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 勇者ルー・ウェインを見たのは、イントーン王家の神殿、ギリシア、ミューズなどの神を祀った十二神殿じゅうにしんでんの大理石の柱の影からだった。


 青光りする髪をなびかせた、栗色の目の精悍な勇者の姿に、大勢の女の人が顔を赤らめた。


 私は出勤の確認をしに出た、ただの使い走りで、見たのは偶然だった。


 思わず、大理石の柱の陰に隠れ、勇者ルー・ウェインが大勢の民衆に笑顔で手を振るのを見た。


 爽やかな笑顔で、鎧を着た姿が逞しくて、私の胸は外に聞こえるほど高鳴っていた。

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