若さに飢えた女の話
女の子だもん。シワシワの、見窄らしいオバサンになりたくないーー
「見窄らしい、ですか…」
「!?っ…誰ッ?!」
「おや?コレは失敬。私、“時間泥棒”と申します」
声の持ち主の方へ振り返るーーも、其処には誰も居ない。
「……気のせい…?」
「如何やら、“ネズミ”に見えてるみたいですね」
「!?」
声のする方へ目を凝らして見ると、一匹のネズミが居た。そのネズミは、ジッと此方を見詰めているみたいで、もしかして警戒しているのかなぁ、と思っていると、「お美しいですよ」と言ってきた。
ーーさっきの声だ!
ネズミが喋る事に驚きつつも、それ以上に無神経な発言を向けられた事に怒りを覚える。
「“現在は”・でしょ?」