表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大迷宮の創造者  作者: POG
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/34

進化

 追撃へと出た数時間後ミカエル達が戻ってきた。


「アヴィリル様。只今、帰還いたしました」


 ミカエルが代表して報告する。


「おぉ、お疲れ。追撃は上手くいったか?」


「労いの御言葉、感謝致します。ライアーとその雇い主を始末する事に成功いたしました」


 始末って。殺してきたのか。

 まぁここは異世界だし、これまでにも俺のダンジョンに侵入してきた冒険者もそれなりに死んではいるけど…


 こうして味方の口からはっきり言われると、やっぱり異世界なんだなと実感する。


 俺、人間じゃなくてダンジョン・コアだから死んだって聞いてもあんまり感情動かないけどな。そこは感謝だな。


「そういえば、オボロ以外は初めての外の世界だよな。どうだった?」


 外の世界、外界は俺も知らないかな。感知ですぐ近くまではなんとなくわかるけど。


「外界の印象は魔力が薄い事ですね。外界はアヴィリル様のダンジョンと比べると大きい為、仕方のない事ですが」


 もうちょっと平和な感じで「森や空が綺麗だったよ」とか期待したんだけど。


 魔力に関しては外が薄いのかこのダンジョンが濃いのかは分からないが


『同じ十階層のダンジョンと比べた場合、マスターのダンジョンの魔力濃度は異常に濃いです』


 まじか、異常なの?


『原因はミカエルを始めとする高位種以上の存在が多い事です。

 現在は問題ありませんが、このまま魔力濃度が上がり続けた場合、いずれマスター以外の配下の魔物は濃度に耐え切れず死亡します』


 死亡ってそんな、演算機さんちょっとオーバーじゃありません?


『はぁ…』


 今ハッキリとため息ついたよね!

 冗談ですよ。今まで俺が演算機さんを信用しなかったことなんて…一、二回しかないでしょ。


 …いよいよスキルらしく無くなってきたな。


 死亡するって言われましても、解決策はこれ以上高位の魔物を召喚しないことぐらいしかなくないか。


『もう一つ解決策があります。ダンジョンの十一階層以降の追加です。ダンジョンが大きくなれば必然的に魔力濃度は下がり薄くなります』


 いやまぁ、言ってることは分かりますよ。

 でも肝心の十一階層が作れないんですよ。【階層追加】のスキルがうんともすんとも言わないんだから。


 だから今は十階層の奥を【土魔法】と【迷宮拡張】で広げて生活を確保してるんだよ。


『問題はおそらくマスターが進化することで解決します』


 進化ねぇ…

 これまで結構魔力集めたけど俺自身の容量、底が見えないし、進化の予兆すら感じていないんだよな。


 何か条件があると踏んではいるが。


 …全く思いつかない。

 俺の進化は今後の課題だな。


「他に報告とかってあるか?」

 俺は問題を棚上げし元の話に戻った。


「はい。ライアーと雇い主がいたのはダンジョンでした。また雇い主がダンジョンマスターでもあったので、そのまま攻略してまいりました」


 おぉダンジョン攻略か。

 俺も一度はしてみたい物だね。冒険を。


 今はダンジョン作って迎え撃つ側だけど。


「アヴィリル様に一つお渡ししたいものがございます。ルシフェル」


「はい」


 ルシフェルが前に出てきて手に持っている何かを差し出してくる。


「これは?」


「ダンジョン・コアにございます。主様の進化の役に立つかと思い、勝手ながら戦利品として持ち帰ってきました」


 ダンジョン・コアか。俺以外は初めてだな。

 一応挨拶しておくか…いや自我はないとか言ってたし、そんな事してもバカを見るだけか。


「ありがとうな。何か進化のヒントを見つけられたらいいが」

 俺は自分に近づけようと【魔力制御】にて持ち帰ったダンジョン・コアに触れた。


 瞬間


『条件を満たしました。これより進化を開始します』


「えっ」


 他のダンジョン・コアに触れることが条件?

