熱と熱冷まし
本編の方で出てきたテニス部の紡の先輩の恋心は…。
―翊―
あぁー……、頭が痛いー。
かなり本格的に風邪だな、これは…。ダルいしな…。
でも、部活は出たいしな…
きっとマネージャーの緋月だって心配する
俺は好きなお前に心配とかかけたい訳じゃないし…。
ただ、だんだんと熱が回りきつくなってきた。
動いてないと動けなくなる……力を振り絞ってテニスコートに向かう。
大丈夫。きっと出来るはず
―緋月―
なんか…翊今日はいつもより動きが鈍い…?
なんとなく気になって部長の或兎に耳打ちしておくことにする。
『部長…なんか今日は翊の動きが鈍いみたいです。』
すると部長も気づいていたのか頷いて様子を見る事にした。
―翊―
なぜか部長に呼ばれた。
なんだよばれてないよな?
部室に行くと部長となぜか緋月が待っていた。
「ナンスか部長…用は?」
「今日は…翊にだけ、俺が作った特別メニューをこなして貰いたいんだよ。今日はいつもの二倍疲れるから覚悟しとけよ?!」
マジか…。でも、俺を信頼して期待をかけてくれてる部長の気持ちが心地よい。
「…わかったっス!!!」
力が抜けそうな足をつねり何とか持ちこたえる、俺。
「…………無理するな、」
え…。
「ぶ…ちょ、う?」
ばれて…たの、か?
『熱…、あるんでしょ?』
「……緋月……………。」
「は…わっかりやすいな?翊、ばれてないとか思ってたんだろ、お前は。」
「はい。…でも、部活は…最後までさせて下さい。」
「駄目。…今日は帰れ。」
「なんでっスか!?俺っ、…く、ぅ」
叫んだと同時に視界が揺れ思わず壁に寄り掛かる。
ぐらぐらと割れるような頭への振動に目を瞑る。
足の力が抜けそうになり、そこを部長に支えられる。
「…凄い熱だ!緋月、悪いけど副部長の薫に後の事を頼んで、解散させてくれ。俺はこいつを保健室まで、連れていくから。」
『判りました…翊を保健室までお願いします!』
「あぁ…。分かった。」
ドアを開ける音で俺はふと意識を取り戻した。
………保健室。
額には冷却シート。
「ん…、……………!?」
首を回すと、すぐそばには眠る緋月。看病してくれたのか熱は少しだけ下がっていた。
その時部長が顔を出す。
「翊〜大丈夫か?熱測れ」
熱を測るとまだ38度5分もあった。
「うわ、…中々下がってはくれねーな…。でも今は、今さっきより下がったな」
…一体何度あったんだよ?俺の身体…。
「お前の親御さんには連絡したから…迎えに来るって言ってたぞ。じゃ、お疲れ……ゆっくり休めよ翊。」
部長が出て行くと物音でか緋月が目を覚ました。
『あ!翊、気がついたの?少しは…熱、下がった?』
「…38度5分。」
『うわ…下がんないね…』
言いながら緋月は俺の額の冷却シートを張り替える。
「なあ…緋月…、好き…」
俺が言ったことに緋月は、顔を赤くした。
『わた、しも…幼馴染み、とかじゃなく翊が…好き』
嬉しくて思わず緋月の髪にキスをした。
『な…翊?!』
まるで俺の熱が移った様に緋月は顔を赤くした。
「緋月は俺の事、…!?」
それは甘い口づけ。
君の口づけは俺の熱を上げ
…君の存在は俺の熱冷まし
熱と熱冷まし
(俺はお前が大好きです)
fin,
なんか思ったのと違う!!Σ(゜д゜;)
お目汚しすみませんでした