その離婚届、全財産譲渡と来世の予約がついてますよ?
その日の夜、公爵家の執務室は、針が落ちる音さえ聞こえそうなほどの静寂に包まれていた。
重厚なマホガニーの机を挟んで向かい合うのは、この屋敷の主であるアレクセイ・ヴァン・オルド公爵と、その妻である私、エレノアだ。
アレクセイ様は、眉間に深い皺を寄せ、苦渋に満ちた表情で書類の束を見つめている。 彫刻のように整った顔立ちだが、その瞳には一切の温かみがない。 「氷の公爵」。 社交界でそう呼ばれる彼は、私との結婚生活の三年間、一度として甘い言葉を囁くことはなかった。
政略結婚だった。 没落寸前の伯爵家出身である私と、国一番の資産家である公爵家。 釣り合うはずのない婚姻。 彼にとって私は、家同士の付き合いで押し付けられた「お荷物」でしかなかったのだろう。
だから、いつかこの日が来るとは思っていた。
「……エレノア」
低く、重い声が私の名を呼ぶ。
「はい、旦那様」 「急に呼び出してすまない。だが、これ以上先延ばしにするのは、君にとっても良くないと思ったんだ」
彼は決意を固めたように顔を上げ、私の目を真っ直ぐに見据えた。
「単刀直入に言おう。……離婚してくれ」
予想していた言葉だったはずなのに、胸の奥がズキンと痛んだ。 私は、不器用で、仕事熱心で、少し言葉足らずなこの夫のことを、私なりに愛していたからだ。 けれど、彼がそれを望んでいないのなら、私がすがりつくのは迷惑でしかない。
私は震える手を隠すように、ドレスのスカートをギュッと握りしめた。
「……承知いたしました」 「そうか……。すまない」
アレクセイ様は、心底申し訳なさそうな、あるいは何かを堪えるような顔をした。 そして、手元にあった書類の束を、ズズズ……と私の方へ押し出した。
「これが、離婚届だ。条件等は全て記入してある。君は署名するだけでいい」
「はい」
私は涙を堪え、その書類を受け取った。
――ズシリ。
……重い。 物理的に、重い。
受け取った瞬間、腕が下がるほどの重量感があった。 一枚の紙切れを想像していた私は、思わず目を見開いた。 彼から渡されたのは、ペラペラの羊皮紙ではない。 まるで広辞苑か、あるいは法典のような、厚さ五センチはあろうかという書類の「束」だったのだ。 表紙には、革張りの装丁まで施されている。
「あ、あの……旦那様? これは?」 「離婚に際しての、諸々の取り決めだ。不備があってはならないからな、弁護士と三日三晩徹夜して作成した」
三日三晩。 目の下に酷いクマがあるのは、仕事ではなくこれのせいだったのか。 それにしても、離婚届にこれほどの分量が必要だろうか。
「中身を確認してくれ。納得できなければ、修正には応じるつもりだ」
彼は憔悴しきった顔で、力なく椅子に背を預けた。 まるで、魂を削ってこの書類を作り上げたかのような疲労感だ。
私は困惑しながらも、分厚い表紙をめくった。 別れの条件。 きっと、「慰謝料は金貨◯枚」「屋敷からは一週間以内に退去すること」「家名口外の禁止」といった、冷徹な契約文が並んでいるに違いない。 そう覚悟して、第一条に目を落とした。
『第一条 財産分与および慰謝料について』
――甲は乙に対し、離婚に伴う慰謝料として、以下の資産を無条件かつ即座に譲渡するものとする。
1.オルド公爵家の全領地(耕作地、森林、未開拓地を含む全て) 2.現在居住している王都の屋敷、および別荘十二軒の所有権 3.オルド商会の全株式および経営権 4.公爵家名義の全預金口座(隠し口座を含む)、および金庫内の宝石・美術品一切 5.アレクセイ個人が所有する、王家から賜った勲章コレクション(売却可)
私は目を疑った。 パチパチと瞬きをして、もう一度読み直す。
『全領地』。 『全株式』。 『全預金』。
……全部?
