戯れの攻防
アルベルトとリリアがイチャついてるだけの話。
穏やかな日差しが降り注ぐ昼下がり。
アルベルトは応接間のソファで読書に耽っていた。
その背後から音もなく忍び寄る影。指先が髪に触れるかと思われたとき、アルベルトが振り返った。
「・・・・・・・何をしている?」
差し伸ばした手を宙に留めたままのリリアに問う。
「いえ、何も」
「何もないわけないだろう」
アルベルトの心底呆れたような声音にリリアはしゅんとしながら手を下ろす。部屋を出ようとした時、アルベルトがソファの隣を指した。
「こっちに来い」
言われるがまま、リリアは隣にちょこんと腰掛ける。
「触りたいなら触ればいいだろう」
読書を再開したアルベルトが視線を落としたまま使っていない左手をリリアに寄せた。リリアが手を重ねると満足げに鼻を鳴らす。その反応が猫のようで可愛らしいと思う反面、物足りなさを覚えたリリアはアルベルトの頬に手を伸ばした。
触れた瞬間、アルベルトはびくっと肩を震わせたが、リリアの手だと気づくとされるがままになった。
「触られるのはお嫌いかと」
「・・・・・・・嫌いではない」
言葉とは裏腹に気持ちよさそうに目を細める様子にリリアの悪戯心が再燃する。
耳朶を食もうと顔を近づけた瞬間、アルベルトが振り返り不意打ちで彼女の額に口づけを落とした。
「っ!!!!!」
鼓膜の内側から弾け飛ぶかと思うほどの衝撃が身体を突き抜け、リリアは力なく崩れ落ちた。




