狩人との出会い
2070年__最先端科学技術の発達、人類は電脳世界と現実世界の行き来を可能とする。
2117年__地球全体に、人類の天敵が出現。
人類は絶滅への一歩を辿る。
2118年__人類、絶滅危惧種への認定。
そして2120年____
「はぁ…っ…はぁっ……。」
荒廃したビル街。鳴り止まぬ足音。
__鳴り響く鉄の悲鳴。
「くそ…ッ、しつこいな…!」
定められた弾道を外れ、物陰へと身を隠す。
荒んだ息を抑え、軽く握っていたフォトンブレードを強く握り締めた。
耳を澄ます…全身に音がぎりぎりと錆びた錐のように刺し込んでくる。
一歩一歩確実に歩みを進めてくる、狩人の居場所を足音頼りに、脳内で作り上げたマップへと位置刻み込んでいく。
「ここだ……ッ!!!」
物陰から飛び出たその刹那、直前まで来ていた狩人へと右手に握り締めた光剣を振り下ろす。
__振り下ろされた斬撃は銃口を掠め、銃を無力化する。
狩人は無力化された武器を捨て、ナイフを引き抜いた、しかし俺はその数秒を見逃さない。
獣の様に研ぎ澄まされた感覚をフルに使用し、狩人が構えたその数秒に数多の斬撃を引き抜かれたナイフへと叩き込む。
砕け散るナイフを横目で確認すれば、刃を狩人の首筋へと向ける。
「……フードを取れ。」
目の前の者へと、言葉を投げる。
狩人は、何の抵抗も見せずに…フードを取った。
「これでいいっ……?」
黒いフードを取り、透き通るように綺麗な白髪を顕にし、吸い込まれそうな蒼色の瞳で狩人…いや、彼女が俺を見る。
「女…?」
「そうだよ、悪い…?」
それが彼女との出会いだった。