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3)拝啓・ラッチってポケモンの一種?

「ぇ〜腕立て伏せの練習していたんです」

俺は一言小さく呟いた。

「ふ〜ん…そうなんだ。へへ。面白いね」

少女は俺を見て微笑んだ。もしかしたら少女のそろ微笑みは俺をバカにして微笑んだのかもしれない、と俺は心配をしたが少女の笑顔は純粋な笑顔だった。

なんていうか…こう…癒しの笑顔。悪というもの、または邪心がまったく感じられない笑顔だった。

正直今の感想を言わせて貰うと、この少女の笑顔を見ただけでもこの山頂に登ってきたかいがあったというものだ!!

なんせ…この子…むちゃくちゃかわいい!俺はロリコンではないけど…この子は別格というほどかわいい!

「ぇと…こんばんは、お兄ちゃん」

少女は綺麗な赤のドレスを持ち上げて俺にペコリとあいさつをした。

ドレスが風に揺られる。

ん?ってか…ドレス?

山頂にドレス着た女の子?もしやこれは…新手のコスプレか!?う〜ん。

いや、それともなんだ?それとも新手のビックリですか!?う〜〜ん。

「こ…こんばんは…」

俺は引きつった笑顔で答える。だって、顔が引きつるのも当たり前だろう。

山頂にドレス着た少女だぜ!?だから俺は今一番疑問に思ったことを少女に言ってやった。

「あれ?一人?」

「うん?今は一人だけど…家にいっぱいお友達いるよ」

少女は草に生えていたコスモスを手に取る。

そして俺の質問に照れくさそうに答えた。

淡いピンクの髪の少女とコスモスは絵になるほどとてもかわいらしかった。

が、一方どこか少女は異様な感じがした。はっきりと俺にはわからないが。

まぁ…俺が異様と思うのはこの夕方に小さな少女一人山頂で何しているのかだ。

「へぇ…そうなんだ。何で山頂に一人でいるのかな?」

そう俺が尋ねると少女はニッコリと笑ってこう言った。

「だって、ここ私の庭だよ?お兄ちゃん?」

「へェ?」

どういう意味だ?庭?

まさかこの子がターザンみたいにこの山に住んでいるわけでもないし…。

ましてや…この子の庭ってどういうこと?

あ!!そうか…!この山は私のお庭みたいによく遊びに来るの!って意味か!?

「あそこ!」

少女が俺の後ろを指差した。つられて指差した方面を見る。

指差した方面には俺が今まで見たこともないほど大きなお城がたっていた。

………――ぇぇえええええ〜!?なんだ!?これは!?!?

先程までなかったはずだ!山頂にはこんな大きなお城はなかったはずなのに…何故あるんだ!

いや…まてよ、もしかして林に隠れてよく見えなかったという場合もあるし、でも、まてよ、こんなにも大きかったら普通気がつくのではないか?オヌシ!?

映画でしか見たことねーよ!お城なんて!?

「へへへ。私の家だよ」

少女から信じられない言葉が発せられた。

「わ…私の家だと〜〜!?!?」

「うん!」

元気よく答える少女と対照的に俺は頭を抱えて悩む。

あれれ?俺…冷静になって考えろ…。

おそらくであるがこの子はジョークを言っているのであろう。

子どもの冗談ほどふざけたものはない。

よく考えろ…「私お父さんのお嫁さんになる〜」ってよく子どもが言うのも…あれも冗談だ。

あと十年もしたら「お父さんと一緒に洗濯物しないで!!キモイ」って言われるのも関の山だ。

一体何万人のお父様方が泣いたことか!!

危ない、危ない…俺も冗談もとい…小悪魔に騙されるところだったぜ!!

フッ……フヒュ〜。

だが…しか〜し!!ここでわざと子どもに騙されたフリをするのが大人のルールだ!!

大人のルールって難しいんだぜ!?

「すごいなぁ〜!!じゃーお嬢様ってワケだ!!なんのお嬢様なのかな〜?白雪姫?それとも白けている姫?」

「違うよ…うんとね…『ラッチ』って言うブランドをパパが経営しているの。だから…お嬢様なの!」

いやいや…子どもにしてはやけに現実的な答えだ。俺の予想外だ。

たしかラッチってグッ●やシャネ●やエルメ●に負けず劣らずのすごいブランドだよな。

う〜ん…でも何でこんな小さな少女が知っているんだ?

「ふ〜…ん…そうなんだ〜そういえばお嬢様の名前なんて言うのかな〜?」

「メリアスって言うの…このドレスもね、パパのラッチなんだよ」

メリアスって言うんだ…かわいい!!けど、確実に日本人ではないな。

「そのドレスもラッチなんだ。似合うね」

俺はメリアスに微笑むとメリアスは嬉しそうにへへと鼻をならしてそっと俺の手を握った。

メリアスの手は本当小さくてすこしでも力を出すと折れそうなほどだった。

ただ今思ったのだがメリアスの手は冷たい。う〜ん…女の子の手って冷たいものなのかな?

フフ…我ながらにこんな小さな子まで女の子として見てしまう俺の考えが憎いぜ!!チッキショー!

「ねぇ…お兄ちゃんの手はね…温かいんだね」

俺の下で手を握っているメリアスが上目で俺を見てくる。

それは反則なかわいさですぜ!チックショー!!

理性を保て俺……!(※相手は子どもだ!)無心となり、とりあいず笑うのだ!

「はは…」

「お兄ちゃんの名前は何て言うの?」

「俺の名前?」

うそ?俺の名前!?

やばい…ここでアリスって言ってみろ…。ダサイ…と思われるのがオチだ!!