「あ、あの……旦那様?」 「なんだ。足りないか? すまない、北の鉱山の権利書を入れるのを忘れていたかもしれない。あれも追加しよう」
アレクセイ様は真顔だった。 嫌味でも冗談でもなく、本気で「足りない」と心配している顔だ。
「いえ、そうではなく! これでは貴方の手元に何も残らないではありませんか! 全財産を私に譲渡して、貴方はどうやって生きていくおつもりですか?」
「僕のことなら気にしなくていい」
彼は寂しげに笑い、窓の外へと視線を向けた。
「君を幸せにできなかった罰だ。これくらいの償いはさせてくれ。……それに、僕の生活については第二条に書いてある」
第二条。 私は恐る恐る、次のページをめくった。 そこには、さらに理解不能な文言が並んでいた。
私は震える指で、分厚い契約書のページをめくった。 第一条の「全財産譲渡」で既に頭がクラクラしているが、本題はここかららしい。
『第二条 甲の居住および処遇について』
――離婚成立後、甲は一切の貴族特権を放棄し、無一文となる。 しかし、乙の安全と平穏な生活を守るため、甲は以下の条件で乙の所有する屋敷(元公爵邸)の敷地内に居住することを希望する。
1.居住スペースは、屋敷の庭にある**「道具小屋」または「地下牢跡地」**とする。 2.甲は乙の視界に入らぬよう、徹底して気配を殺して生活する(忍者スキルの習得を義務とする)。 3.ただし、乙が危機に瀕した場合、または乙が「虫がいて怖い」等の些細なSOSを発した場合、甲は光の速さで駆けつけ、対処する権利を有する。 4.甲の食事は、乙の残飯、または庭に生えている雑草で賄うものとする。
「……旦那様」 「なんだ」 「これは、離婚届ではなく『奴隷契約書』ではありませんか?」
私は思わず突っ込んだ。 道具小屋? 残飯? この国の筆頭公爵であり、「氷の貴公子」と崇められる彼が、なぜドビー(屋敷しもべ)のような生活を志願しているのか。
アレクセイ様は、深刻な顔で首を横に振った。
「奴隷だなんておこがましい。僕は君の影になりたいんだ」 「影」 「君は自由になって、新しい人生を歩むべきだ。だが、この世は危険に満ちている。悪い男が寄ってくるかもしれないし、道端の石につまずくかもしれない。そんな時、誰が君を守る? 僕だ」
彼の瞳が、怪しい光を帯び始めた。
「君が新しい夫と幸せに笑い合っているのを、庭の草むらから見守る……それが僕にとっての贖罪であり、至高の喜びなんだ」
……病んでいる。 完全に思考回路がバグっている。 贖罪と言いつつ、それはただのストーカーではないだろうか。
私は頭痛をこらえながら、さらにページをめくった。 そこには、さらに恐ろしい条項が待っていた。
『第三条 魂の契約および来世に関する特約事項』
――甲は、今世においては乙の幸せを優先し、身を引くものとする。 しかし、乙への愛は永遠不滅であるため、甲は**「来世」**における乙の配偶者としての地位を、現時点において予約するものとする。
1.乙が輪廻転生し、来世で人間に生まれ変わった際、甲はその夫となる優先交渉権を持つ。 2.乙が人以外の生物(猫、花、石など)に転生した場合、甲は飼い主、またはその横に生える苔となる権利を有する。 3.再来世、およびその次の生においても、本契約は自動更新されるものとする。 4.この契約は魂に刻まれるため、クーリングオフは適用されない。
文末には、どす黒い赤色で押された拇印――明らかに血判――があった。
「…………」
私はパタン、と重厚な革表紙を閉じた。 そして、大きく深呼吸をした。
