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8)拝啓・お前が生み出せるのは悲しみと不幸とウンコ(前半)

「フハハハハハハハハ!ハッハハァアアー!人間、下等生物が!!死ねぇええええ!!」

メイドさんもとい…このお城のコックであるピロエさんが大きな鎌を持って俺に降りかかろうとする。


「うわあああ!なんか知らないけど、ごめんなさい!!生きてきてすいません!存在してすいません!細胞あってすいません!」

俺は布団を跳ねのけて上半身を起き上がらせる。


――チュンチュン


さわやかな朝の象徴とも言える小鳥の声が俺の耳をさえぎってきた。

「あれ?」

さわやかな朝の象徴とも言える朝の日差しが俺に当たってきた。

俺は思わず日差しをさえぎるように手で目を隠した。

…どうやら…先程の…メイドさん、もといピロエさんが俺に鎌を持って降りかかるのは…夢だったらしい。

フ…フヒュ〜!!まじ死んだかと思った!いや、夢だったけどね!!死んだと思ったよ!!

絶対白目むいて寝ていたよ!俺!!

いや…でも実に現実味のある夢だった。くわばら、くわばら。

本当シャレになんない夢だよな!!勘弁して欲しいよ!

…は!!こんなこと思っている場合ではない!そういえば時間!!今何時だ!?

俺はいそいで頭の上にある時計を見た。現在は5時55分くらい…。

やばい…たしか、フクロウさんは「6時に起床ですよ」みたいなこと言っていた様な…。


「ギャハ」


寝坊したか!!やばい!このままでは先程の悪夢のような悪夢が…

現実となってしまうではないか!!!そんなことは読者のみなさんは望んでいないはずだ!

いやいや、でも起床というのはベットから起きることであって…。

まぁ、いいや!!とりあいず急いで着替えて…着替えて……あれ?

そのあと、どうすればいいんだ俺?別に6時に起床以外何も言われていなかったよな?

………この際、深くは考えないでおこう!!

そんなことで深く考えていたら、これからの俺の生活つっこむところだらけだぞ!!きっと…たぶん。

そしてあだ名は「ツッコミマシーンE.DXエロス.」なんてあだ名がついてしまう!!

今はこのダサイ「ウルトラマ○」のパジャマから紳士的な服にチェーンジ!!することにしよう。

俺は時間を意識しながらパジャマをいそいで脱いで今ではパンツ一張羅いっちょうらの状態である。

うん。

まぁ、ここまでは良しとして…。俺の服はどこにあるんだ?

