初夢
ああーもうー、今年になってまだ2日目それも早朝だと言うのに気分は最悪。
理由は今朝見た初夢が最悪だったから。
着替えて顔を洗い、朝食を頂くためテーブルの前の椅子に座る。
見渡すとお母さんも双子の弟も私と同じように顔色が悪い。
笑顔なのはお父さんと去年の暮3歳になった妹だけ。
うちの母方は占い師の家系、見た夢が100パーセント近い確率で正夢になる。
その能力を買われ母方の本家の主は代々、歴代総理大臣の相談役を勤めていた。
だから見た初夢が予知夢にならないかと思い、気分が最悪なの。
お父さんの「いただきます」の後、家族全員が「「「「いただきます」」」」と言って食事が始まる。
食事を始めても夢の事が気になって箸でお雑煮の餅を突っついていたら、笑顔の妹が話し始めた。
「ネエー、きいて! きいて!
アタシねー、一ふじ二たか三なすびのはつゆめをみたんだよー」
「ホー凄……」お父さんが何か言いかけたけどそれを打ち消す勢いで、私とお母さんと弟が「「「どんな夢だった?」」」と妹に問いかける。
「うんとね、ふじさんがドカーンってふんかするゆめと、たかのえがえがかれたミサイルがうちあげられるゆめと、きょねんおねえちゃんがおしえてくれた、なんとかっていうなすかのしょくぶつがかけずりまわっているゆめをね、たてつづけにみたの。
なにかよいことあるのかなー」
私が見た初夢と同じだ。
お母さんと弟も同じ夢を見たらしく、「「同じだ」わ」と呟いている。
もっと詳しく言うと、突然富士山が噴火して登山客や観光客が噴火に巻き込まれ吹っ飛ばされ、噴火した火口から溶岩が溢れ出し富士山の周辺市町村が飲み込まれて行く夢。
核ミサイルを玩具にしている半島国の独裁者に鷹と名付けられた核ミサイルが、海の向こうの大国の西海岸の大都市に着弾して海の向こうの大国と半島国との間で核戦争が勃発する夢。
茄子科の植物であるマンドラゴラが空を見上げながら悲鳴を上げ、逃げ惑う夢を見たの。
お母さんと弟も同じ内容の初夢を見たらしい、どんどん顔が青ざめて行く。
正夢じゃ無いよね? 偶々母方の血を引く4人が初夢で同じ夢を見ただけだよね?
ね? ね? ね!