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涙の上に  作者: ぬるま湯
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 ピピ、ピピと鳴る目覚ましを止めて眠たい目をこする。

 起きて学校に行く準備しなきゃ……


 でも、あと5分……


「まり」


「ん……」


 夢の中なのか現実なのかどっちだろうとのんきにぼんやり考えていたが、はっとする。


「りっ、りく……!!」


 陸斗さん、と言いかけて飲み込む。パニック状態だった。ふすまが開いて、そこから陸斗さんが顔をのぞかせている。


 最悪だ!


「もう7時だけど」


「えっ、あ、やばい起きる」


 返事までめちゃくちゃ!ああ、ほんとに最悪!寝起き見られた!


 髪を整え制服に着替えて台所に行くと、朝食が並んでいた。


 え、これは陸斗さんが?


 形の整った卵焼きにブロッコリー、なべとフライパンには味噌汁ときんぴら。


「まりが起きないから作った」


「ありがとう……」


 いつも朝食はあたしが作っている。朝食だけでなく家事全般はやらせてと申し出た。置いてもらっているのに何もしないのは悪いからと言ったが、本当は何も用事をしないお荷物、と思われるのが怖かったからだ。


「まり、無理に早起きして朝作らなくてもいい」


「いや、でも。明日からはちゃんと起きるから」


 慌てて言った。陸斗さんに負担をかけるわけにはいかない。申し訳ない。


「交代でやろう。明日はまり、明後日は俺」


 どうしよう。お言葉に甘えていいんだろうか。

 あたしが返事に詰まっていると、陸斗さんは「決まり」と言って自分の分の弁当を詰めて行ってしまった。


 あ、急がないと……





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