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魔素

 街の外へ出てきた。

 メアは既に剣の姿になっている。


 「確か依頼にはこっちの方の小鬼が増えだしているとか書かれてたな……」


 少し移動してみると確かにちらほらと小鬼を見かけた。

 何体か俺の存在に気付いて向かってくる。


 まず黒炎弾を放ち二体を撃破。そして接近した二体を剣で斬り撃破。

 同じように黒炎弾と剣の攻撃で他の数匹も仕留めた。

 意外とあっさり倒せたな。日々の特訓の成果はしっかりと身についてくれていたみたいだ。このランクの魔物なら問題ない。





 その後も順調に進み三十体も倒してしまった。依頼には十体と指定されていたので二十体は余分だ。しかし剥ぎ取った素材は店やギルドでも買い取ってもらえるので無駄にはならない。


 そんなことを考えていると体に少し変化を感じた。何か力が広がったような、ほんの僅かな感覚でしかなかったので気のせいかとも思ったが一応メアに相談してみるか。何か状態以上にかかったのかもしれないしな。


 「メア、元に戻ってくれる?」


 「どうしたのシオンちゃん?」


 上手く言葉に出来ないけど体に感じた違和感をどうにか伝えてみる。


 「あぁ、それは魔素を吸収したのよ」

 「魔素を? でも魔素は魔力とか使わないと干渉できないモノなんじゃないの?」

 「普通はね、けど魔物は魔素の影響を受けて進化してきた生き物だから相性が良いのよ。それでほんとに少しずつだけど普段から魔素を体に取り込んでいってるの。でもそれは感じ取れるほどのものじゃないわ」

 「ならどうして?」

 「魔物に取り込まれた魔素は既に魔物に適応した状態になっているから外に出たときに近くの魔物へと移動するのよ。要するに魔物を倒した魔物は相手の魔素を奪えるってことね。そして魔素は力そのものだから取り込んだだけ強くなれるってことなの」

 「そうだったんだ。だけど前に魔物を倒したときは感じなかったし、俺は魔人だけど魔物と同じように魔素を取り込めるの?」

 「たぶん倒した魔物が魔素を少ししか持ってなくて気が付かないほどだったんじゃないかしら。まぁ普通に生きてるだけじゃあ得られる魔素も少ないのよ。それと魔人もこの辺は魔物と一緒だと思うわよ。ただ魔人とかじゃなくて個体によって吸収率がバラバラだったりするわね」


 なるほど。だとしたらこれが強くなる近道なのかもしれないな。

 ただ一つ心配なのが……。


 「強くなるって言うのは見た目も変わったりするのかな?」

 「うーん、種族によってまちまちね。変わるのも変わらないのも、何が進化するのか性質がどう変化するのかとか、種族にもよるし個体によっても違ったりするのよね」

 「そうなんだ。助かったよメア」

 「いえいえ、魔物だったら常識程度の知識でしかないから大したことじゃないわ。シオンちゃんも知るには丁度良い時期だったんじゃないかしらね」


 強くなることで魔物へと近づいていく、見た目も父が最後に見せたような禍々しくて邪悪な姿になるかもしれない。それは俺からしたら特に嫌ってわけでもない……だけど、今みたいに隠せなくなったらその時は街で暮らせなくなる可能性は高い。

 元々森で暮らしていたのだから問題はないけど、ギルドには通えなくなるかもな。





 一先ず街へ戻り初依頼を無事終えた。報酬と、素材を売った金額は合わせて1000(ゴルド)だった。昨日泊まった宿が二人で一泊100Gだったのを考えれば一日の収入として十分な金額だ。


 今日は張り切って体動かしまくったせいで疲れてしまったので昨日の宿にこのまま戻ることにした。



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