なのですから」

「やはりですか。私の親もそう言っていました。かれこれ1万年以上前の話ですが、7人の神々がこの惑星に神の遺伝子を落とし、その後、その家族を中心として、世界が産まれたそうです。そして、私の家族もそのうちのひとつらしいのです。そして、その影響で、全ての人には不思議な能力が身についたそうです」

ハンドルを持つ手がつい力が入る。

「あなたは、どのような力を持ているのですか?」

「まだわからないのです。いずれ気づくらしいのですが…それがいつになるかは人によって違うらしいのですが」

その後、ラジオをつけて、曲が流れ出した。

「お二人ともこの星の音楽に詳しいですか?そんな訳ありませんよね。この曲は、ビートルズと言うグループの曲なんです。1970年代ぐらいのグループの曲がまだ語られているのですから、すごいですよね」

「ええ、まあすごいですね。私達の世界の曲はあまり流行りませんから…」

「そうなんですか?じゃあこの星は恵まれているのですね」

そのような話をしているうちに、ホテルに着いた。

「ここがあなた達が泊まるホテルです。私もここに泊まりますから、何かあればおっしゃってください」

「ありがとうございます」

3人はホテルの中へ入り、大統領とは1階離れた場所で別れた。兄妹は同じ部屋に泊まった。その時、あの医者が入って来た。

「どうもこんにちは。大島良行です。大統領には会いました?」

「ああ、あったよ。君と良く似ていたね。しかし、彼も神の子孫だと言っていたな」

「この世界には、複数の神の子孫が存在するのです。人はそれぞれ最低ひとつの遺伝子を保有しています。ほかの遺伝子は、進化のときに自然に作られた遺伝子です。ただ、その神の子孫の遺伝子のすべてを持つ人がいずれ存在する事になります。その人は新たなる神となり、再び世界を作ると言われていたそうです。あなた達でしょう。その神になる人は」

「そうかもしれないね。夢の王よ」

「そう言えば、この世界での時の神の化身は見つかりましたか?その人はこの世界に存在しますから。探してみてください」

「分かった。探してみよう」

「では、これで失礼します。私も部屋の方に戻ります」

「ああ、分かった」

(この世界での時の神の化身は、誰だろう。自分の知り合いだろうな)

「もう今日は遅いし、もうそろそろ寝ようか」

「もうちょっと待って。私は今、この時代のネットで、これまでの歴史を探しているの」

「何か見つかった?自分達が知らないことが」

「うん。たくさんあったよ。船のコンピューターに入れておくから、後で見たら?」

「いや、今見せてもらおう。自分に見えるようにしてくれないか?」

「分かった。じゃあ、あっちの画面に映すね」

そして、壁掛けのテレビに、画像が出てきた。

「1980年代の歴史

 1980年:イランイラク戦争・終結

 1981年:アメリカスペースシャトル打ち上げ成功

 1982年:ヨーロッパ内乱

 1983年:アメリカがヨーロッパに核兵器配備

 1984年:国連爆破テロ未遂事件

 1985年:国連占拠事件

 1986年:日本アメリカの冷戦発生

 1987年:アメリカ経済危機

 1988年:ソ連崩壊・ロシア発足

 1989年:国連→世界政府案を安保理に提出・破棄

1990年代の歴史

 1990年:ドイツ統一・ベルリンの壁崩壊

 1991年:日本アメリカの冷戦終結

 1992年:中国人民元切り上げ

 1993年:アメリカロシア(ソ連)の冷戦終結

 1994年:世界的な異常気象

 1995年:国連異常気象緊急会議・異常気象緊急提言発表

 1996年:日本大地震発生

 1997年:日本付近大地殻変動→全世界の死傷者約1億人

 1998年:日本アニメブーム

 1999年:日本・ドイツ・ブラジル・インド計4カ国常任理事国入り

2000年代の歴史

 2000年:台湾独立宣言・中国台湾戦争発生・国連中国脱退

 2001年:国連が中国台湾戦争仲裁措置

 2002年:アメリカが中国に経済制裁

 2003年:中国台湾戦争終結・台湾正式に独立・中国国連に復帰・アメリカ中国の経済制裁解除

 2004年:アフリカ異常気象・アフリカ連合発足

 2005年:アフリカ統一→アフリカ連合として正式に建国

 2006年:安保理世界統一政府案総会に提出

 2007年:世界統一政府案受理

 2008年:世界統一憲法草案公表・2010年統一政府発足正式決定

 2009年:世界統一憲法草案総会にて投票→可決

2010年代の歴史

 2010年:世界統一政府正式発足・核兵器廃絶開始

 2011年:月面基地建設

 2012年:月面人類誕生

 2013年:世界的な異常気象

 2014年:火星及び金星衛星軌道上にて基地建設

 2015年:初の大統領選→大島仁人大統領

 2016年:アメリカ大地殻変動→死傷者約5億人

 2017年:火星及び金星地球化開始

 2018年:世界的な流行性伝染病→死者10億人以上・2018年における伝染病に関する非常事態宣言布告

 2019年:火星惑星上基地建設・金星地球化完了・2018年における伝染病に関する非常事態宣言終結

2020年代の歴史

 2020年:大統領選挙→大島仁人大統領2期目・核兵器廃絶完了」

「これを見ていると何故あのクーデターの際に、この辺りの時代の記録を消したか分からないな」

「でも何か理由があるはずだよ。何か分からないけれど…」

二人が悩んでいると、眠くなってきた。

「今日はもう寝て、明日考えよう」

「そうだね〜。おやすみ〜」

「おやすみ」

二人ともベットに入って、寝た。

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