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怪奇十三話  作者: 杉勝啓
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第六話 醜い女

今は昔


有徳の僧がいました。


ある時、僧はある豪農の家の娘が何かに取り憑かれているので祓ってくれるよう、頼まれました。

その家に行くと、その娘は暴れたり、奇声を、あげたりしていました。

僧が経を唱えると醜い娘の霊が現れました。

「私の邪魔をするのは誰」

「話しておくれ。そなたがこの娘にたたる理由を。全うな理由なら、もう。そなたの、邪魔をしない」

「では、話しましょう。かって、私はその娘の父の妻でした。あの男は私の家の田畑を、目当てに婿入りしたのです。こんな醜い私と結婚してくれたのですから、心をこめて尽くしました。ですが、あの男は私が醜いと言う理由で、虐げたのです。そして、あげくの果てに近くの淵に沈めて殺したのです。醜いということは殺されなくてはならないほどの罪なのでしょうか」

「そんなことはない。だが。そなたがたたっているこの娘にも罪はない。どうか聞き分けてくれまいか。そうしたらそなたの成仏を祈り、次の世では良き人々に、出会うよう、祈ろう」


娘の霊は、消えました。


がたがたと震えているのは娘の父でした。

「わ、、、わしはどうすれば」

「どうか、ねんごろにあの霊を弔うことです」


前非をくいた男は、仏門に帰依し、娘に取り憑いた、かっての妻を弔い続け生涯を、終えました。


おわり

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