プロローフ~あたし死んじゃった~
楽しんでいただけるとうれしぃです。お調子者のうっかり者ですが。。。
わたしはどうやら死んでしまったらしい。
私の名前はなんだっけ。。。
名無しでは話がすすまないので自分に名前をつけてみた。
思い浮かんだ名前は「美幸」
美しい幸 なんて現実味のない名前 私に一番遠い名前のように思えた。
なぜ私はしんでしまったんだろう。
ぼんやりとした霧の向こうに男の顔が見えた。
「孝之さん」自分の名前さえおぼえていないというのに、その男の名前はすんなりと口にのぼった。
知ってる人だよね?
なぜ私は自分を死んだとおもったのか、それは目の前に広がる大きな川
おそらくこれが現世と冥界を分ける三途の川というやつだろう。
だって、ほら その巨大な川に木の葉が舞うがごとく浮いて、向こうとこっちをいったりきたりしてる小船をあやつるのはみまごうことない髑髏どううみたって三途の川の渡し守でしょうw
そしてその川の端には大きな木が立っていた。
大きすぎて天辺がここからでは見えない。七色に輪郭が輝いて見える。
風もないのにざわざわとゆれる木。
そして次々とあるいてくる人たち。
それこそひきりなしに、人が列をなしている。
そして渡し守の髑髏につれられて川を渡っていくとそこにいたのは結構イケメンでだるそうに私たちを見下ろす大きな鬼。。。閻魔様?
まるでホストみたいなちょっとゴージャスな服を着て、えらそうに腕を組んで私たちを見下ろしてる。
「お前は誰かによばれてるか?」低いちょっとなごみ系な優しい声。
ちょっと意外な感じがした。
私の前にいた女性は不思議そうにその鬼を見上げ、そしてまた不思議そうに首をかしげてうつむいた。
「この女の名を呼ぶものはいるか?」
大きな声だった。そこら中に響きわたるような通る声
大樹が一斉にざわざわとざわめきたって、ひらりと花が舞い落ちた。
様に見えたのは蝶だった。木と同じ七色に光る蝶が2匹ひらりふわりとこっちへやってくる
そして、彼女の両肩に留まった。
大粒の涙。「あなた、隆」ひらりと舞う蝶について闇の中のような真っ暗な空間に飲み込まれて行ってしまった。
そんな彼女を見送り、今度は私のほうにふりむいた。
んっとに鬼にしとくのもったいないくらいの良い男♪
タイプだわぁなんて不謹慎なことをかんがえていたからか、さっきまでとはうってかわった厳しい声。
「お前の名を呼ぶものはいるか?」
さっきと同じ質問。
「さぁ、いないんじゃないですか?」
「いないのなら冥府へいくことはできない。未来永劫お前はこの地獄をさまよい歩くことになる。」
そんなことを言われても。
「この女の名を呼ぶものはいるか?」
そしてさっきと同じようにひらりと蝶が舞った。
私にも居た? 不思議な感覚、きれいに舞い私の肩にとまった蝶
「美幸」あれ? 本当にこれあたしの名前だったんだ?
変なことをかんがえながらその声に耳を傾ける。
「孝之さん」自然に名前が口からもれた。あぁ、この人の名前だったんだ。
あたし、この人を愛してたのかな? そんな気がする
少しおもいだしたぞ? 二人で死のうと思ったんだ。
彼には奥さんがいて。でもあたしを愛してくれて。
だから二人で逝こうって
あれ? でもそしたらなんであたしだけここにいるんだろう?
薬たりなくて死にきれなかったのかな?
「ねぇ、その女死んだの?」
女の声、聞き覚えがある。彼の奥さんの声だ。
なんで彼の奥さんがここにいるの?
「あぁ、どうやら逝ったみたいだな」
「悪い男」
「このバッグの中に通帳も印鑑も全部あるはずだ」
なんてこったい。。。あたしのお金が目当てだったのか。。。
18から働いて必死に貯めた500万
まぁ、たしかに大金ではあるけど、あたしの命ってそんなもん?
