1/12
はじまりは
毎話19:30に投稿されます。されるはず、、、タブン。
蜘蛛が巣を張っている。
空は青々としていて、頭が入らないほどの小さな小窓からも光を差し込ませる。
けれども外の様子は伺えない。
見えるのはただただ青い空だけ。
もう長い間、外には出ていない。
塔の最上階の間にはなにもない。
あるのは天上にある小窓と蜘蛛と自分だけだ。
だから、今日も明日もその次も、この景色が続いているだけだろう。
なにも変われず、なににももうなれず、
ただ、過去を振り返る。
今日も、瞼を閉じて、ただただ祈っている。
------------------------------------
広大な森の中に、悠々と聳え立つ塔がある。
300年以上前から...その森一帯に王国が栄えていた時よりあるという塔。
その塔を訪れるものはいない。
正確にいうのならば、たどり着けないのだ。
今まで、幾人もの人々が訪れようとしたが、塔まで辿り着けたものは片手に収まる程度。
ましてや、塔の中まで入れたものは皆無である。
塔には魔女がいると言われている。
300年前に王国を滅ぼしたという魔女が。
どうして、魔女が国を滅ぼしたのか
どうして、魔女はそこにい続けるのか
どうして、塔に辿り着けないのか
学者であるユーレシアスはそれが知りたくて、いま、塔のある森の前に立っている。




