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第九話 魔法

前回のあらすじ。

暗殺道具であり爆弾である、俺の料理。


過去を引きずる者を獲得!

HP+5


アンラッキーマンを獲得!

泣くなって、元気だせって。


もはや魚を獲得!

素早さ+5

水中時の素早さ低下無視


実は優しいを獲得!

防御力+5


異世界に来てまで不運を獲得!

素早さ+10


料理人見習いを獲得!

HP+5


失敗料理人を獲得!

HP+5


暗黒調理人デス☆コック

MP+10

魔法攻撃力+10


メイ モトシマ

レベル1

最大HP125

最大MP105

攻撃力20

防御力18

魔法攻撃力11

魔法防御力20

素早さ145



メイ モトシマ

レベル1

最大HP140

最大MP115

攻撃力20

防御力23

魔法攻撃力21

魔法防御力20

素早さ160



称号め…

何が泣くなってだ。

元気だわ。

それになんだ!

暗黒調理人って!

デス☆コックってなんだ!?

そんなに酷かったか?

そんなに酷かったか!?

おい!


「あの…何怒ってるんですか?」

「いや…なんでもねぇ…」


ティナに不思議がられる。

てか、よく俺がイラついてたの分かったな。


「それより、魔物との戦闘はどうしますか?」

「ん?弱いのかここらへん?」

「ええと…レベル12くらいなら楽に倒せる…と聞いてます。」

「はーん…」


12…ねぇ…


「…パーティ組んでだよな?」

「はい。」

「つか、パーティってやっぱ四人までしか組めないのか?」


王道だったらそうだろう。

…王道だったら。


「いえ、確か六人までだったハズです。それにやっぱとは…?」

「…気にすんな」


6って…

中々見ねぇぞ?

しかも俺らは二人だ。

二人なら36レベ必要なんじゃね?

それに武器防具なしときた。

いや、私服はあるが、防具にはならねぇだろ。


「…ティナの武器はなんなんだ?」

「い…家に置いてきちゃいました…」

「…」


終わったなぁ…


「取りあえずだ。戦えるなら戦う。無理なら逃げる。いいな?」

「あ、はい!」


そして、魔物と戦いになってティナは俺を置いて逃走した!

……いや、頭でシミュレーションしたが、俺が戦ってる限り攻撃してそうだよな。

アイツ。


「…出来ればスライムとか…弱いヤツで頼むぜ…まじで…」


推奨レベル12でスライムだったらどんだけ強いスライムなんだろうな…



さて、俺はティナに魔法を歩きながら教わる。

そして言おう。

攻撃、回復魔法共に全てが体質にあってなかったと!!


「……ええと」

「…なんだよ…?」


どうせコイツも才能がねぇとか言い出すんだろ?

ハッ…!

そーだよ。

才能なんてねぇんだよ。


「次は補助魔法をやりましょう。」


コイツ、分野が広いな。

自分が唱えれるもんだけ覚えてればいいだろうに…


「…我に強靭なる力を…アップパワーッ!」


…起きない。


「次、やりましょう。」

「へーへー…どうせ出来ねぇけどなぁ!」

「ううん…私はそうじゃないと信じる。」

「…」


コイツは…ったく…

普段はヘコヘコしてる癖に…


「…ん?」


手応えがあった。

今までは教われた言葉を言っていたが、今回は違う。

こう…

頭になんというんだろう…

ふっと思い出したような…


…よし…これを言えばいいんだな?


