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セブという天敵

第11話


心花は海面を離れ

小型ジェットを自動モードで飛ばしながら

ある人物の研究室に向かう


彼に頼むのは 本当に嫌・・・

でも、背に腹は代えられないか・・・


数分後

事前に連絡をいれていた

科学者の研究室がある高層ビルに到着

ビルの最上階近くの入り口に着岸して


はあ・・・

この部屋に入るのは約5年ぶりね

あの時はしょうがなく

ミカエルの捜索を手伝ってもらったけど・・・

また、あいつの顔を想像しただけで

鳥肌が・・・・



心花が訪ねようとしている科学者は

かなり変わってはいるが

プログラム系の知識は

世界的にも有名で、ずば抜けて優れている。


その科学者は セブ と名乗っているが

本名は不明

死の天使と呼ばれる

ナチスドイツのマッドサイエンティストを敬愛し

人体実験を趣味にしている 変人だ・・・


本当に・・・関わりたくない・・・

はあ・・・・


コンコンコン

セブ博士 いらっしゃいますか?


セブ博士?

ウウウウ・・・なに・・・

私?


そこには、心花がいた

正確には心花の20代の姿をまねた

セブがナノスーツを心花に変えて出迎えているのだ


ぞく・・・

最悪、なんで・・・気持ち悪い・・・

やっぱり、帰ろうかしら

でも・・・しょうがない・・・

あの・・・セブ博士

なんの真似ですか? 


心花は殺人衝動を抑えながら

ナノスーツ上は笑顔でセブに話し掛ける


ゲゲゲ

最高、最高だよ

ミスワールドに選出された

20代の君のボディーは

まさに芸術品だ

素晴らしい、君は素晴らしいよ


口から唾を飛ばし

心花そっくりのナノスーツは

品のない笑みを浮かべる


でも・・・

やはり本物は桁違いに美しいな・・・

ゲゲゲ


セブはナノスーツを本来の研究者の姿に戻すと

心花に会えた高揚感を隠せず

目を泳がせ、体をよじり

興奮しながら心花に話し掛ける。


心花教授

今日はいったい何用ですか?

海底から来られたようですが・・

ゲゲゲ・・・

まさか

またミカエルの捜索を手伝えと・・・?


ふっ

なんて、感の良いの


はあ・・・・

ふう・・・

お久しぶりですセブ博士

5年ぶりですね


ゲゲゲ

まだ5年とは・・・

私にとっては100年以上たっているような感覚です


気持ち悪い・・・

ここは、我慢よ・・・


セブ博士、いまからそちらに渡す

未知の情報と交換して欲しいプログラムが有るの


今、私の持っている情報をAIで情報価値に置き換え

あなたの持っているプログラム情報と交換して欲しいの

お願いできる?