愛する男に裏切られ、あまつさえ奥さんと結託してあたしから全部剥ぎ取るつもりだな
すっごくむかついた。
どうしようもなくむかついた
「ねぇ、一瞬でいいから生き返らせて」
「できるわけないだろう、お前はこれから」
「わかってる、誰もさっきの女性みたいに道案内してくれる人がいないからずっとさまよいあるくんでしょ?それは良いから。別に歩くのには慣れてるし、歩くのも好きだし。それは良いから一瞬だけど生き返らせて」
「無茶を言う、お前は死んだんだぞ?生き返れるわけないだろう。」
「いいじゃん。あんたが損するわけじゃないんでしょ?なら、5秒でいいから生き返らせてあたしかわいそうな子でしょ?両親を早くになくして一人でずっとがんばってきて、やっとめぐりあえた男があんなので。ちょっとくらい復讐させてくれてもいいじゃん。」
「う、うむ。。。。」
内心ほくそえむ、この鬼さん押せばいける!
「ね、5秒でいいから、お願い 本当にお願いします。その代わりなんでも言うこと聞くから」
「強く願え その蝶に。 お前の願いが本物ならばその蝶がかなえてくれるだろう」
あたしは蝶をにらみ殺す勢いでじっとみつめると必死に祈った。
「生き返らせて、お願い。どうしてもこんな理不尽受け入れられない。このままじゃあたしがかわいそう過ぎる。このままじゃ成仏なんて夢のまた夢、絶対成仏なんてしてやらないんだからぁ」
そう叫んだとたん、肩におとなしく留まっていた蝶の輝きが増し、あたしは光につつまれた。
あまりの眩しさに眼を閉じていたけれど、ひかりが弱まった気がしてゆっくりと眼をあけてみた
「げっ、美幸 生きて」げって聞こえたわよ
げってなによ、げって
おびえたようにあたしを見つめる男と女
それを尻目にあたしは流れの速い目の前の川に自分の持っていたバッグを放り投げた。
「きゃぁ あんたなんてことするのよ。」
さすがというべきか青ざめた顔のまま、真っ先に正気にもどったのは女の方、はっとしてあたしに抗議する。
「うるさい!なんであたしのお金あんたたちにあげないといけないのよ。ざまぁみろだわ」
手に入るとおもっていたものを逃した落胆ははかりしれないだろう。 いい気味。
そして目の前の男の首に歯型が残るくらい噛み付いた。
「あんたがあたしにしたこと、死んでも忘れない。覚えておいて。ずっと見ててあげる。暗闇には気をつけてね。」
ノイローゼにでもなれって気でがぶりとかみついて、そのままあたしは再び死んだ。
「本当に5秒なのね。けちっ」蝶に向かって少しぶーたれてみる。
なんとなく蝶が笑ったような気がした。
「気はすんだか? ではそれと行け、お前の道しるべとなるだろう。」
「ひとつ質問! でも、未来永劫ってあたしそんなに悪いことしたの?」
「お前は2つの大罪を犯した。ひとつは人と関わらなかった罪、もうひとつは自分の命を自分で絶った罪。」
「あぁ、自殺はいけないってやつね。でも人とかかわらなかったのってだめなの?」
「実際そのせいで誰もお前の名をよばぬではないか。」
はぃ、そうですね。道案内してくれる人もいないようなやつはダメダメってことね。。。。
寂しい人間ってことかぁ
死んでまで落ち込ませないでよぉ><;
いやんなるわぁ このイケメン言う時は言うわね。
冷たくて怖い顔にも見えるし、やさしい包み込んでくれるような顔にも見えるイケメンな鬼さん。
ちょっと未練のこるけど、ばいばい ちょっと散歩してきますわぁ
道連れが喋喋っていうのもシュールよねぇ、おしゃべりしながらは無理だろうなぁ
ぼんやりと歩き出したあたしの足元を照らすようにひらひらと飛ぶ蝶につれられて真っ暗な道をあるきはじめた。
「達者でな 良い出会いを祈ってるぞ」
やさしい鬼さんの声を背中にききながら。
あたしは荒涼とした赤っぽい大地をあるきだした。
誤字、脱字、。変換ミス等長い眼で見てやってください。普通に指摘していただけるとうれしぃです。勘違いや食い違いなどもかいてると多数でてくるかもですが、できたらスルーしてくださるか、指摘してくださるとうれしぃです。決してどなりこんだりはしないでいてくださるとうれしぃです^^;