「…麻痺の力…宿れ…パラライズッ!」


バリッ…と俺の右手に電流みたいなものが目で捉えられる。


「メイさん!やりましたね!」

「あ、おい。手を今触れて…」


大丈夫かと言おうとした瞬間、ティナが倒れこんだ。


「…し…痺れ……」


あーあ…

言わんこっちゃない…

…よし。


「さーって、行くとするかぁ」

「ま、待って…おね…がい……置いて…かないで…」


少しだけ歩いて、振り返るとマジ泣きしてて退いた…

嗚咽を漏らしてるし。


「…泣き虫だな…お前…」


ついでに麻痺が治るのに30秒かかった。

大体だが。

こんだけきっちりした秒数だと魔法攻撃力依存じゃないな。

どちらかというと成功率に影響しそうだ。


「ホントに…ホントに!置いてかれると思ったんですからねっ!馬鹿ッ!」

「なんで叩くッ!?」


叩かなくていいだろうに…

だがこれでハッキリした。

俺に体質のある魔法の種類…それは…


妨害・弱体魔法だった…


魔法

パラライズ MP5

自分の掌に麻痺属性を追加する。

一度何かに触れると効果は消滅する。


ダウンガード MP10

自分の掌に守備力低下属性を追加する。

一度何かに触れると効果は消滅する。


ついでに詠唱は、「守りを破壊する力…宿れ!ダウンガード!」

だ。


「ごめんなさい…これが習ったもの全部…です…」

「ううーん…」


少ない…が、結構役に立ちそうだからいいとするか?


「もう少し、この分野を習っておくべきでした…」

「…いや、これだけあれば上出来だろ。」

「…メイ…さん」

「その……あ、か、感謝する…」


だーッ!

クッソ恥ずい!


「…!えへへ…これからもお姉さんに頼ってください!」

「おうけい、じゃあ他の弱体・妨害魔法を…」

「えっ…」


ティナは笑顔のままで固まった。



俺らは魔物と遭遇せずに歩いていけてる。

ここらへんは草原だし、見晴らしもいいからてっきり追いかけてくるかと思ったら…

害のない魔物ばっかだな…

まっ、俺には経験値関係ねぇし…


「な、なんか不思議ですね…魔物に襲われないなんて…」

「…」


不思議…なのか。

ああ、確かに…


「お前、川を渡る前、いっぱい引き連れてたもんなぁ」


嫌味ったらしく言った。


「そ、それは…ええと………はい…」

「…嫌味なのになんで素直に頷けるんだ…?」


それに襲いかかってくる魔物がいるなら興味を示さない魔物くらいいて当然だろうに。


「だって…ホントの…事…」

「うわーしょげんなよ…俺が悪人みたい…ってだな俺は」

「いえ…メイさんは悪人じゃありませんよ?」

「嘘こけ!」


俺は力強く反論する。

人の信頼を簡単に裏切って、平気で厚意を踏みにじってるしな。

直すつもりはないが、それは人道を外した行為であることは自覚している。


「…本当なのに」

「はぁ…」



話こんでいるところに魔物が文字通り、湧いた。

地面から黒い塊が不気味に光り、膨張…

構成していく。


「ま、魔物…どう、しましょう!?メイさん!」

「俺が前衛で引き付け。お前が後衛で回復と攻撃だ。」


そして、黒い塊が魔物となる。


【ハイウルフ】


「おーオオカミか。」

「な、何悠長な事…!それに、その魔物は素早い……」

「そうだな…俺と素早さ、どっちが上だ?」

「それは勿論、うる……」


「ギャウッ!」


へぇー

オオカミってこんな鳴き声なんだ。

純粋な感想。

そして、オオカミが俺に向かって牙を剥き出しに襲いかかってくる。


「まぁ、踊ろうぜ?なんてな」


俺はハイウルフの後ろに素早く回り込む。

流石動物というべきか?

俺の事をすぐ見つけていた。


「ギャアッ!」

「よっと…」


俺は宙を舞う。

…うん、高すぎる。

お?

ティナが手を振ってる。

いや、戦えよお前はッ!?


「…麻痺の力…宿れ!パラライズ!」


これ、常時右手にしか籠められないのか?

武器を持つとしたら面倒だなぁ…


「…どうせならあのハイウルフってヤツの上に落ち…あっ……」


この位置は…

まずい…


右手を上に出し、左手だけで衝撃に備えよう。

因みに落下地点…


ティナの上だ。


「…また叩かれそうだな」


落下スピードがどんどん速くなっていく。

すげーなぁ…

どんだけ跳んでたんだ?


