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#にけリメイク  作者: 遠宮 にけ ❤️ nilce
1 にけ が リメイク
3/10

【SF:宇宙】 観月さん作 「零シティ・改 第一部 聖なる一族 -4-」より

観月さん作

「零シティ・改 第一部 聖なる一族 -4-」 より

https://ncode.syosetu.com/n7117cv/16/

 父に伴われエドゥアルド・ロッシが王宮に足を踏み入れたのは、十歳の夏のことだった。


 初めての王宮。

 国王ドゥシアス三世との謁見を控えたエドゥアルドは、父の後ろを歩きながら小さな頭の中で一通りの作法をシミュレートしていた。


 翌年の秋にはテラの中等教育機関である、全寮制のテラ神学校へ入学する年齢。

 ロッシ枢機卿の息子として、国王そしてテラ教の教皇でもあられるドゥシアス三世に恥ずかしいところは見せられない。

 国王の部屋の前に立つと、エドゥアルドは短めに揃えた黒髪を手櫛で整え、父の後ろでピンと背筋を伸ばした。


「失礼いたします」


 父が扉を開くと、さっと初夏の日差しがエドゥアルドの目に飛び込んできた。


 その向こうに映る、黄金に煌めく王冠。

 金糸銀糸で緻密な刺繍の施された深紅のマント。

 ガラス張りの壁面から差し込む光に映し出された国王ドゥシアス三世の姿は、威厳に満ちて見えた。


 エドゥアルドは父に伴われ入室すると、緊張に震える右手を胸にあて、右足を後ろに引いて腰を落とした。

 父に叩き込まれた作法の基本だ。


 同じように腰を落とした父が挨拶の言葉を述べているが、エドゥアルドの頭にはまるで入ってこない。

 年の割には落ち着いている、エドゥアルドがいれば安心だ、と大人からの評価が高いエドゥアルドだが、大人の社交はやはり別物。

 顔にこそ出さないもののエドゥアルドは内心圧倒されていた。


「エドゥアルド・ロッシ。面を上げよ」

「はっ」


 硬い口調で名を呼ばれ、エドゥアルドは反射的に返事をした。

 掠れた声だが、まずまずの声量だ。


「初めましてだね? エドゥアルド……緊張しているかな」


 目をあげると、王は頬を緩め先ほどとは打って変わった優しい声色で投げかけてきた。

 エドゥアルドは十歳。

 王にとってエドゥアルドは息子、ジュール王子より一つ年嵩の子供にすぎない。


「は……いいえ。お目通りがかない、誇らしい気持ちでおります」

「ふふ。エドゥアルド。君はしっかり者だね。……実は先ほどまで息子のジュールが一緒にいたのだよ。君より一つ年下だ。君が来るのを楽しみに待っていたんだが、やんちゃな子でね。待ちきれなくなって庭に遊びに出てしまった。君も庭へ出て息子の相手をしてやってもらえるとうれしいのだが」


