第4話-友達リア充化のお知らせ
また、俺の敵が増えた。明日、学校で何を言われるか分かったもんじゃない。明日が来なければいいのに。なんて事を考えていた。でも、時間は待ってくれない。夏休みの最終日、宿題に追われて、「最初の方にちゃんとやっておけば良かった」と思う小学生の気分だ。
もう少し言い方はあったはずだ。あのかばい方ではただの出会い厨と何も変わらない。
女好きだと勘違いされたらどうしよう。
そんな事が頭をよぎる。ストレスで眠くなった。でも、寝てしまえば、明日がすぐにやってくる。嫌だ。
明日学校で菖蒲に話しかけられたらそれこそ学校へ行きたくなくなる。
「もう、女子とは絶対に関わらないぞ」
小さく呟いた。これはこれからの俺の決意だ。厄介事にはもう関わらないと言う。
もう後悔したくない。誰かを救っても、誰も俺を救ってくれない。こんなの割に合わない。もう何にも関わらない。絶対に。
そう決意したら安心感からか、急激に眠くなった。これでゆっくり休める。悩み事なんて何一つ無い昔の俺みたいに。おやすみ。今日の俺。
目を覚ましたら、午前5時だった。尿意が襲ってきた訳でもない。ただ、不意に目が覚めた。そうだ夕飯を食べてない。
俺は食卓に向かい、母が作り置きしてくれていたカレーを温め、自分の部屋へ持っていき、録画していたアニメを観ながら平らげた。
気がついたら6時だ。俺は家族を起こさないように、家を出て、散歩をした。もう6月なのに朝は寒い。
堤防を散歩していると、菖蒲によく似た人が飼い犬を連れて散歩しているのを遠くから見つけた。
目があったような気がして、逃げるようにして全力で家に帰った。あまりに急いで帰ったので汗だくになってしまった。
汗が気持ち悪いから風呂に入った。風呂に浸かって、少し気持ちをリセットし、落ち着いて考えてみた。
あれは、多分違う人だ。他人の空似だろう。でも、もし、菖蒲本人だっら学校で話しかけられるだろう。
それだけは阻止したい。
色々考えている内に、タイムリミットが来たようだ。
学校の時間だ。
重い足を運んで、学校へ行った。
自分の席に着き、いつものようにラノベを読んでいたら、友達の古枝が話しかけてきた。
「お前なぁ。入学してから2ヶ月で2回も女子に嫌われるような事して、楽しいか?」
あきれた様な、また、どこか説教をする様な口調で、俺に物申してきた。
「俺は間違ったことはしていない。つもりだ...。後悔をしていないと言ったら嘘になるが、やらなかったら良かったとは思ってない」
その言葉に俺の全てが詰まっていた。
「まあ、藍微がそう言うんだったら、俺から言える事は無いか...。ただな、無意味に嫌われる様な事はするなよ。これは説教じゃなくて、警告だ。当然、敵は少ない方がいいし、味方は多い方がいいからな!」
これはこいつなりの友情なんだと思う。
「わかってるよ...」
素直に感謝するより、こういう言い方の方が俺にも古枝にも合ってる。ちょうどいい距離感だ。
「ま、気をつけろよ!」
「お前もな」
「俺は心配ねえよ。彼女いるし」
古枝のその一言で教室は静まり返った。
「ふぁ⁈」
変な声が出てしまった。