最高位の魔物
『条件を満たしました』
『クラス:クラフターを選択可能になりました』
そんな知らせと同時に俺の意識は覚醒した。
「…クラスの選択?…はっ、いやそうだ!侵入者は⁉︎俺の召喚は成功してたはずだ!」
そんな俺の誰にとも知らない質問に演算機より早く答えるものがいた。
「我が主よ。安心なさってください。不安の種である侵入者は私が対処いたしました」
それは巨大な目玉に翼が生えた異形の存在だった。
「え。…うわぁああ!」
な、何なんだこの見ているだけでSAN値削られていきそうな化け物は⁉︎
「頼れる相棒、演算機さん!」
『そのものはマスターが全魔力を注ぎ創造した魔物。大天使です』
「大天使ぃ?」
「…はっ、私としたことがなんたる不覚!お初にお目にかかります。私は先程我が主、貴方様より創造された天使。大天使に御座います」
大天使、か。なかなか強そうだ。て言うか。
「天使って魔物なのか?神の使いのイメージがあるんだが」
『天使は魔物に分類されます。神の使いではありません』
あっ、そーなのね。
それと久しぶりにこの演算機さんと目の前の大天使が気になることを言ってましたよ。
「さっき言ってた、創造ってなんだ?俺はお前を召喚したはずだろ」
「いえ。私は何処かから呼び出されたわけでわ御座いません。私はあの時、我が主より召喚された瞬間、この世に生を受けたのです。故に召喚ではなく創造と言ったのです」
『迷宮ないで行われる召喚は通常のものとは異なります。召喚の際、発動者の魔力を消費し、消費した魔力に相応しい存在を生み出します。また、召喚の際、強く願う事である程度の方向性を決めることができます』
「そうなのか、…って、いやそれすごくね?それで大天使を創り出したってことだろ。何で天使かはわからないけど」
確かに強い奴来いとは思ったけど、なぜ天使?あの時は悪魔とかドラゴンとかも考えていた気がするが。
『マスターがこの者を召喚する際。強者、そして侵入者からダンジョンを守れる魔物を召喚しようとしていました。おそらく守れると言う部分で単純な攻撃力だけでなく神聖魔法の使える大天使が召喚されたのだと推察されます』
「なるほどね、確かに神聖魔法なら回復とかも使えそうだしな…それで大天使は名前とかあるのか?」
今まで通りなら無さそうだが、大天使だからな。ありそうな気もする。
「いえ、私に名前は御座いません。私はただの大天使に御座います」
「そーなのか。…そうだな、このダンジョンを守ってくれた礼に、お前に名前をつけよう」
「おぉ!何とお優しい!この私目のために名前を授けてくださるとは!」
そんな大袈裟な…。
まぁいい、天使の名前か…なんか神聖な名前がいいな…
う〜む思いつかん。
—数分後—
もう、わからん。とりあえず王道な名前にしよう。
「お前の名前はミカエルだ」
名付けをした瞬間、俺とミカエルの繋がりが強くなった気がした。
ん?何だ今の。
俺が不思議がっていると
「おぉ!感謝します、我が主よ。このミカエル、頂いた名前に恥じぬ忠誠と信仰を貴方様に」
…いちいちリアクションが大きいなコイツ。
「…あぁ、それと俺のことは我が主とか貴方様なんて堅っ苦しいものじゃなくて、普通にアヴィリルって呼んでくれ。俺の名前だから」
「い、いえそんな恐れ多い。貴方様をお名前で呼んでしまうなど」
…めんどくさいなこの天使。
「じゃあ命令な。アヴィリルって呼べ」
「…かしこまりました。では今後はアヴィリル様と」
様とかも別にいらないんだが。まあいいか。我が主とかよりはだいぶマシだ。
とりあえずコイツのステータスでもみてみるか
——ステータス——
名前:ミカエル
種族:大天使
称号:狂信者
メインクラス:大神官
サブクラス:壊し屋
スキル
・神聖魔法 ・身体強化 ・弱点看破 ・戦棍術 ・拳術 ・剛力 ・破壊効率
—————————
…なんだろう。大天使なだけあってスキルが多いなぁー、より前にスキルの内容や称号に目がいってしまう。
「神聖魔法以外に天使要素、神官要素がまるでない。なんだサブクラス:壊し屋って、スキルも脳筋じゃねえか!て言うか何だ称号:狂信者って!怖いわ!」
「お褒めに預かり光栄です」
「褒めてねぇ」
他の天使もみんなこんな脳筋なんだろうか。
『いえ、通常は神聖魔法での回復や浄化、守りなどに特化しています。攻撃に関しても神聖魔法によるものがほとんどです』
だよねぇ!
…ふぅ、一旦落ち着こう。スキルの内容はともかく強い奴ってことには変わりはない。
「…やっぱり大天使なだけあって、サブクラスもしっかり持ってるんだな。壊し屋だけど。
…大天使ってどれくらい強い魔物なんだ?」
「私などアヴィリル様に比べたら塵芥に御座います」
お前に聞いてねえ。って言うか自分を卑下しすぎだろ。
俺、攻撃力なんてまるでないザコなんだけど。
『大天使は魔物の位階では最高位に位置します。ちなみに、ゴブリンは低位、ナイトウルフは中位に位置します』
「最高位ってすげーな。て言うことはコイツの種族は1番上なのか。あと俺、ダンジョン・コアって位階で言うとどれくらいなんだ?」
『ダンジョン・コアの位階は高位に位置します。魔物の位階は単純な強さだけでなく厄介さや希少性、知性の高さにより決まります。
大天使は最高位の魔物ですが位階で言えばまだ上があります。魔物の位階は
低位、中位、高位、最高位、伝説級、幻想級、神話級の7つに分類されます』
「…伝説、幻想、神話、って絶対化け物だろそいつら」
そんな化け物に責められたら一瞬で終わるな。
…ふぅ、まっ気にしても仕方ないか。抵抗なんてできないしな。
「と言うか意外とダンジョン・コアって位階高いんだな。…まぁ確かに本体に攻撃力がないだけでダンジョン自体は結構厄介だしな。人格があろうとなかろうとそこは変わらないか」
とりあえず、確認ごとは終わったかな…
…なんか忘れてる気がするけど。
『マスターの新たなクラスが選択可能になった事では?』
「あ!それか!…ミカエルに気を取られて完全に忘れていた」
「お褒めにあずかr——」
「だから褒めてねえ!」
こうして俺の新たな仲間、大天使のミカエルが加わった。
……もしかしたら手放した方がいいのかもしれないが。