ゲゲゲ・・・

いいでしょう、情報次第では

何でも交換しますよ・・・

美しい心花教授・・・

ゲゲゲ


では、セブ博士

まずは深海で見た情報を渡すから見て

これは、今日取得した情報よ

特にクジラ・シビレエイの奇怪な行動

そして謎のケーブル

全部未知の情報よ

かなりの価値はある情報でしょう・・・


※2222年はすでに貨幣はない

例えばどんなに精密で偽装されないように作った紙幣も

ナノスーツでは完璧に再現できる


またブロックチェン等の仮想通貨でさえ

最新のAIでは、何の役にも立たない。


なので、今では情報と情報を交換する

まるで貨幣文化が無かった時代の物々交換だ


しかし、この時代ではその原始的な

取引でしか新しい情報は得られない。


ネットに無い情報は非常に重要で

その価値はAIで解析し価値をつけ

自分以外がもっている貴重な情報と

交換を行う事ができる仕組みになっているのだ。


ゲゲゲ

これは、これは・・・

珍しい情報で価値が高いですね


心花からの情報を分析し

セブはその頭脳をフル回転させる


セブのIQは250を超えている

アインシュタインのIQが190だったことを考えると

セブの才能がどれだけすごいものか理解出来る



セブ博士

私は海中ケーブルがナノマシンである事を確認し

発信機を仕掛け

現佐位置を特定できるようにしているの。


この不思議なケーブルをAIで解析しても

電気供給用のケーブルとしか解らなかったわ


海底に大規模電力を使う

何らかの施設・装置・ナノマシン等が存在し

そこには未知の何かがある可能性があると

私は予測しているの


でも、何も対策や武器を持たずに

未知のケーブルを調査するのは

余りにも危険と判断したので


サーチ機能・AI解析・ファイアウォール・身体強化・身体防御・通信強化・

海中移動・潜水強化・蓄電池強化等の最新アップデートは行ったわ 


ゲゲゲ

心花教授

それ以上何を欲しがっているのですか?


セブが不思議そうな顔をしていると・・・


(心花の胸の内)

全部 解っているくせに

嫌味なやつね・・


セブ博士

あなたが作った最新のハッキングプログラムを

インストールさせて欲しい・・・


心花は苦笑いしながら、セブに頼んだ


ゲゲゲ

これは これは・・・

嬉しいですね

私のプログラムをインストールしたいとは・・・

心花教授にそこまで評価してくれえ頂き、光栄です


しかし・・・

心花教授

私のプログラム 海底情報程度と交換できるほど

安くはありませんよ


この程度の情報で

私のハッキングプログラムを

インストールしてくれとは・・・

少々虫が良すぎではありませんか?


心花は分かっていた

この情報に彼は価値を見出さない

世の中では価値があっても

セブが欲しくないと思えば

この情報と交換は成立しない。


セブ博士・・・

あなたが欲しい情報は分かっているは

赤面し、苦笑しながら心花は交渉を持ちかける。


セブは以前から心花の15歳から16歳の身体情報を欲しがっていた

心花はこの変態マッドサイエンティストにだけには

汚れていない自分の若い体を奪わせたくなかった。


以前はどんな情報交換を持ちかけられても

絶対に交渉に応じず

かたくなに、交渉を拒んでいたが


しかし、今回はセブのハッキングプログラムが

どうしても必要になると予想した心花は

何としてもプログラムを手に入れたかった。


あなたの最強ハッキングプログラム

何となら交換するの?


ゲゲゲ 

欲しい・欲しいのですよ

あなたが・・・


セブは狂った快楽を得たような表情で

目は血走り、口からは白く泡立った液体が

流れ出している

まるで麻薬で脳全てが侵されているような

奇怪な表情だ。


あなたの 15歳16歳の身体情報だけでなく

12歳・13歳・14歳の身体情報


それとなら

私のハッキングプログラムあなたにインストール

して差し上げましょう。


ゲゲゲ・・・・・

ゲゲゲ・・・

ゲゲゲ・・




約1時間後・・・


夕日が雲を照らし

幻想的な色を映し出している空を見ながら

自動運転で自宅に向かう心花の姿があった


放心状態の彼女は

なにも考えられなかった


セブとの交渉内容を考えると

吐き気を伴った嫌悪感が

胸の奥をえぐるように

突きあげて来る。


ナノスーツまでが泣いているように

思えるほど心花は沈んでいた。


ミカエル、ミカエルに会いたい・・・

そうつぶやくと


目の中に涙があふれ

震える体をもう一度抱きしめて欲しい・・・

ミカエルへの思いをよりいっそう募らせる

心花が夕日のかなたに消えてゆく。



追伸

直後、心花のジェットを追ってゆく1機のステルスジェット姿が目撃された

それは心花を見守りながら、ひそかに、ひそやかに、夕日に姿を消してゆく


日本が違う世界になった?・・・過去という名の もう一つの未来 season1をお読みいただき


誠にありがとうございます。


皆様に出来るだけワクワクして頂けるように書き進めてきたので


皆様の感想などをお寄せいただけましたら非常に光栄です


お手間だとは思いますが、皆様のご意見がやる気の源ですので


どんなコメントでも結構ですので、何卒宜しくお願い致します。


お読みいただき、面白かった場合は、高評価を頂けましたら幸いです。

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