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転移してもいつになれば痩せれるのか  作者: 猫泉満月
第1章 変わらないことと変わったこと
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1.放課後

 初めての投稿になります!お手柔らかにお願いします。

 私はいつも苛立っていた。

なんでかって?それは!痩せないからだ。

ぷにょぷにょのお腹のお肉、太い足…キリがない。

ため息ばかりつく私に友人が声をかけた。



「リンナ、幸せ逃げちゃうよ!」



リンナとは私、三葉鈴奈みつばりんなのこと。

名前からして良くない。四葉のクローバーなら幸せなのに。ひとつ足りない。



「いいよ。ムツミは痩せてるし、可愛いから」



友人の名は鈴木六美すずきむつみ

彼女も名前に対してよく思っていない。

10人兄弟の6番めだから六美と名付けられた。

大家族のためか裕福ではないとよく言うが、美人なのだから私からすれば羨ましい。



「何言ってるの、リンナ可愛いじゃない。もう少ししたらリンナだけを大切にしてくれる人が現れるって!」



慰めてくれる時にムツミがいつも言う言葉。

上から目線で言ってないことも私にならよくわかる。

小さい時からずっと一緒だから。でも、もう少しってなに?


 制服が風に揺れてる、過ごしやすい季節秋がやってた。

今年の夏も暑かった。デブには辛い。

いつもの放課後、ムツミと一緒に帰る道、ずっと変わらず同じ。

嫌じゃないけどちょっと複雑、ダイエットも成功せずに平行線のまま。


 私とムツミはそれぞれ用事があるため途中からで別れた。私は塾にムツミはアルバイト。

ムツミは家族が多いからと高校で禁止されているアルバイトを先生に掛け合って許可をもらいしている。

それなのに成績はいつも上位。天は二物を与えずじゃないの?と思ってしまう。

なので嫉妬する人も多い。でも、私は知っている。

授業中は先生の話を聞いてるし、昼休みも勉強している。

お互い苦手なところを教えあって補っている。

私はそのおかげと塾で進学校に合格できた。


 塾の帰り、新しいダイエット本を入手すべく本屋さんに行こうとした。

だが、足が急に方向転換してしまった。行きたいのは駅前の本屋さんなのに!

訳がわからない、とりあえず、足が言うことを聞かないので赴くまま進むことにした。

歩くと知らない細道がある、そこに入ると急に開けた場所に出た。

目の前には古いお家があり、一階が多分古本屋さんだ。恐る恐る中に入るとフードをまぶかにかぶった人がレジの横に座っている。何も言ってこない。

寝てるのかな?入りたくはなかったが足が前に行く。

仕方がないと思い入ったら一冊の本の前に立っていた。

本棚には他にもたくさんの本があるのにその本だけが光っていた!



『怪しい!めちゃくちゃ怖いんだけど!』



心の中で思った。手に取りたくない。

けれども意を反して取ってしまいレジに向かう。

怪しさ満点の店員さんに声をかけようとしたら、張り紙が目に入った。



【耳が聞こえないため、ご了承ください】



どうすればいいのかと思ったらスケッチブックを出してきた。そこには



【お代は100円です】



安い!安すぎて本当に大丈夫か?ますます怪しいけど100円を置き、足は家に向かっていった。








「暑い!!秋だからってこんなの怪しいし、とにかく暑いんだけど!」



フードをまぶかにかぶった店員は勢いよく、顔を出した。

よく見知った顔。

でも、その時の私は気づかなかった。


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