プロローグ 模擬戦
大変遅くなってすいませんでした。多分読んでくれる人は少ないと思いますが気が向いたらでもいいので読んで下さるとうれしいです。あと感想とかもいただけるともっとうれしいです。漢字とか間違ってたのを教えてくれるだけでもいいので!
その光景を見ていた。
何人もの人々が燃えた大地に倒れているなか、唯一ひとりの少女だけが歩くその光景を…
少女は怪我をしていて服もボロボロだが見る限り命に別状はなさそうだ。
だが、少女の腕のなかにはそれこそ倒れてる人々と同じように黒く焼けている赤子の姿があった。
見ている者は手をのばそうとする。だが届かない。ただ傍観することしかできなかった。
やがて少女は生きているのかすら分からないその赤子をぎゅっと抱きしめると少女は何かを唱える。
それはきっと魔法なのだろう。
少女が唱えると足元にふたりを囲むように魔方陣が形成される。
魔方陣からは紫色の半透明な水晶が次々と生成され少女達に纏わり付き覆っていく。
とうとう少女達を覆い隠し身長の倍程の高さまで達すると魔方陣は生成を止めた…
大勢の命を奪い、人々から一つの時代の終わりだと思われたこの厄災が新たなる事件の序章であったことは知るよしもなかっただろう……
~時は過ぎ十五年後~
「おはよ~、にいに。朝から自主練なんて真面目だね~。」
「おはよう、メグ。そういうお前だって昨日は遅くまで魔力のコントロールを練習していたんだろう?まだ眠かったら寝てても大丈夫だぞ。」
「うん、そうだけど…けど大丈夫だよ。実技のテストも近いから朝も練習したいし、それに隣でにいにの魔法をみてるのも暇つぶしになるしね~。」
「俺の魔法なんてたいして面白くもないだろう。メグの使い魔を呼び出す魔法のほうが俺は便利で面白いと思うけどね。」
「そんなことはないよ、だってにいにの魔法は特別だからねー。それこそ、この都市にある学園には同系統の魔法は存在しないらしいし。それに私の魔法はそんな便利なものじゃないから、契約するの大変だし。」
「へ~珍しい魔法ということは聞いていたがそこまでとは知らなかったな。」
「う~ん、でもなー見てるだけもあれだしなー。にいに、なんかいい案ないの?」
「そうだな…食堂に行くまであと1時間以上あるし久々に俺と模擬戦してみるか?」
「えー、そんなの負けるに決まってるじゃん。だってにいには中等部全体の一位で高等部の先輩達と戦っても二桁の順位に入るレベルなんだよ、それに比べて私は初等部二年のなかの七位ですよ。相手になるわけないじゃないですか!」
「まあそう言わないでくれよ、確かに俺とお前じゃ力に差があるかもしれないがお互いの技術を高めあうのが模擬戦だと思うよ。それにさ、兄として妹の成長をみるいい機会だしね。でもそうだな…例えば俺にきちんとダメージを与えられたら欲しいものを買ってあげるとかやったら少しはやる気がでるかな?」
「…わかった、約束は守ってよね。なんでも好きな物をかってもらうからね。」
そう言うと、メグは腰に差している短剣を抜き戦闘態勢にはいった。
「ああ、だがそこまで高いのはやめてくれよ。じゃ、3…2…1」
次の瞬間メグの近くに三つの魔方陣が出現した。
魔方陣からは三匹の狼が現れ標的めがけて跳び掛かっていった。そしてメグは手にもっている短剣を強く握り突進していく。
「四対一かよっ!」
「「「グルルッ、ウガァァァッ!!」」」
喋りながらも狼が鋭い爪で襲ってくるがギリギリのところで躱していく。
「…こうでもしないと相手にすらならないでしょ。」
さらに、メグが短剣で斬りつけてくるのを避け、後ろへ跳んで距離をとる。
