目覚め
とある森の洞窟。その奥に異彩を放つ球体があった。その球体は直径30センチ程、彩虹に輝き神秘的な雰囲気を醸し出し宙に浮いていた。
誰1人としていないはずの空間に声が響いた。
「なんだ…ここは…洞窟?」
周りを見回すと岩肌が剥き出しになっている洞窟だった。
「なんでこんなところにいるんだ?俺は確か…ダメだ何も思い出せない。少なくともこんな薄暗い洞窟の中にはいなかったと思うんだが。」
とりあえず、こんな所にいても仕方ないし、何処かに移動しよう。移動を開始しようと立ちあがろうとした瞬間。
「ん?」
今までの違和感にやっと気づいた。
「体の感覚がない…というか体そのものがない!!!」
体が無くなっているという事実に。
「どうなってるんだこれ、もしかして俺死んだのか⁉︎。」
俺は体のない状態で暴れ回った。混乱していたからか自分がどうやって移動しているかどんな存在になってしまったのかもわかっていなかった。
〜しばらく後〜
「とりあえず一旦冷静になろう。俺は死んだと仮定して進めよう。」
今の俺は幽霊なのか?、いやでも体が無いから魂だけの存在とかなのか?
「ここってあの世なのか?こんな岩肌剥き出しの洞窟みたいな所ってことは天国…ではないよな」
あー誰かここが一体どこなのか教えてくれ。そう思った瞬間。
『質問を確認しました。』
と無機質な声が聞こえてきた。
『ここはエルメエシア王国北西部ホルウルカゼ村とホーセロルス大山脈とを繋ぐ街道から1キロ程離れた場所にある洞窟内部です。』
「え…。なになに何なのこの謎の声⁉︎どっから聞こえてきたの⁉︎誰かいるの⁉︎」
周りを見渡しても誰もいない。探しているとまた声が聞こえてきた。
『質問を確認しました。私は固有能力:演算機。主にマスターの問いに答え、助言や予測などのサポートを行います。』
「えーとまだ理解が追いついていないがとりあえずここはあの世じゃなくて現世ってことだよな」
『その通りです』
「てことは俺は死んでこの世界に転生したのか。
…で、そこはいいんだけど俺、人間じゃないよな。何に転生したんだ?」
『マスターの種族はダンジョン・コアです。ダンジョン・コアはダンジョンの心臓となる物体です。』
「物体って… 俺、生物じゃないのかよ!」
人外どころか生物ですら無いとは。
『種族と定義しましたが実際にはダンジョン発生装置とも言うべき物体です。本来ダンジョン・コアにマスターのような人格など無くただただダンジョンを成長させていくだけの存在です。』
「本来は人格が無いのか。じゃあ何で俺は意識があるんだ?」
『不明です』
「不明…」
何でも知っているのかと思ったけどわからないこともあるんだなぁ。さっき自分で固有能力とか言っていたしもしかしたら異世界系では定番の能力の進化とかもあるのかもな。
異世界…と言うことは一つ絶対に確認しなければならない事がある。
「ステータスオープン!!!」
………
特に何も起きなかった……
「まぁ、何も起き無いのも定番だからな。」
『ステータスを確認しますか?』
「うわっ、びっくりした。」
演算機を介して確認するのか。
「おーけーそういう感じね。確認する。」
すると目の前に青っぽい半透明の板が浮き出た。
連続して10話程投稿します。




