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涙の上に  作者: ぬるま湯
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 水島まり。成績は並。体力も並。

 特に言うこともない普通の高校生。

 いや、前言撤回。言うことはある。

 家に友達を招けない。

 なんでかって……。説明がめんどくさすぎるから。キャーキャー騒がれたくないというのもある。

 だってあたしの家は……


「なに、してんの」


 びくーっと、体を縮ませる。

 振り返るとそこには、「あの人」がいた。


「い……いや、別になんでも」


 びっくりした。心臓がドキドキいっている。単に驚きだけじゃなくて……、その、つまりあたしは恋をしてしまっている。


 あたしを引き取った人に。


 正確にいえば、七歳年上の遠い親戚に。




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