表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

エッセイ

駐車場にて 〜駐車マスと2025年を振り返る〜

作者: 蘭鍾馗
掲載日:2025/12/08

 道の駅に入る。

 空いた駐車マスを見つけて車をバックさせる。


 最初は後ろを振り返って、リヤウィンドウ越しに見ながら車をバックさせるが、一度切り返したら、これを早々に諦め、窓を開けて首を出して、駐車マスの白線を目視しながら車を下げる。


 何してんだよ、って?

 オヤジバックだよ。最近はそう呼ぶらしい。


 実は私の車、真後が見えにくいのである。トランクが少し高いせいで、車内から後ろを振り返っても、駐車マスの白線は全く見えない。

 バックカメラ?そんなものは付いていない。


 こんな時、23年目の付き合いになる私の車は、私に向かってこう言うのである。「後ろなんか振り返ってんじゃねえよ。人生は前見て走るもんだろ。」って。


 何様だよ偉そうに。

 でも言ってることは正しいのかも知れない。


 ◇


 今年の夏、私は現場で調査の最中に左脚が激痛に襲われ、病院で「脊椎狭窄症」と診断された。そのついでに受けた内視鏡検査で大腸がんが発覚して手術した。そしたらさらに、その際に心臓疾患が発覚した。


 いきなりの三重苦である。冗談だろ。


 でも、脊椎狭窄症は、治りはしないものの取り敢えず治まり、大腸がんも転移はなく手術で全部とれた。心臓も服薬しながら、まあ今のところ普通にやれている。


 あんまり問題解決にはなってないけれど、取り敢えず今までと同じ日常は戻って来た。ただし、私の目の前には、冬の日差しに背後から照らされて、この3つの病気の影が常に目の前に見えている。だがこの影、少なくとも大腸がんに関しては、あと5年くらい無事に走り続けると消えてくれるらしい。


「ほーら後ろを振り返る必要なんかないだろ?」


 うっさいわ。

 でもまあ、そう言う考え方もあるかも知れない。


 ◇


 考えてみれば、2022年の前厄の年末にメガネのレンズを落としてから、本厄、後厄と3年連続でトラブル続きだった。その大半は「ものが壊れる」というものだったが、車とか家とか大物も壊れるしシャレでは済まない出来事も沢山起こった。


 あれ?厄がまだ落ちてないのかも。


 ◇


 まあいいよ。このまま走って行こう。

 後ろの見えない車で、前を向いたまんま。


「どうせ振り返っても、駐車マスの白線なんかみえないんだからな。」


 まあ、言わせておこう。

 と言うか、なんか反論もできないのである。


 皆様、良いお年を。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
2025振り返り企画をめぐってます。 たのしく拝見させていただきました、ありがとうございます。 え、あれオヤジバックっていうんですか? 2026年、いきなり面白いこと学ばせてもらいました。 おから…
企画からお邪魔させていただきました。 大病、お疲れ様でした。年齢を重ねると、どうしても身体のあちこちに不都合が出てくるものですが、いきなり三つも重なるとそれは不安で辛くなるものですよね。なのにそれらの…
はじめまして。 企画から参りました。 すごくかっこいいエッセイだなと思いました。 ご病気、不幸中の幸いが続いて、5年間が無事に過ぎると良いですね。 おやじバックですか。 私の若かった時代は、かっこいい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