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異世界日本奮闘記  作者: 暁海洋介
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第五話 新大陸の出現

 どうもです。海軍士官です。なんかいつの間にか2000PVアクセスしていただいてました。ありがとうございます。つたない文章で申し訳ないです。そんなわけで、今日も新話出します。完結までどうか見捨てないで温かい目で見てください。それではどうぞ。

――日本海 海自護衛艦みねゆき――

 移転後、三か月。すでに冬も近づいてきている。北の方では例年通り、雪が降っている地域もある。そんなある日のこと。みねゆきは定時哨戒に当たっていた。この当時、護衛艦の多くは佐世保や呉をメインとして活動していた。自治領諸島調査作戦や内乱事件に巻き込まれる形で接触したマグチッタだけでなく、その南にはマグチッタと昔から交流のあるサウザンディアという大陸があり、マグチッタが落ち着き始めると、同国を通して接触。つい最近になって国交を樹立したばかりであったからだ。それまで中小国がいくつも乱立していたサウザンディアは最近になって連邦制を取りはじめたばかりで日本と国交を正常化させていく交渉もかなり急ぎ足にしたとはしているが、マグチッタの時よりはだいぶ遅かった。

 それゆえに南の方が脅威度は高く、ほとんどは南向きになるよう戦力が集められたのである。しかし、他にも転移してくる国家があるかもしれないと踏んだ政府や防衛庁(後に省になるが昇格したのはさらに三カ月後のことだった)は日ソ戦以来の有力な部隊である第三護衛隊群は編成をほとんどいじっていなかったのだ。だから日ソ戦の武勲艦の1隻であるみねゆきも舞鶴を定係港としたままなのである。

 そんな状況下において、みねゆきは日本海上を行く不審な航空機をレーダーで捉えた。ただ、その機影にレーダー士官は既知感を覚え、不安はあるが恐る恐る報告した。

「艦長。こいつ、何だかスターファイターに似てます!」

「何? とりあえず警報出せ。空自にスクランブルを要請しろ。なんかあってからじゃ遅いからな」

「了解です」

 みねゆきから連絡を受けた小松基地のF-15戦闘機が発進した。この当時、F-15は最新鋭の機体で、日ソ戦でも活躍した主力戦闘機である。当然のことながら戦争による減耗分も多く、追加で生産が認められていたが、今回の転移以後、本元から輸入できない分が増えることが確定し、日本は戦闘機の国産化を目指すこととなり、最新鋭機であるF-15も一部が試験名目で改装を受けていた。


「こちらは日本国航空自衛隊小松基地所属第306飛行隊である。貴機は我が国の領空を侵犯している。官姓名と所属を答えたうえで立ち去るかこちらの誘導に従って我が方の基地へ来るかを選択せよ」

スクランブルに出たパイロットは眼前に見える不審機はつい数年前まで稼働していたF-104スターファイターそのものであることに驚きながらも交信を試みていた。

 英語、中国語、朝鮮語、ロシア語で呼びかけるが応答していない。無線周波数を何度も変えるがヒットしない。最近交流を始めたばかりの国々と外交官とのやりとりの結果、判明した事実を思い出したパイロットは、もしやと思い、日本語で呼びかけた。もちろん、前の世界じゃこんな言い方はしない。だが、いきなり攻撃することは望ましくないし、現在の状況では新たな国家が転移してきているものと考えた方が早いからだ。したがって新国家であることが確実であるためこのような形で呼びかけているのだ。

 すると……

「こちらはミッドランド空軍第8航空艦隊所属第508飛行隊、アルフレッド=ガーランドだ。階級は中佐。貴国領空に誤って侵入してしまったことに対し、詫びさせていただく。状況確認のため、貴機の提案通り誘導に従って、貴軍基地で話し合いたい」