俺は近所の子ども達からアリスと言う名前のせいでからかわれたではないか!

あぶねぇ…あぶねぇ…フヒュ〜。かと言って親から貰った名前を粗末にするわけにはいかない。

かと言ってかっこよくきめたい俺は…こうするしかないだろう。

亞離巣アリスだよ!」

よし決まったぜ!!本当の名前は漢字であなくてカタカナなんだけどな!

「?アリス?」

「いやいや、惜しい!!亞離巣だよ!!」

「アリス?」

「う〜ん。いやいや、亞離巣だよ」

「アリス??」

「いやいや、亞・離・巣だよ」


――その会話が約十分間続く


「アリス?」

「いやいや…やっぱ、うん…それでいいよ…」

俺は息を切らしながら頷く。

けっこう粘るな!!なんだ!!この子は!10分間も同じ会話を続けていて飽きないのか!?

それともこの子…アリスという名前に何か執着心があるのか?

というか俺がいけなかったのか!!俺がウソをつこうとするから神様からバチがあったたのか!?

そもそもこんな小さな子に難しい漢字を言ったのが俺の根本的なミスだったかもしれない。

「へへ…なんかね。アリスとメリアスって名前似ているね」

メリアスは膝をまげて草むらに座りながら、優しく呟いた。

もうね…メリアスかわいすぎですよ!言うことも何もかも全て!!

あと10年たったらまた俺の元に来なさい!!

「そうだね」

俺はメリアスと同じ視線になってニッコリと微笑んだ。

「ねぇー」

メリアスも嬉しそうに返事を返した。

時間がたつのは本当あっという間だ。

先程まで夕焼けの夕日があったのにもう沈みかけている。

俺もそろそろ帰らないとなぁ…。さすがに真っ暗な中帰るのは恐いし…。

「んじゃーそろそろ俺帰るね。メリアスちゃんも早く家に帰った方がいいよ…それとも一緒に山下まで行く?」

「アリスお兄ちゃん…帰ってしまうんだ…」

口を尖がらせてメリアスが悲しそうな表情をする。手にもっていたコスモスを下に落とす。

あれ?

メリアス目がだんだんと赤くなってくる。

え?

そして溜まった涙が頬を流れる。

うそ?

泣いてしまった〜〜〜!?

「ぇ…?あの?その…」

俺は思わず口ごもる。

しかしメリアスは泣き止む様子をみせずに相変わらずのスピードで白い頬に涙を流し続けている。

かと言って俺に何かできるわけでもないし…。どうしよう!?何か嬉しいような…悲しいような…複雑な気分だ!!

どうする!?俺!!


俺がただ呆然と立ち尽くしていた次の瞬間だった。


「お嬢様〜!!お嬢様〜!!メリアスお嬢様〜!!!」

後ろに立っている立派なお城から声が聞こえた。

ぇ?今…メリアスお嬢様って言った?

「メリアスお嬢様!!そろそろお時間ですよ〜」

声は近くなる一方だ。

うそ〜ん!!ぇ?ぇえええええ!!

俺はメリアスのドレスに目むける。

――「ラッチ」

大きな字で書いてあった。ラッチと。それは俺に真実を語っていた。

この子は本物ですよ。と!!

本物のお嬢様ですよ。と!!

ぎゃは〜〜〜!!白雪姫よりも白けた姫よりもすごい…天下のブランドのラッチお嬢様だ!!


――ガサガサ

草陰から先程の声の持ち主が姿を現す。

「メリアスお嬢様…?」

草陰から姿を現したのは、ショート…いやボブ風味の茶色の髪、メイド服を着た女の子だった。

そしてそのメイドの子は真っ青な目をまん丸にしてピンクの口をパクパクして驚いていた。

もちろん俺もその子を見て真っ黒な目をまん丸にして口を金魚のようにパクパクして驚いた。

正直メイド喫茶以外にメイド服を山の中でお目にすることになろうとは思ってもいなかった。

さてさて、何よりも今この状況をメイドの子はどう見たでしょうか?

不審な男の人(俺)がお嬢様の手を握っています。

お嬢様は思いっきり涙を流しています。

さぁ…ここまで状況を説明すればわかるでしょう。

ぇ?わからない?

いやだな〜、もぅ、俺泣きますよ?ようするにだ、俺は今地上最悪のピンチなわけだ!!

とりあいず謝っとけ!!ちょっとでもこの場の雰囲気をなごますように謝っとけ!

できればギャグ風味で謝るのがベストだ!笑いも取れて一石二鳥だ!!

「あ…あぃ!!とぅいまてぇ〜ん」

――シーン

今の状況を一言で表すとこの言葉にかぎる。

むしろメイドの子の目つきが鋭くなった。恐い。鬼よりも恐いよこの子。

メリアスお嬢様と正反対だ!


そしてメイドの子は青空のような真っ青な目で俺を睨み続け、口を動かした。

「メリアスお嬢様に何をしましたか?そして何故人間がここにいるんですか?この下等生物が」


…あぃ!!とぅいまて〜ん


うん!!やっぱり山にこなければよかったね★


目目目目目目目目目目目目

ぉ!!メイドの子発見!!

でも02作者(目リング)はまだ実際にメイドさンゎ見たことありませン↓正直見てみたいのですヶどでも02田舎に住んでいるので…w

だからちょっとメイドさンを何も知らずに登場人物として書くのは抵抗がありました(∞'`*◆bブハ

ここまでお読みいただいてありがとうございました+゜

もしよかったらですが…評価くださると目リングがマンションの屋上で腹踊りをして喜びますww

本当ありがとうございました(・∀・)

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