そして、空中に剣を模した紫色の水晶を作り出しメグと狼達に向かって発射させる。
しかし、狼達は難なく躱す。剣を躱し再び襲いかかってきた三匹の狼を投げ飛ばし、殴りつけ、蹴りとばす。
メグは短剣で水晶を弾いて短剣を構えなおし接近して振り上げる。それを腕を振り下ろしながら手の中に水晶の剣を作り短剣と衝突させる。
「ぐっ、やっぱりにいには剣術もすごいな~。」
「まあ、接近戦も出来ないと先輩方には勝てないからな。」
一度、二度、三度、四度、剣を打ち付け合う。五度目でメグの反応が遅れ六度目で押し飛ばされる。
「きゃっ、強いなー。でもまだ諦めないよっ!」
約三十秒勝負は決まっていた。その決着は予想外のものだった。戦っていた者でさえ自分が負けるとは思っていなかったのだから。
ひとつのとても短い言葉によって彼女は勝利したのだ。
「ファイア!!」
「なっ、しまっ…」
メグが叫んだ瞬間、炎の波に呑み込まれた。そのひどく単純な言葉が合図だったのだ。狼達は動いた、なんと口いっぱいを過ぎ溢れ出るほどの炎を吹き出したのだ。そして炎が消えた後、メグは兄の喉元に剣先を向けていた。
「参ったよ、降参だ。強くなったな、メグ。」
両手を上に挙げ、降参のポーズをとるとメグは短剣を腰にある鞘に戻した。
「いやった~~!!初めてにいにに勝った~。うれしいなっ、何買ってもらおうかなー。」
「はぁ~、見事にやられたなぁ。まさかあの狼が炎を吐くとはな。それとメグその短剣はどういう仕組みなんだ?この前まで使ってたやつとは違うのには気づいていたが…」
「ん?ああ、これね。ふふ~ん、なんとこれ私に合わせて作ってもらったんだ~。特注品ってやつかな、少し高かったけど。」
「まさか俺の壁を破ってくるとは思わなかったよ。」
そう、確かに火炎放射には驚いたがそのくらいの攻撃を防げないようじゃ中等部の上位になんて入れない。だからちゃんと水晶による壁を作り出し炎を防ぎ、尚且つ魔力で体全体を覆っていたのだ。それをただの短剣で突破するなど不可能だといっても可笑しくはない。
「ふっふっふ…実はこの剣に私の魔力を込めると魔力の刃が出来て他の魔力の流れを断つことができるの。にいにが熱を通さないように薄い水晶を何層も作って隙間をあけて壁にしてたから破壊しやすかったんだと思うよ。分厚い壁だったら壊せなかったかな。」
「なるほどな、まあ分厚い壁作ってたら熱でギブアップしてたと思うけどな。」
「まあ今回は私の戦略勝ちっていうことで! 次はもう少し本気でやってみてよ。じゃあ私シャワー浴びてくるから。」
「ああ、俺もメグがあがったら浴びてくるから、そしたら朝食を食べに行こうか。」
メグが部屋を出たあと、部屋の中心に座り魔力を床に向かって放つ。次の瞬間、水晶が床から突き出しあっという間に部屋を覆っていく。部屋は横幅が一辺四十メートルほどで高さは五メートルぐらいある。その部屋をほんの数秒覆い尽くした。
「ふぅ~、見事に負けちゃったな~。まさか妹に剣を向けられるとは。次はもうやる気を出すかな…」
メグがシャワーを浴び終えたので自分もシャワーを浴びるため水晶をサラサラと消滅させ部屋からでた。
そして数十分後、制服に着替え終え
メグに
「早く行こっ」
と急かされながら家の扉を開け鍵を閉めたのを確認すると食堂へと向かった。
後書きはその話でかけなかったとこを書こうと思ってます。
今回は名前が出てないお兄さんが作った壁について…固体>液体>気体の順番で熱を伝えやすいというのを聞いたことがあったのでそれを使わせていただきました。調べてみたら鍋つかみとかもそういう仕組みみたいですよ。知ってたらすいません。




