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第10

攻略しないし進まない


「ん〜〜それにしても久しぶりの外は気分がいいなぁ。妹達には悪いけど、やっぱり一番にでないと僕の威厳がないからねぇ」


ちみっこが屈伸をしたりして体操をやっている。薄い布でそんな動きまわったらなかが見えてしまうのだが……俺には特殊な性癖は無いため特になにも感情は揺さぶられない。

ロリコンがもしこの場にいたらル〇ンダイブしているだろう。

……念のためもう一度言うが俺はしないぞ。

「運動して久しぶりの外を満期してるっぽいとこ悪いんだが……ちみっこは何者なんだ?一体なんなんだ?」


俺が質問するとちみっこは頬を膨らませながら片手を腰に、逆の手の人差し指で俺を指差しながら言った。


「まずマスターはちみっこ言うな!!僕にはブネって名前があるんだぞ!!」


「あ〜〜はいはい悪かった悪かった。ブネちゃん」


「ブネちゃん言うな!!」


ちみっこが俺の足に平手とキックを打ち込んできたがまったくいたくない。


「やっぱり今の僕じゃ初期状態のニューマスターでも傷つけられないよぉ……全盛期だったらなぁ……まぁいいや」


「そろそろ俺の質問に答えてくれないか?」


「……仕方ないなぁ。僕はその君が付けてる〈強靱の腕輪〉の中に作られた精霊の一種だよ」

ちみっこは指輪をツンツンしながら答える。「作られた?人工なのか?」


「ううん、偶発的。僕、というかほかの指輪にいる妹たちもだよ」


「偶発的にねぇ……なんで偶発的にできたんだ?」


「前マスターが指輪の付与効果のひとつにこっそり追加したんだ。前は指輪自体に人格を持たせるって効果だったんだけど成長していくうちに変わっちゃって僕達を生み出し世界に出現させることができる効果になっちゃったんだ」


「そうなのか……君達を作った前マスターはどうなった?」


「死んじゃった、寿命でさ。さすがに自然死は復活出来なかったみたい。僕達前マスターが消滅してから今までずっと倉庫に保管されっぱなし。お陰で前マスターと一緒に頑張って集めた強さやスキル、経験値はほぼリセットされちゃったし具現化できないかったから体ガチガチ〜〜」


寿命ねぇ……。

本当に寿命なのかね?

消滅するんだな。


「なぁ?さっき消滅したって言ったよな?」


「うん、消滅」


「死と消滅はもちろん違うんだよな?」


「もちろん、この場所の死は本当の死じゃないよ?本当の死はある一定条件の場所じゃない限りね。消滅はこの場所からいなくなってしまったから消滅。前マスターも目の前で他のプレイヤーが消えるとこを見たよ。もちろん僕達もね」

「ある一定条件の場所ってどこなんだ?」


「さぁ?僕達もわからないんだ。前マスターは結構適当だったから教えてくれなかったし、僕達の前では決して死なないようにしてたしさ。ただ前マスターが言うには死んじゃいけない場所は聞こえるらしいよ?」


「なぁ、マスターは見た目若かったか?」


「若かったよ?それがどうしたの?」


「…………」

つまりそれは……いや、予想なだけだ。


「他の指輪からの姉妹は出ないのか?」

「まだ無理かなぁ、経験値が足りないみたいだし」

「なんでちみっこはでれたんだ?」

「僕は前マスターが最初のころから付けられていたものだからね!!他の二人とは量が違うのだ!!だからあんなスライムでも出現するだけの力なら十分十分♪」


「ふ〜〜ん」

「それでニューマスター。名前は?ニューマスターじゃ言いにくいし」

「ああ、俺か?俺は……東雲 紅葉【しののめ くれは】って名前だ」

「じゃくれは君だね!!」

「なぜそうなる……」

「ちゃんのお返しだよくれは君!!」

「悪かった、悪かったよブネ」

「よろしい、よろしくね紅葉!!」

「よろしくな」

俺とブネは握手しあった。

……身長が足りなくて俺は屈んだが。

しかし意外にブネの手が柔らかくて甘い臭いがした気がする……目覚めてしまいそうになったのは内緒だ……。

「さて、次の階に行こうよ紅葉!!」

「お、おうそうするか。もうこの階に用事はないだろうしな……」

こっちを向いて笑顔で言う。

……ヤバイものに目覚めていい気がしてきた。


幼女と仲良くなった主人公!!

ついに名前が発覚!!東雲紅葉!!

先に進まないダンジョン攻略!!

次回ついに先の階層に進みます!!


お楽しみに!!


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