 いやそんな事よりも、進化を開始?マジかなんの準備もしていないぞ。


 考えていると戦利品のダンジョン・コアが崩れていく。

 と同時に、強烈な眠気が襲う。


 転生して以来、一度も寝ていなかったせいか。抗いきれず、


「進化す、る」


 一言だけ残して眠りについた。


 ——————


『魔力を消費し進化を開始します』

『ダンジョン・コアからハイダンジョン・コアへ進化』

『………』

『進化が完了しました』


『余剰魔力を分解し、熟練度へ変換します』

『熟練度が一定に達しました』

『クラス《ダンジョンマスター》が《ハイダンジョンマスター》へ昇格しました。

 クラス《クラフター》が《クリエイター》へ昇格しました。

 スキル【土魔法】が【大地魔法】へ進化しました』


『続いて新たなスキルを獲得します』

『以下のスキルを獲得しました。

【眷属統制】【眷属強化】【迷宮改変】【迷宮内転移】【環境設定】【創造補正】【万能加工】【創技融合】』


『同系統の下位スキルは上位スキルへ統合されます』


 アヴィリルが眠りに落ちてすぐ、ダンジョン・コアとしての身体は進化し、新たなクラス、スキルを獲得していた。


 数秒後、アヴィリルの意識が覚醒する。


 ——————


 お、あれ。進化は終わったのか。久々によく寝た気がするな。


「俺が眠りに落ちてどれくらい経った?」

 目覚めて周りに居たのは眠りに落ちる前と同じメンツだった。


 感覚的には数時間だが、もしかしたらもっと経ってるかもな。


 俺の誰とはない質問にミカエルが答える。


「数十秒ほどですね」


「えっ。数十秒!数時間とか数十日じゃなくて?」


「はい。数十秒でございます」


 まぁ確かに今までのアヴァロン達の進化を見ると一瞬だったけど


「まぁとりあえず分かった。お前達のお陰で俺は無事進化を果たしたようだ。ありがとな」


「勿体なきお言葉。お褒めくださり有難うございます」


 仰々しいねぇ


 とりあえず俺の進化したステータスでも見てみますかね。新しいスキルとか手に入れてるかもしれないし。


 あとそうだ。演算機さんも進化したのかね。

 そこのところどうだい?


『私は進化していませんが、マスターの進化により能力が向上したためより動作を素早く的確に行うことが可能になりました。つきましては、マスターが新たに獲得したスキル、既存スキルの統廃合を行い最適化をはかります』


 え、ちょっまってまだなんのスキルを手に入れたか確認してないんだけど


『作業を開始します。途中停止はできません』


 勝手に初めて、それはないですよ。


『【匠技大全】【万物鑑考】【召喚】【迷宮設置】【迷宮拡張】【罠設置】【階層追加】【眷属統制】【眷属強化】【迷宮改変】【迷宮内転移】【環境設定】【万能加工】これらのスキルを統合し、新たなスキルを作ります』


 おぉ。俺の知らないスキルが、まだ見ぬスキルが消えていく。


 いや使いやすくなるのは良いんだけれども。


『ユニークスキル【万匠叡智】を獲得しました』

『スキル【迷宮支配】【眷属支配】を獲得しました』


 ユニークと普通のスキルか。

 前回、生産系の基礎スキルを統合した時は二つともユニークだったけど今回は違うだな。


『【匠技大全】【万物鑑考】は統合したスキルが多く、容量が通常スキルの域を越えていた為ユニークスキルとなりました』


 なるほど。なんとなく分かった。

 で、今回のスキルはどんな感じなんだ?


『【万匠叡智】は【匠技大全】【万物鑑考】【万能加工】の三つを合わせたスキルになります。内容はより使いやすく性能も向上しました。【迷宮支配】【眷属支配】はそれぞれダンジョン系スキルと眷属系スキルを統合したものになります』


 確かに多くなってみづらくなっていたからな。他にも今回の進化で獲得したスキルってあるのか?


『マスターのステータスをご覧下さい』


 ——ステータス——

 名前:アヴィリル

 種族:ハイダンジョン・コア

 称号:神様(笑)

 メインクラス:ハイダンジョンマスター

 サブクラス:クリエイター

 ユニークスキル

  ・演算機 ・万匠叡智

 スキル

  ・迷宮支配(迷宮設置、迷宮拡張、罠設置、階層追加、迷宮改変、環境設定、迷宮内転移) ・眷属支配(召喚、眷属統制、眷属強化) ・魔力制御 ・大地魔法 ・創技融合 ・創造補正

 —————————


 おぉ。クラスが変わってるしスキルも増えたなぁ…って何だよこの称号!

 神様(笑)って!バカにしてんのか。


 確かに最近はステータス見てなかったけど、いつの間についたんだ?


 ミカエルに我がしゅとか言われてたからだろうか…


 …気にしても仕方ないか。

 とりあえずスキルだ。【迷宮支配】も気になるけど先に【眷属支配】だな。

 字面からして明らかに戦力に直結しそうだし。


 内包スキルのうち【召喚】は今まで通り、【眷属統制】も名前が変わっただけで要は【使役】の上位互換だ。

 完全に新規なのは【眷属強化】か。


『【眷属強化】はマスターの魔力を用い眷属つまり配下の魔物の強化を行います』


 強化ね。どんな強化ができる?


