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大迷宮の創造者  作者: POG
第2章

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秘密兵器

 まずい。大変まずい。

 騎士団がもうすぐそこまで来てしまっている。


「今は七階層を慎重に攻略している様だが、ここまで来るのは時間の問題だな」


 だが不思議と死ぬかもしれないという恐怖はなかった。ミカエルやルシフェルがいるからだろうか


「んーやっぱりミカエル達に一掃させるか?」


「御命令とあれば即座に。…ですが今回は主様が作られたゴーレムに任せるというのはどうでしょうか」


 側に控えていたルシフェルからそんな意見が飛んでくる。


「…ゴーレムか」


 確かに最初に作ったゴーレムは高位並みの防御力はあるが。


「確かゴーレムは防御力のテストだけで純粋な戦闘能力の確認はまだでしたよね。万が一の場合は私やミカエル殿が出ますので」


 まぁそうだな。だが不安が大きい。

 演算機さんはどう思う?


『マスターが最初に作られた星屑人形スターダスト・ゴーレムでは耐えることは出来ますが戦闘に勝利するのは困難です。他のゴーレム達はそもそも戦闘にすらならない個体の方が多いです』


 …だいぶ辛辣な評価をありがとう。

 まぁ評価はともかくこのままじゃ勝てないということか。


「…よし。決めた。ゴーレムに騎士団の対処を任せよう」


「私の意見を聞き入れていただき感謝いたします」


「いや、いい。ルシフェルの言う通り本格的なテストはしていないしな。だがこのままでは負けるのは確実だ。だから秘密兵器を使う」


「秘密兵器…ですか」


「あぁ。実はアマクニと一緒に作ってたんだ」


 では秘密兵器を取りに行こうか。



 工房に着くとアマクニは戦闘に備えて色々と準備をしていた。


「アマクニ。とうとうアレの出番だ」


「とうとうですか」


「あぁ」


 それだけ聞くとアマクニは台座に設置してある球体を取り出した


「これが秘密兵器ですか?」


「あぁ、そうだ。こいつが俺とアマクニで作り上げたゴーレムの核、名付けて炉心核(リアクター・コア)だ」


「本当に大変でしたがね」


 目の前にある核は一見すると今までのものと変わりはない。

 だが中身は全くの別物だ。


「まずコイツは魔力の自動生産が可能なんだ」


「それは凄いですね。魔力の生産とは」


「実はこの機能はルシフェルの【魔力炉心】参考にして作ったんだ」


 今まではゴーレム達の魔力が少なくなったタイミングで魔力を入れていきたが、凄く非効率だし、めんどくさい。

 そこで目をつけたのがルシフェルのユニークスキル【魔力炉心】だ。

【魔力炉心】の常時魔力回復を参考に炉心核(リアクター・コア)は周囲に溢れている魔力の粒子を集め精製し魔力を生産する機構を取り付けた。


「それだけじゃないぞ。刻印している術式にもこだわった。今までの動力循環、安定化、命令受領術式の3種類に加えて、自律演算術式、学習術式そして守護の概念術式を刻印した。他にも自己保存やら色々と加えたが大きなものはこの三つだな」


 目の前にある炉心核(リアクター・コア)の内部では幾つもの術式が立体的に刻印され球体の様になっている。


 今までは命令しなきゃ動いてくれなかったが自律演算術式を搭載したら自分で考えて行動してくれる。併用して学習術式があれば失敗を少なくでき隙がなくなる。

 ここまでは俺の案だが、

 最後の守護の概念術式は演算機の案だ。

 概念とか言われてよくわからなかったが、要するに行動原理を守ることに特化させる術式らしい。

 守ることに関して反応速度が上がりより素早く行動できる。その代わり汎用性には劣るとのことだ。

 ちなみに今回術式を刻印したのは演算機さんだ。

 正直俺とアマクニは意見を出してただけだな。


「あとは単純に核の耐久度を上げた感じだな」


 この炉心核(リアクター・コア)はいつも通りの星屑鋼(スターダストスチール)にミカエルの羽やルシフェルの角のカケラなどを加え作られている。


 こんな大変なものまた作れる気がしないからな。激しい戦闘に耐えられる様にミカエルの攻撃でも砕けないぐらいに硬くした。


 羽や角のカケラは以前の模擬戦の時に出たものを使用している。訓練場をちまちま探した甲斐があったもんだ。


「一応俺(演算機)の計算によればこの炉心核(リアクター・コア)をつけたゴーレムは最高位の攻撃も軽々受け止められる性能になるはずだ」


「それは素晴らしいですね。私やミカエル殿は攻撃ばかりで守りは弱いですから。主様の護衛にとても役立ちます」


「そうだな。よし、早速呼び出そう」



 呼び出したゴーレムはすぐに俺の元までやって、静かに傅く。


「よくきたな。お前にはこれから来る侵入者達の撃退をしてもらう」


 傅いたままのゴーレムは目を青く光らせ俺を見据えている


「だが今のままでは勝てない。そこで今からお前の核をこの新しい核、炉心核(リアクター・コア)に交換する。立ってくれ」


 俺はゴーレムに近づくと俺は魔力制御(最近獲得した)にて交換を行う。

 演算機に交換を任せた方が間違いもなく完璧に出来るとは思うが、何となくここは俺が行った方がいい気がした。


 ——数分後俺は核の交換を終えた。


「よし。これで完了だ」


 交換を終えたゴーレムが動き出すと同時に炉心核(リアクター・コア)内部の術式がゆっくりと回転を始める。

 正常に動作した証拠だ。

 再び傅いたゴーレムは今まで以上に神秘的な雰囲気を纏っていた。

 …さっきから、というか今までもだが、傅けなんて命令してないはずなんだけど。


「まぁいい。これから来る侵入者を頼んだぞ。…あと、ついでにお前にも名前をつけてやる。一番最初に作ったのに今までゴーレムって呼んでたからな。実は前々から考えていたんだ。守りの意味を込めてこんな名前はどうだ?お前の名前は…『  』」


 ゴーレムは俺の言葉を受けても別段何も変わらなかった。

 一応話せる機能はつけたんだが。

 まぁ人エゴーレムだしな。感情があるわけでもないし。ただの個体識別とでも認識したのかもしれない。

 だけどそれなりに悩んでつけた名前だ。気に入ってくれるといいが

 …それより今はダンジョンの防衛だ。


「俺たちを守ってくれ。頼んだぞ!」


 ゴーレムは立ち上がりすぐさま持ち場へと向かっていった。

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