プロローグ
問題児になりかけの春と元問題児の由奈が一緒に堕ちて行く話です。
主の好み的に最後はハッピーエンドに終わる予定です。
初投稿です。よろしくお願いします。
一時間目の中盤に差し変わりそうになってきたとき、少し荒々しく教室のドアを開けて入ってきた男子生徒がいた。
遅刻常駐犯の川崎春である。
元々遅刻はする方であったが最近になって頻度が増えてきている。もう遅刻には慣れたらしく教室に入ってきても悪びれることはなく当たり前のように席に座っている。
その上、微妙に機嫌が悪そうな顔をしており周りにまるで話しかけるなと言っているかのような雰囲気を放っている。
席が隣の私としてはいい迷惑である。
そんな彼を見て私は昔の自分を思い出していた。
中学生の時の私、篠宮由奈は人には言いづらいくらいには問題児だった。
大問題こそは起こさなかったものの、遅刻は頻繁に、気分が向かなかったら学校も普通に休んでいた。
幸い当時の私のクラスは人に危害を加えるような問題児が他にまあまあいたので、勝手に遅刻したり、休んだりするような私がいじめの標的にされるようなことはなかった。
しかし、女子の閉鎖的なコミュニティではそんなことをしてたら本当に仲良い友達など作れるはずがない。
なので孤立と言ったら言い過ぎだが、親友などできるはないし、いつメンなんて言ったものとは無縁な学校生活を送っていた。
「その点男子は楽だよなあ」
なんて心の中で思ってしまった。
だって仕方ないじゃないか。
川崎は遅刻常駐犯の上に欠席も増えてきてるのに友達は全く減る気配はなかった。
男子のコミュニティは女子よりも単純である。面白いか面白くないかそんな簡単な基準でコミュニティに入れるか入らないかは決まる。遅刻しても悪びれない川崎が男子にはまあまあウケるようで彼が1人になるようなことはなかった。
「チッ」
なんかわかんないけど舌打ちしてきた、目を逸らしてたつもりだったけど、目があってしまったからだろう。とりあえずちゃんと目を逸らして授業をちゃんと聞いてるフリをした。
まあこれだけでは流石に嫌われることはないだろう。今の私は真面目な方だし、人望も友達も実際のところだいぶ恵まれてる方である。
まあ最悪嫌われてもどうにかなるだろう。今の私は昔とは違うのだから。
見てくださりありがとうございました。
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