「あれ!?メイさん!?なんでこっち来るの!?」

「あっ…」


下から声が聞こえた瞬間、何かを踏みつけた。

…いや…

俺も俺だがコイツもコイツで運がねぇな…


「きゃぁああッ!?」

「あっ…」


右手もティナに触れていた。


「…いや、すまねぇって」

「…ひ……どい…です………」


「ギャウッ!」

「お前は沈黙しててくれ!」


またも、パラライズを唱え、右手でハイウルフに触れた。

痙攣が起き、ハイウルフは倒れこむ。


「…うわー…普通に強いな…効けば」

「…め…い…さ…ん……」

「…延長出来るか?」


ティナの方を見てかなり悪どい顔になる。


「…え……ま…さか…」

「ま、後で試せばいいか…ティナで。」

「わ、私は実験台じゃありませんッ!!」

「あっっつ!?魔法はぶつけてくんなよ!?」


怒りに身を任せた結果、なんかフレイムボールってヤツを放ってきやがった。


「それで、お前がとどめを刺すのか?」

「……あの…別に倒さなくても…」

「はぁ?経験値は?」

「うっ…」


やっぱ甘いな…


「じゃあ俺が…」

「まっ…待って下さい!無防備な所を襲うなんて…」

「…はぁ…実戦は少ないんだな…」


まぁ、俺も人の事は言えねぇが。

それなりの覚悟を持っているし。


「実戦じゃあ、相手の事を…」

「ギャウッ」

「わっ!…えへへ…ふさふさー!」


…は?


「オオカミさん。痛くない?」

「ギャウッ」


………

いや…

いやいやいや!?


「な、何してんだ!?」

「私…ペット欲しかったんですよね…」

「いや、そういうことじゃなくてな…」

「見てください!ふさふさしてるんですよ!?」

「ギャアッ!」


オオカミは俺には警戒心を強めている。

何してるんだ!?

この女は!?


「なんでとどめ刺すの止めたんだ…?」

「…………触りたかった」

「…ソイツ…まさか連れていかないよな…」

「ホントは連れていきたいですけれどね…」

「ざけんな!金も無いのに!」

「ですけどこの子は…」


な、なんだよ…

その目は…

殺さないで下さいってか?

上目遣いを使うなッ!


「~!…はぁ…さっさと逃がせよ…」

「はい!ありがとうございます。メイさん!」


なんか超ご機嫌だ。

ハイウルフがちらっちらこちらを見ながら去っていく。

なんだ?

引き止めねぇぞ?


「…はぁ…!幸せ…!」

「…ウルフ系統の魔物と会うたびこうなるのか…?」


非常にめんどくせぇ…!

まじでめんどくせぇ!


「…いえ、もう心は決めましたから。次はちゃんと戦います!」

「…っはぁ…ちゃんとしてくれよ……」


気を取り直して、俺らはまた歩き始める。



「思ったんだが…」

「どうしました?メイさん?」

「それ、尻尾だよな?」


そう言って俺はティナに生えている尻尾を指さす。


「そ、そうですけど…」

「…生えてて不便じゃないのか?」


俺だったら絶対引っこ抜くな。


「不便でも…それでも魔人の誇りですから。」

「はーん…」


気のない返事をしながら尻尾をまじまじと見る。


「なっ…なんですか?」

「んー…」


そして触れた。


「ひゃっ!?ば、馬鹿ッ!」

「なんで叩くッ!?」


これで何度目だと思った制裁を受けた。


「メイさんの変態ッ!」

「なにがだよ!?」


ただ尻尾に触れただけだ。

それだけだ…


「だっ、だっ、だっ、だって!ししし…尻尾を!」

「気になっただけじゃねぇか…つか、顔が赤いぞ。」

「させたのはメイさんです!」

「…はぁ…分かったよ…寝るときだけ触るから」

「分かってないじゃないですか!」


ぎゃーぎゃーうるせぇな…


「いーじゃねぇか…減るもんじゃない…分かった…やらねぇから手は降ろせって…」

「はい…!」

「なんで叩いたッ!?」


なんで叩くんだっつうの!?


「…ふん」

「くそ…やっぱ連れて来るんじゃ無かったな…」


本当…

なんでついてくんだ…コイツ…

一部、文章表現の変更。

ステータスアップの数値上昇修正。

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