正直タンスが多くて…どれが、どうなんだかよくわからない。パンツだけでタンスの前に立っている俺は変態の中の変態と言っても過言ではない。


「人間!!起きましたか!6時ですよ!!」


俺がタンスの前でパンツだけで立ち尽くしている時に

メイドさん、もといコックであるピロエさんが朝には相応しくない怒鳴り声とともに勢いよく俺の部屋の扉を開ける。

もちろん、無断である。


「ああ!!ちょっとま…ちょっと待って!」


扉が開かれて今からでは遅すぎる俺の反応。

俺はとっさに胸を隠した。俗にいわゆるセクシーポーズである。と思う。

メイドさんはそんな俺を見て一瞬「フリーザー」…いや間違えた「フリーズ」した。

が、それも一瞬で、みるみるピロエさんの背後にはドラゴンボー○のスーパーサイヤ人にも負けないようなものすごいオーラが俺には見えた。


「き…貴様ぁあああ!!人間!この下等生物がッ!!下等生物の一番下等な所を何私に見せてくれているんですか!」

「え?下等生物の一番下等な所って…」

「問答無用!そもそも私にそんな汚らしい語句を言わせるつもりですか!天誅ウウウウウ!」

「え?ま…ッ待って!ごめんなさアアアアアアアアアブハ!」


もちろん。俺が悪夢のような悪夢が現実となったのは言うまでもないだろう。

まぁ、もっともこれが悪夢であったらこれからの俺の執事生活は地獄なわけですが。


目目目目目目目目目目目目


「ったく、起きているなら返事して下さい」


そう言ってピロエさんが顔を真っ赤にして頬を膨らます。

この時不覚にも可愛いと思ってしまった俺。

ちなみに今の俺はさすがにパンツだけでは、いけない!!と思い、ウニクロのTシャツとジャージといういかにもヲタクの格好!泣けるね。コレ。

でもこのさい俺の気持ちを正直言わせてもらいます。


「いや…あれは返事する前にピロエさんが…」


扉を開けたじゃん。と言い返そうとしたがピロエさんが真っ青な目を細くして俺を睨んだ。

というか、俺を見下していた。こ…こえー!!もちろん俺はチキンなので。


「マッタクモッテピロエサンノ言ッタ通リデス。デモ何デ?ピロエサンガココニ?」


と片言言葉で俺はピロエさんの意見に賛同した。

片言言葉でしゃべるこれが今の些細な俺の抵抗である。


「執事用の服を持ってきたんです」


ピロエさんはそう言って執事用の服を渋々俺に手渡す。

相変わらずピロエさんは俺が執事になることがよほど不満らしい。まぁ、たしかにこんな俺が執事やってもいいのか…俺自身が不安なわけですが。

ピロエさんから手渡された服は一言で「執事用の服」と言われた服だが…俺は即座に直感した。


「ねぇ…ピロエさん…この女子おなごのような肌触りの服、そしてこのなんとも言えない綺麗な黒…もしかして…これは…『ラッチ』の服では?」


※説明しよう!!

『ラッチ』とはあの有名な「シャネ○」や「グッ○」や「ルイヴィト○」と並ぶ天下のブランドなのであります!

もちろん服の価格は上下で30万は容易い超えると言われているほどであるのでます!

そして、メリアスはその天下の「ラッチ」のお嬢様でありますます!!


「当たり前ですよ!!あなたは馬鹿ですか?人間。『ラッチ』を経営しているメリアスお嬢様の執事がラッチの服を着ていなくてどうするのですか!?」


…たしかに、ピロエさんが言っていることはもっともだ。

でもしかし…気になるのはこの服の値段だ!!


「これって値段…」


俺は恐る恐るピロエさんの顔色を疑いながら尋ねる。

ピロエさんは目を閉じてため息を深くつくと、ポケットからピンク色の手帳を取り出して俺にとって信じられない価格をすらすらと言った。


「そのあなたが足で踏んでいる赤いネクタイ」


は?足に踏んでる赤いネクタイ?俺は自分の足の真下の地面に目を向ける。

思いっきり踏んでいました。赤いネクタイ!!


「それ…44万です。新作で世界で1000個もない超レアです」

「ギャハ!!すいません!ネクタイ様!!」


俺はネクタイを踏んでいた足を大げさに上げた。そのためバランスを崩してその場にしりもちをつく。

かっこ悪い…。不幸だ…俺は不幸だ。神様はきっと俺のことが嫌いだろう。


「そして執事用の白い手袋。それ66万です」

「えええええ!」


66万の白い手袋の下に更に白い手袋をする必要があるようだ!!二重防御だぜ!


「手袋にしてある刺繍ししゅうそれに5ヶ月かかっています。きっと本気になれば魔術を出せる代物です」

「うそ〜ん!!」


魔術ってすごくね!!今日から俺もファンタジーデビュー!?


「うそです。人間は本当哀れなほど馬鹿ですね。魔術なんてあなたから出せるわけないでしょう。あなたに出せるのは悲しみだけですよ」


ピロエさんはいかにも俺を見下すような視線で、おまけに鼻で「ッハ」って俺を嘲笑った。


「………(イラッ)」


…ほっておけ!たしかに俺がだせるのは悲しみとうんこくらいさ!!

だがそれがなんだ!!俺は生きているんだぜ!?本気になったら………

うん。二酸化炭素くらいだせるかもしれない。(常にだしているが)


「あと、その黒の上下の執事用の服それ軽く300万です。オリジナルの服の上、オーダーメイドですから」


ピロエさんはニッコリと俺に微笑みかける。

初めての俺に対するピロエさんの笑顔は………黒かった。

俺は確信した。その笑顔の背景には、「もし服を汚したら…どうなるかわかってますよね?人間?弁償ですよ?」と物語っていた。

不幸だ…俺は不幸だ。神様はきっと俺のことが嫌いだろう。

俺もお前(神様)のことなんか大嫌いだ!!バーカ!バーカ!!お前の母ちゃんイソジン!

便器にはまってしまえ!!


フッ―…どうやら俺が生み出せるのは悲しみと不幸とうんこらしい。


「あ、あと今日は執事用の服は着ないで下さい。」


突如ピロエさんは自分の役割を思い出したかのように真剣な表情になる。


「え?なんで?」


俺は不思議に思い、思ったことをそのまま口に出した。

いや、別に…執事用の服を着たいって意味ではないけどね。


「人間ごときに何故私が時間を割ってまで説明しなくてはならないんですか?」


俺にはピロエさんの背後には黒いオーラーが見えた。

これは……ピロエさんに素直に従った方がよさそうだ。どうにも、ピロエさんに俺は嫌われているらしい。

まぁ、始めから分かりきっていることだけどね。でもやっぱり女の子に嫌われるのは嫌なんだよ!チキショー!