『単純なステータスの強化から、スキルやクラスに干渉し熟練度を上げ、昇格させる事が可能です。私が干渉し、マスターの要望通りの強化を行います』


 眷属の進化は出来ないのか?魔力を使うんだろ


『【眷属強化】を用いた種族の進化は本来の用途とは違う為難しいと考えます。ですが不可能ではないでしょう。【眷属強化】での強制進化の場合個人で進化するよりもより多くの魔力を消費すると予想されます。通常使用においても魔力をそれなりに消費するので、消費量は未知数です』


 まぁ、そう簡単には進化できないよな。ダンジョン・コアの進化だって他のダンジョン・コアが必要だったし。


 進化については予想通りだ。

 とりあえず試しに誰か強化してみるか。


 俺は改めてルシフェル達のステータスを見て考えた。

 そして一人以前見たステータスから変化しているものを見つけた。



 ——ステータス——

 名前:ミカエル

 種族:大天使(アークエンジェル)

 称号:狂信者

 メインクラス:大神官

 サブクラス:崩壊士

 —————————


 前見た時、サブは|《壊屋》だったと思うんだけど、いつの間にクラスが変わったんだ?


 しかもミカエルのほぼ唯一と言っていい大天使要素である|《大神官》ではなく|《壊屋》が


 確かに最近はというか最初からミカエルが【神聖魔法】を使ってる所をほぼ見ていないが。最近だとルシフェルとの模擬戦ぐらいか。

 いや、そう考えると回復以外はそれなりに使ってたな。主に戦闘で。

 ある意味納得かもしれないな。


『|《大神官》は高位、|《崩壊士》は最高位のクラスです』


 普通逆じゃないか?メインの方が強くなりそうだが。


 だけどちょうどいいな。

「ミカエル。お前のメインクラス|《大神官》を俺のスキルで昇格させようと思う。いいか?」


 まぁ進化したばっかで魔力ほとんど無いから、昇格するか分からないけどな。


「あっ、それとも自分で努力して上げたい派か?」


「いえ!アヴィリル様からの施しを断るなど滅相もない!その様な輩がいた場合、即座に殲滅してみせましょう」


「しなくていい。とりあえず良いんだな?なら【眷属支配】」


 演算機さんお願いします。


『了解しました。ミカエルに干渉しメインクラスを昇格させます』


 みるみる内に俺の残り少ない魔力が減っていく。

 回復するまで時間かかるな…次何しよう。


 など考えている内に演算機による干渉は終了した。


 意外と早かったな。体感で言えば二、三秒か。


 ——ステータス——

 名前:ミカエル

 種族:大天使(アークエンジェル)

 称号:狂信者

 メインクラス:枢機卿

 サブクラス:崩壊士

 —————————


 おっちゃんと昇格してるな。


「どうだミカエル?」


「はい。我がしゅ、アヴィリル様からの祝福により|《枢機卿》へと昇格いたしました。まさに奇跡!まさに神の御業!」


 ミカエルが崇める様に、大袈裟に言う。

 いや、ただのスキルなんだけど。しかも干渉したの【演算機】だし。


 ミカエルのクラスがすぐ昇格したのはそれだけ熟練度が上がってたってことだと思う。

 俺が何かしなくても近い内に勝手に昇格してたんだろう


「お前らはまた今度な。俺はちょっと休む」


 ルシフェル達にそう言い残し、俺はコアルームに戻った。



 魔力が無いから特に何もできないけど、久々に寝たなぁ。

 回復するまで何とか睡眠を取ることができないか、演算機さんに相談してみるか







 ——————







 ミカエル達が去った後。


 アルバが倒され、ダンジョン・コアも奪われたダンジョンは機能を停止し、ただの洞窟へと戻っていた。


 誰もいない死体だけとなった洞窟内にて倒れ伏すライアーの側に一冊の本が現れる。


 本が開くと同時に美しく神秘的な雰囲気を醸し出す女性が現れ何かを呟くと、ライアーの体が再生される。


「ありがとうございます。助かりました。自力での再生には時間がかかり過ぎるもので」


 ライアーの一言に女性が少し微笑むと光となって消え去った。


「すぐに消えてしまうとは、いつもながら何だか悲しい光景ですね」


「さて」の一言と共にライアーは迷いなく数歩歩き、大きな窪みの前で足を止める。


 目の前の窪みには身体がひしゃげた状態のアルバの死体があり、少しづつ身体が消滅し、魔力へと帰っていた。


「やれやれ。せっかく悪魔に転生したと言うのに、これでは。【強欲の種子】を持っていたのでもう少しうまくやると思っていましたが」


 ライアーはアルバの死体を一瞥すると


「強欲過ぎるのもダメなのですね」


 踵を返し外へと歩き出す。


「それにしても、油断していたとはいえ一撃で首を持ってかれるとは。さすがは大天使アークエンジェルですね」


 もはやアルバの事は忘れたかの如く。


「大天使の主人にも会ってみたいですね。

 今度、あのダンジョンにまたお邪魔しますか。お詫びも兼ねて情報を集めてから」


 要は済んだのか、ライアーは門を出現させ


「それでは帰りましょうか。

 …あぁ、短い間でしたが楽しかったですよ。アルバさん」


 消え去った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