状況を整理しよう。 夫は離婚を切り出した。 その理由は「私を愛していないから」ではなく、「愛が重すぎて拗らせた結果、自分の存在が私の邪魔になると判断したから」だ。 そのくせ、未練たらたらどころか、来世までストーキングする気満々だ。
……馬鹿な人。 本当に、愛すべき馬鹿な人だ。
私は怒りよりも、笑いがこみ上げてきた。 冷徹だと思っていた夫の、仮面の下の素顔がこれだなんて。 三年間、彼は必死にこの激重感情を隠して、クールな公爵を演じていたのだ。そう思うと、彼の全ての冷たい態度が、不器用な照れ隠しに見えてくる。
「……旦那様。一つお聞きしてもよろしいですか」 「な、なんだ。条項に不服があるなら、来世だけでなく再来世も……」 「そうではありません」
私は立ち上がり、彼の目の前まで歩み寄った。 アレクセイ様がビクリと肩を震わせる。
「貴方は、私と離婚したいのですか? それとも、一緒にいたいのですか? 契約書ではなく、貴方の言葉で聞かせてください」
私の問いかけに、彼は視線を泳がせた。 口を開きかけては閉じ、苦悩の表情を浮かべる。
「……一緒に、いたい。いたい、が……」
蚊の鳴くような声だった。
「僕では君を幸せにできない。君はまだ若い。僕のような、仕事ばかりで無愛想な、つまらない男に縛られるべきじゃないんだ。君にはもっと、こう、キラキラした王子様のような男が似合う……」
自己肯定感が地底まで埋没している。 私はため息をつき、持っていた契約書の束を、机の上に「ダンッ!」と叩きつけた。
「却下します」
「えっ」
アレクセイ様が目を見開く。
「この離婚届……いえ、怪文書は受理できません。書き直しを命じます」 「か、書き直し? 条件が不満なのか? なら、僕の臓器もいくつか追加で……」 「違います!」
私は机に両手をつき、彼の顔を至近距離で覗き込んだ。
「私が欲しいのは、領地でもお金でも、草むらからのストーカーでもありません」 「じゃ、じゃあ何を……?」
私はニッコリと微笑み、彼の逃げ道を塞いだ。
「そんなに来世の予約をしたいのなら――まずは今世で、死ぬほど私を幸せにしてください。話はそれからです」
「……し、死ぬほど、幸せに?」
アレクセイ様は、鳩が豆鉄砲を食らったような顔で私を見ていた。 普段の「氷の公爵」の面影はどこにもない。そこには、大好きな飼い主に「待て」を解除された大型犬のような、期待と不安が入り混じった表情があった。
「はい。来世の予約なんて、気が早すぎます」
私は机に叩きつけた契約書を指先でトントンと叩いた。
「この契約書によれば、貴方は私のことを『天使』だの『女神』だのと崇めていらっしゃるようですが……私はただの人間です。貴方の妻、エレノアです」 「そ、それはそうだが! 君の高潔さは人間離れしていて……!」 「買いかぶりすぎです。私は、夫に愛されたいし、たまには甘えたいし、普通の夫婦のように喧嘩だってしたいんです」
私は一息つき、彼の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「道具小屋で残飯を食べる貴方なんて見たくありません。私が隣にいてほしいのは、食卓の向かい側です。同じ料理を食べて、『美味しいね』って言い合いたいんです」
私の言葉が染み渡るように、アレクセイ様の瞳が揺れた。 彼は迷いながらも、絞り出すように本音を漏らした。
「……本当に、いいのか? 僕のような男で」 「貴方がいいんです。仕事熱心で、真面目で、こんな分厚い契約書を作ってしまうくらい不器用な貴方が」
私がそう告げると、彼の瞳からポロリと涙がこぼれ落ちた。 一粒落ちると、あとは堰を切ったように止まらなくなった。
「う……うぅ……っ!」