 なかなかに素直な返事が返ってきた。冷静な相手で助かったとパイロットは思った。基地に連絡を終えるとそのまま2機は編隊を組んで小松基地へ向かった。


「ミッドランド空軍第8航空艦隊所属第508飛行隊パイロットのアルフレッド=ガーランドだ。状況確認がしたい」

 小松基地に降り立った不審機にやっぱり基地の地上要員たちも驚いた。そんな機の中からドイツ人っぽい容姿をした長身の男性が降りてきた。監視のため基地の警務隊の者が一緒に歩いて司令部へ向かう。そこでガーランドは初めて聞く国、ついこないだ上がったばかりだというこの世界における人工衛星からもたらされたという地図によって自国のある部分が大きく変わってしまったことを知らされることとなった。その後、やってきたその日のうちに、地図とわざわざ面会してきた畑中首相との会談など、いくらかの話を手土産に彼は自国へ帰国することとなった。それが新たに西に現れた大陸の人間との最初の接触となった。


「ニホン? なんだその国? はじめて聞いたぞ」

 ミッドランド共和国大統領ヘルマン=ウォーニングは甥であるガーランドが戻ってきたと聞いてわざわざ基地へ出向いてきた。

「我が国のすぐ東にある国だよ。どうやら我が国はおとぎ話のような世界に来てしまったみたいだ」

「笑えんな。衛星が使えない原因が異世界へ飛ばされたなんてな。しかも向こうも衛星が使えていた国で、同じように飛ばされてきたが、ようやく立ち直り始めて衛星を打ち上げなおしたそうじゃないか」

 好物であるコーヒーを飲みながらウォーニングは話を聞いていたが、ある程度、話が終わると感想を述べた。

「でも、オジキ。笑えないことにうちの最新鋭戦闘機が向こうではもう旧式で退役したそうだってさ。この分だと、陸軍や海軍のも連中から見りゃ、旧式かもよ。連中が交易を申し出ているわけだし、乗った方がいいぜ? この世界に居るのは向こうのほうが長いし」

「そうだな。隣のアストリアが一緒だから経済的には自己完結していてまだ大丈夫だが、いかんせん情報不足だ。この世界について早く情報が欲しい。ワシ自身が行こう。議会にはワシから話す」

「頼むぜ。オジキ。軍にとっちゃ、自軍最新兵器が向こうにゃ旧式だったなんてシャレにならんからな。こんな状態で万が一攻められでもしたらいくら向こうが島国でも敵わんから」

「わかった」


「それで、ミッドランドへはいつ派遣できるようになるんだ?」

「先日の連絡の結果、こちらから出向くことは了承したうえで、2週後だそうです。なお、先導役として先日来たガーランド中佐を含む機が来るそうですが、よろしいですね?」

 後日行われた閣議で内閣総理大臣、畑中義彦は防衛庁長官と外務大臣に問うた。帰国したガーランドには交易のための交渉をしたいとして親書を手渡した。その結果、ガーランドが自ら大統領に手渡して、固国交樹立に向けた動きが始まった。当初は、ウォーニング自身が来る予定だったが、国内の不安を抑える必要があることを考え、日本側が出向きたいと要請した。すると、向こう側は感謝するとともに受け入れについて速やかに準備すると伝えてきたのだ。

「よろしい。こちらもそれなりに準備できる期間はある。しっかり頼むぞ」

 関係の閣僚たちが退出し、併せて閣議も終わった。新大陸との外交交渉は2週間後となり、交渉にはかつて、駐独大使を務めた経験のある三島孝が選ばれた。この後、日本はこの世界に来て以来三カ国目の貿易相手を獲得することとなる。

 空戦を期待してましたか? そんなわけありません。余談ですが、ミッドランドの技術レベル的には60年代に相当します。そのうち、設定集でも上げるつもりですが、これは別枠にしようと思ってます。本編の途中にそんなん上げても萎えちゃいますから。というわけで、相変わらずグダグダですが、よろしくおねがいします。では、また次話でお会いしましょう。

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