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翡翠の星屑  作者: 季月 ハイネ
おまけ ないしょのお話
206/207

サブタイトル語り 八章・終章

 二部後半。いよいよ大詰めですね。

 思い入れが深いタイトル回収章でした。投げまくっていた伏線を回収するのに必死でした。本編然り、タイトル然り。

 初稿書き終えたあと、辻褄合わせるために話をあちこち引っ越しさせたのは良い思い出です。タイトル被りを見つけたりして慌てて直したのも良い思い出です。更新前日にタイトル変わったり、更新前日まで三桁文字しかなかったり、更新日に八割削って直したのも良い思い出……かなあ。計画性ないな。


 そういえば最高ストック43話分でした! とどや顔で語れば大変聞こえはいいですが、一話あたり二桁文字しかなかった部分もあったので、数字だけで判断してはいけません。一時期、更新遅刻してしまい、その節は大変申し訳ありませんでした。


 それでは物語最終幕のサブタイトル語り、どうぞ。



 *八章(164~194話)

・164話:アルティナの長い長い日

 ここから198話までで一日です。なんと濃厚な一日でしょう。長い一日の始まりです。


・165話、169話、171話、174話:君に微睡む黎明に、行方知れずの昼下がり、夢に夢見る暮れ方で、夜の帳が落ちるまで

 黎明(夜明け)→昼下がり(昼過ぎ)→暮れ方(日が暮れるころ)→夜、と時間の移り変わりをタイトルで。

 黎明=明け方、夜が明けて朝が始まろうとしている頃。めっちゃ早い朝、と捉えていただければ。覚醒間際に見る誰かの面影。それが大切な人であったら、夢で会えるのは幸せになるでしょうか。


・167話:始まりの呪縛暴かれん

 いつか書こうとしていたアルティナの呪縛。受継の起こりについて。アルティナ王国の始まりであり、呪縛とも捉えられる。伝統が必ずしも良い面ばかりではないと思います。勿論、悪い面ばかりではないとも。タイトルのわりにさらっとしていますが、まあ。


・168話:内に燻る火種がひとつ

 彼が秘めていた火種。火みたく燃え上がりはしないけど、いつそうなってもおかしくないような熾火おきび。彼女の言葉で少しだけ鎮火されたならいいなあ。


・169話:行方知れずの昼下がり

 文字だけ見れば彼を彷彿させますが、実は人でなく心。行方知れずの思い。答えの出ず迷っているラスターと、払拭しきれない感情を抱えるグレイ、密かにユノ。三者三様の行方知れず、心が迷子。


・171話:夢に夢見る暮れ方で

 夢に夢見る=非常にぼんやりとしている。きわめて儚い。

 暮れ方=日が暮れる頃。

 短時間にも関わらず鮮烈な印象を焼きつけてくれる夕焼けは、あっという間に消えてしまいます。儚いゆえに、綺麗です。


・172話:かくして賽は投げられた

 七章でちらと明かしていた彼を、ラスターが目の当たりにした瞬間。動き始めた彼。振った賽子の目は果たして最良か。終わりに向けての意味合いを込めて。


・173話:望んだものは君の手に

 望んだ交渉材料は君の手に。飛んで火にいるなんとやら(違う)。


・175話:知らぬ名前のその人は

 ようやく彼らも表舞台にやってきました。誰だよおまえ、ともどかしさを感じてもらいたくて名前はまだ明かしていません。今思うと、この人たち怪しいなあ。


・179話:六つ年を経たふたつ星

 彼らの再会を、何かかっちょええ感じのタイトルに仕立て上げたかったのです。ふたつ星は、二人とも星に関わりのある意味から。かっちょよくなりましたでしょうか。


・180話:背に負う罪は重くとも

 その重さに足を止めたとしても、一生背負い続けていかなければならないと。


・181話:ひとつだけ、繋いだ絆

 二人の再会と彼ら兄弟について、それぞれの絆。ひとつだけ、というよりもひとつずつ?