三十路手前の大男が、子供のように泣き出した。 彼は慌てて手で顔を覆ったが、嗚咽は隠せない。
「ごめん……情けない……。嬉しくて……信じられなくて……」 「情けなくなんてありません」
私はハンカチを取り出し、彼の涙を拭った。 「それで、どうされますか? 離婚届は破棄して、夫婦生活を継続しますか? それとも、あくまで私のストーカーになりますか?」
アレクセイ様は涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、私の手を両手で包み込んだ。 その手は熱く、力強かった。
「……継続させてくれ。いや、させてください! 一生、君の夫でいさせてくれ!」
「はい。喜んで」
私が頷くと、彼は感極まったように私を抱き寄せた。 今まで触れることさえ躊躇っていた彼からの、初めてのハグだった。 彼の胸は温かく、心臓の音がうるさいくらいに聞こえた。
「ああ、エレノア……愛してる。世界で一番愛してる。もう絶対に離さない……!」
耳元で囁かれる愛の言葉。 今まで聞きたくても聞けなかった言葉が、雪崩のように降り注ぐ。 私は彼の背中に手を回し、ようやく本当の夫婦になれた喜びを噛み締めた。
――こうして、私たちの離婚騒動は幕を閉じた。 はずだった。
「では、契約書の書き直しだ!」
翌日。 アレクセイ様は、昨日とは打って変わって晴れやかな顔で、再び書類の山と格闘していた。
「……旦那様? 何を書いていらっしゃるのですか?」 「『婚姻継続に関する覚書(改訂版)』だ。昨日の反省を生かして、より君への愛を明確にした!」
嫌な予感がした。 私は彼が書き上げたばかりの第一条を覗き込んだ。
『第一条 日常における愛の証明』 ――甲は乙に対し、一日に最低五十回は「愛してる」と口頭で伝える義務を負う。 なお、乙が就寝中の場合、耳元で囁くことも可とする。
「……ノルマ制ですか?」 「足りないか? じゃあ百回にしよう」 「多いです! それに寝ている時に囁くのは安眠妨害です!」
『第二条 接触に関する権利』 ――甲は、乙と一日に最低三時間は手を繋ぐ権利を有し、また義務とする。 業務中であろうと、片手が空いていれば繋ぐものとする。
「仕事になりませんよね?」 「なる。左手で書類にサインし、右手で君の手を握る。完璧だ」 「私が何もできません!」
彼の愛の重さは、方向性が変わっただけで、質量そのものは変わっていなかったのだ。 むしろ、遠慮がなくなった分タチが悪くなっている。
「あと、昨日の『来世予約』の件だが」 「それは削除してください」 「いや、これは重要だ。むしろ『魂の永久機関契約』にアップグレードしておいた。僕たちが転生するたびに、GPS機能付きの赤い糸が発動するように……」
「旦那様」
私はこめかみを押さえ、新しい契約書を取り上げた。
「こういうのは、紙に書くものではありません」 「え?」 「行動で示してください。……今の、私たちの生活の中で」
アレクセイ様は一瞬ぽかんとして、それからパァァッと顔を輝かせた。
「わかった! じゃあ、今すぐ行動で示す! 街へ行こう! 君が欲しがっていた新作のドレスを店ごと買いに行こう!」 「店ごと買う必要はありません!」
どうやら、私の平穏な日々はまだ遠いらしい。 けれど、執務室で一人、暗い顔で悩んでいた昨日の彼よりは、今のこの騒がしい彼の方が百倍マシだ。
私は呆れながらも、彼の手を取った。 その手はもう、震えてはいなかった。
あれから数週間。 オルド公爵家には、新たな「問題」が発生していた。
「……眩しい」 「ああ、今日も直視できませんな」
屋敷の廊下の隅で、執事とメイド長がサングラスをかけて溜息をついている。 彼らの視線の先には、中庭を散歩する私たち夫婦の姿があった。