「私の後をついて来て下さい」


そう俺に一言言ってピロエさんは真っ赤なカーペットが敷かれている長い廊下を歩き始めた。

俺はただ黙ってピロエさんの後ろをついていく以外他はなかった。


目目目目目目目目目目目目


「ここです」


ピロエさんが一つの真っ白な扉を指差す。正直「ここです」と俺に言われても…何にも説明されていない俺はどうすればいいんだ?

ってな感じで俺は呆然と白い扉の前で立ち尽くす。


「じゃ。私はここで」


そう言ってピロエさんが背後を向いて歩き出した。


「ちょっと待ったアアア!!つっこむ事だらけだぞ!これぇえええ!!」


俺は反射的にピロエさんの肩を掴んだ。


「なんですか?人間が私に触れないで下さい」


ピロエさんは肩を掴んだことが気に食わなかったのか、俺を睨んできた。

いつもの真っ青な目は黒味が増して一目で不機嫌ってことがわかる。

だが…!!ここで負けたら終わりだ!!勇気だすんだッフンダ!俺!


「この後俺はどうすればいいでしょうか…?(すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません)←呪文のように小言で唱える」


結局謝ってしまう俺は本当にかっこ悪い。


「そんなの一つしかないではないですか?」


そう言うとピロエさんは黙って白い扉を指差して一言言った。


「あそこの中に入っていってください」


「へ?」


「では。私はこの辺で」


そう言った瞬間には既にピロエさんの姿は見えなくなっていた。

そうだった。ピロエさんもバケモノだった。

ここまで案内してくれた時はきっと俺の歩調に合わしてくれていたのかもしれない。

だってその気になったら…案内していく時に俺を置いていくことだって可能だろう。

ちょっと俺の口元が緩むのが分かった。なんだかんだ言って…ピロエさんは優しいのかな?

まぁ…いいや。

あまりピロエさんは説明してくれなかったが、とりあいずこの白い扉に入ればいいんだな。

俺は恐る恐る扉の前に近寄って…


――キィイイイ


音があまり鳴らないように考慮しながら扉をあけた。

えぇ。チキンですよ。俺は。最高ですよ。チキン…おいしいですよね。チキン。


「なんや?まぎれこんだ子猫はんかいなぁ?」

「ギャ」


ふいに背後から俺の耳に吐息がかかるほどの近さから声が聞こえた。

この大阪弁は…たしか万年発情猫!!ではなくってタマさんだ!


「あ…タマさんど…どうも」

「なんや〜。子猫はんやと思ったら大きな間違いや。アリ男はんかいな」

「いやアリスっす」

「まぁ、どっちでもええ。うちの部屋になんか用かいな?男は立ち入り禁止やで!」

「え?」


ということは…この白い扉は…タマさんの部屋だったんだ!!

ってか何でタマさん!?状況があまり把握できないんですけどぉおお!

そして、ピロエさんが案内してすぐに消えた理由が分かった。

きっと万年発情猫タマさんに絡まれるのが嫌で逃げたんだ!!タマさんは女好きだしな!間違いない!

俺は顔が引きつるのが分かった。

そして先程ピロエさんがすこしでも優しいかな?な〜〜〜〜んて!甘い事を思った俺が馬鹿らしい。


「まぁ男は立ち入り禁止って言うのはうそやけどな」


当たり前だ!本当でどうする!?


「はは」

「まぁ、話はピロエはんから聞いとるんやろ?」

「いや…まだ……―」

「とりあいず部屋の中はいりぃ」


俺の話を聞くことなくタマさんは話を進めていく。

このお城住人は本当好き勝手なやつばかりだ!と怒りたいところなんだが…俺が言えるわけでもない。


「は…はぁ。お邪魔します」


目目目目目目目目目目目目


ここまでお読み頂きありがとうございます!!+゜

いやー…今回はピロエとアリスのお話が続きましたが…次回は…たぶん、タマとアリスのお話になるかと…+゜

実はタマには秘密があります!!(・∀・)次回にはたぶんタマの秘密が分かるかとw

とにかく・個人的に…このお話が一番書きたかったお話です!タマのお話ヽ(★'`!)ノ

今回力ら行をを下げてなるべく読者の皆様に見やすいように考慮していきたいと思っています。

もし変なところとかあったらお気軽に言ってください。


本当にもしよかったらですが、評価、感想を貰えると目リングの肥料となり頑張らせていただきます♂♂

ここまでお読みいただきありがとうございました⌒+゜


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