・182話:星の巡りに背いても

 彼の二度目。理に反した行い。前回と違って請われたのではなく、彼自身の理由のもとでなされた。と言い訳。


・183話:たとえ命が尽きようと

意図したつもりはないですが、今考えると本編と逆の意味に見えるなあと。意図したつもりはなかったんです(二回目)。


・184話:とこしえの星、地に降りて

 永久、と打つと文面通りに読まれてしまうのが嫌でひらがなで押し通しました。とこしえ。いつか前治療師が語っていた星を落とす術、から。落とすと降りるで、だいぶ意味合い変わりますよね。


・186話:暗きに踊る懐刀

 懐刀=知恵があって深く信頼され、秘密の相談を受けたりする部下。

 今回はその元となった、ふところに入れて持ち歩く守り刀の方です。秘められていた攻撃性を露わにしたとき、の意で。


・187話:心に振り積む玉屑ぎょくせつ

 玉屑=雪の異称。玉塵。

 少しだけなら簡単に溶けて消えてしまう思いでも、静かに降り積もれば消えずに残っていく。塵も積もれば山となります。

 雪、という感じがひとつも使われていないのに雪を表す言葉に惹かれたので使ってみました。六花りっかとか風花かざはなも好きです。ええ。


・188話:消せぬ残滓に憎悪して

 前話と似たような意味合いです。いつまでも消えない残滓。何度も指摘されればそりゃ怒るってもんです。


・190話:望んでいたのはあなただけ

 彼女の理由。たったそれだけが、彼女の原動力でした。単純明快なのに積もる思いは深く。


・191話:宵闇に射す陽光は

 暗い暗い闇の中、やってきた光の持ち主は。やっと彼の名前を出せました。早く名乗ってくださいよ、まったく。


・193話:月影に響く慟哭どうこく

 月影=①月の光 ②月の光に照らす出された、人や物の姿。

 影、とあるのに反対の光を差す不思議な言葉。彼の罪は白日の下に晒されるよりも、月の下でひっそりと暴かれる方ではないかと思いました。話の時刻としても。


・194話:たどった軌跡、この胸に

 二人の胸中に去来する思い。ぜひ、一緒になって思い返してくださいませ。



 *終章(195~200話)


・195話:溢れる雫は今日のうち

 114話の「こぼれる滴がないならば」と「しずく」の漢字が違うのは、こちらは嬉し涙だから敢えて変えてあります。……本文表記も合わせて変えれば良かったかな。気分乗ったら変えます。


・196話:一人と一人

 27話「道化師、一人」と84話「泣けない一人」から。これは遊べそうだと気づいたときに、いつかやりたいと考えていた伏線回収式サブタイトル。前面に出しすぎると主人公組が薄くなってしまうので、濃くなりすぎないように注意していました。……それでも濃くなりました。


・197話:眠りの底に沈む罪

 眠りに就いたユノ。沈んだだけで、なくなりはしない。一生付き纏う罪とどう付き合っていくか、それを考えるのはユノ自身。目覚めて浮上して、向き合うときはやってくる。目覚めるまでのほんの僅かな時間だけ、安息を。


・198話:星影眺む指切りは

 星が眺めていた二人の約束。月影と同様、星影、という名前なのに星の光を指す言葉が気に入って使わせていただきました。素敵だなあ。


・199話:彼に残った零の意志

 あるのかないのかよくわからない感じ。シェリックですね。曖昧だったり天の邪鬼なタイトルが好きなんです。


・200話:翡翠色した星屑の

 タイトル回収回。星屑=星の欠片=星命石。最後にラスターがシェリックにああする展開は、わりと前から決めていました。ラスターが彼の名を呼ぶところ、実はとてもお気に入りです。何もかもをなくしてしまった人を繋ぎ止めるにはどうしたらいいか。悩んでいたときに、翡翠の星屑というタイトルが答えを教えてくれました。

 実はこのタイトル、私の好きなゲーム楽曲のタイトルから、形式だけをお借りしました。

 元ネタは聖剣伝説Legend of Mana「涙色した輝きの…」という楽曲です。同ゲームの「滅びゆく煌めきの都市」という曲と似ています。綺麗で物悲しい楽曲ですが、とても好きな一曲です。もし気になりましたら原曲を調べてみてくださいませ。



 ということで、サブタイトル語りおしまいです。お粗末さまでした。



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