「エレノア、足元に小石がある。危ないから抱っこしていいか?」 「結構です。小石くらい跨げます」 「じゃあ、日差しが強いから日傘を……いや、僕が影になろう。僕の背中で日光を遮断する!」 「普通に日傘を差してください」
アレクセイ様は、片時も私の側を離れようとしない。 執務中も私の椅子を隣に持ってきて仕事をするし、お茶の時間には私のカップに砂糖を入れる権利を巡ってメイドと争っている。
かつて「氷の公爵」と呼ばれた男は、今や完全に溶けきって「デレデレの公爵」になっていた。 社交界でも、その変貌ぶりは専らの噂だ。 夜会に出れば、私に近づこうとする男性を「私の妻に半径三メートル以内近づくと、公爵家の全権力を持って社会的にお前の実家の商売を妨害するが、それでも挨拶したいか?」という笑顔の脅迫で追い払う。 そのくせ、私が「楽しかったですわ」と微笑むと、その場で崩れ落ちて神に感謝を捧げ始めるのだ。
平和だ。 少し……いや、かなり胃もたれするほど甘いが、幸せな日々だ。
ある日の午後。 執務室で、アレクセイ様が真剣な顔でペンを走らせていた。
「旦那様、また新しい契約書ですか?」 「いや、これは遺言書だ」 「気が早すぎませんか?」
彼は満足げに筆を置き、書類を私に見せた。
「人間、いつ死ぬか分からないからな。もし僕が先に逝ったら、君が困らないように手配しておきたいんだ」 「それは殊勝な心掛けですが……」
私は内容を確認した。 財産分与などは以前よりまともになっていた。しかし、最後の一文が気になった。
『追伸:僕の墓石には、君の墓石と地下トンネルで繋がる仕掛けを施すこと。死後も寂しくないように』
「……トンネル?」 「ああ。霊体になっても君の元へ這い行けるようにね」 「ホラーです! 成仏してください!」
私は頭を抱えた。 どうやら彼の「重すぎる愛」は、生前だけでなく死後、そして来世まで続く永久機関のようだ。
「ふふっ」
けれど、私は思わず吹き出してしまった。 かつては、愛されていないと嘆いていた。 離婚届を渡された時は、世界が終わったと思った。 それが今では、彼の執着をどうあしらうかで悩んでいる。なんと贅沢な悩みだろうか。
「エレノア? どうした、急に笑って」 「いいえ。……ただ、貴方の妻でよかったなと思いまして」
私がそう伝えると、アレクセイ様は耳まで真っ赤にして、照れくさそうに頭を掻いた。
「そ、そうか。……僕もだ。君が妻でなければ、僕は今頃、ただの仕事人間として干からびていただろう」
彼は席を立ち、私の手を取った。 そして、跪いて手の甲に口づけを落とす。
「愛しているよ、エレノア。今世の命が尽きるその瞬間まで、君だけを守り抜くと誓おう」
「はい。信じておりますわ」
私は微笑んで、彼の髪を優しく撫でた。
「でも旦那様。来世の予約だけは、まだ保留にしておきますね?」 「なっ!? なぜだ! キャンセル待ちは受け付けないぞ!」 「ふふ、来世でまた私を見つけて、もう一度プロポーズしてくださるのを楽しみにしているんです。……その時は、契約書なしでお願いしますね」
アレクセイ様は一瞬きょとんとして、それから破顔した。 氷が解けたような、最高に幸せそうな笑顔だった。
「ああ、任せてくれ! 何度生まれ変わっても、必ず君を見つけて、世界で一番幸せにしてみせる!」
窓の外から差し込む陽光が、私たちを暖かく包み込む。 重すぎる契約書から始まった私たちの「再契約」は、どうやら来世まで更新され続けることになりそうだ。
まあ、それも悪くない――そう思いながら、私は愛しい夫の胸に飛び込んだ。