 王が窓の外に目を向ける。

 エドゥアルドは開いた窓からむわりとした熱気が入り込んでくるのを感じた。

 この先が庭なのだろう。青々とした芝に木の影が差しているのが目に入る。


「はい」

「ではよろしく頼むよ。上着はロッシ枢機卿に預けて行きなさい。外は暑いぞ」


 エドゥアルドが立ち上がると王は柔らかく目を細めた。



 中庭までは侍女が付き添い、エドゥアルドを送り出してくれた。

 壁に飾られた伝統的な絵画、彫刻。ステンドグラス。

 テラの歴史を感じさせる装飾の数々に目を奪われる。


 クラシカルなのは王宮の中だけではない。

 世界最先端の技術を持つ零シティだが、一見してそれとわかるような物はどこにも見当たらなかった。

 王宮そしてそれに隣接する大聖堂の下には、テラの技術の粋を集めた最先端の設備を有しているはずなのにだ。

 街には科学などおくびにも出さないあくまでも伝統的なゴシック様式の建築物が立ち並んでいる。

 景観を維持するために街には厳しい建築制限がひかれている、とエドゥアルドはいつか父に教わったことを思い出す。

 宇宙からテラへ降り立ったテラ教の信者たちの中には、そんな零シティの町並みを見て涙するものもいるという。



「中庭へはこちらから出られます。暑いですからどうぞ木陰を選んでお行き下さい。王子様ならきっと奥の水辺にいらっしゃいますよ」


 エドゥアルドは、侍女と別れ一人中庭へ出た。


 ぎらぎらと目が潰れそうな日差しの割に暑さを感じないのは、生い茂った木々の作る木陰のためだろうか。

 ともすれば迷子になってしまいそうなほど広大な庭だ。

 水辺などどこにあるのだろうか。

 ひとまずぐるりとしてジュール王子を見つけられなければ、一旦王宮に戻ろう。

 エドゥアルドは大きくため息をつき、手の甲で額の汗を拭きとった。


 一瞬さあっと涼しげな水音が聞こえたような気がして、エドゥアルドは立ち止まり耳をすませた。

 左手の奥。

 木立の向こうにちらりと白いものが映る。

 あれはなんだろう。

 エドゥアルドは足を進めた。


 駆け寄ると、一気に空気が湿っぽくなった。

 突然木立が途切れ視界が開ける。

 日の光に白く輝く天使の像が目に飛び込んできて、エドゥアルドは思わず目を細めた。

 天使を取り囲むようにして作られた小さな池。

 中央で噴水が上がる。


「あ」


 エドゥアルドは噴水の正面に立つ小さな男の子の背中を発見した。

☆やってみてどうだったか学んだことレポート☆



 こちら原作前話がジュール王子視点。

 ちょうど一つの大きな出来事の後、場面展開の部分です。

 なので一話同様に、登場人物と立ち位置、世界観等提示し理解してもらわなければならない情報が非常に多い。


 また人称がやや一人称エドゥアルドよりの三人称。

 これ本当に難しくて、できているか実感がありませんw

 エドゥアルドの心象が反映される箇所がありますから、厳密には三人称ではないのかな?

 人称に関しては読者に混乱がなければ良いと思ってかきました。


 リメイクの際にまず描写すべき情報は何か箇条書きにしました。


 箇条書きからエドゥアルドの性格見た目に関する情報は、描写の中で徐々に小出しにする作戦をとりました。


 関係性や人物の背景については、全くの三人称視点と一人称に近い三人称視点のキワがわからないようになるべくエドゥアルドを通した理解という形で提示しようと決めました。


 悩んだのは澪シティについての情報提示。

 侍女を(勝手にw)出したのでそこでエドゥアルドと会話をさせて提示しようかとも思ったのですが、この身分のものがどれだけの情報を握り、どのような話し方をするかなどの理解ができておらずハードルが高すぎて諦めました。

 そこでエドゥアルドが色々と眺めながら、父から教わったことを回想するという形に収めました。


 また装飾がエドゥアルドにどう映ったかで表現できればよかったのですが、これも提示したい情報を表すには描写が長くなり、視線が外れてしまう気がしたので知識の範囲でさらっととなりました。

 この辺がうまいと世界がぐっと身近に感じられていいんだけどな〜〜。

 下手だと必要情報が詰まっている箇所なのに頭に入ってこないという致命的な事態に。


 そして一番の難所は実は庭でしたw

 庭を行くエドゥアルドの表現が長い!

 なんでこんなに伸びる?

 探しているという感じを出しつつもう少し簡潔に表現できないものか……そして長い割に庭の描写が貧相っていう。

 こういうのが続くと読み飛ばしたくなりますね。


 意味のある能動的な行動の描写ができにくいからでしょうかね。

 庭歩き、難しかったです。


 改めて、SF、ファンタジー、歴史などベースになる世界観をしっかり表現できないといけないジャンルをかける人は、すごい……と実感しました。

 いつもとは違う頭をいっぱい使った気がします。

 観月さん、ありがとうございました!!

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