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もう一人のエルフの王子

今回は、少し少なめの文章になっております。

楽しいんで頂けると、嬉しいです。

山々の自然に守られて、外界から隔離されたような場所にエルフの里はある。

里の周りは全て高い、高すぎる山々に囲まれていた。

自然と共に歩んでいくのが、エルフの歩んできた道。

緑豊かな里を守り継続していく事を、エルフは望んでいる。

永い年月を生きるエルフにとって、人間の進む進化、文明は相容れないものになりつつあった。


エルフの里の奥深い場所に、立派な建物がある。

その一室にユアはいた。

正確には、その一室のベッドの上で横になっていた。


失敗した。

エルの背中は快適ではなかった。

エルフの皆んなは、モモンガか何かなのだろうか。

木々の枝から枝へと飛び乗って、移動していた。

あれは、風の精霊の力?

エルも巨体をものともせずに、同じように移動しようとした。

いや、背中に可弱気乙女が乗ってますが?

落ちたら、死にます。

高いとこも無理なので!


はい、文句、、、意見は言いました。

結果、木々の上ではなく地面を走ってはくれました。

速すぎです。

馬車酔い、違う。

フェンリル酔いしました。

気持ち悪い。

自分で歩くのも地獄、エルの背中も地獄。

私には、エルフの里へ気軽に遊びに行ける場所ではなかった。

覚悟しての訪問になることが、判明しました。

獣人の里も同じような気がする。

やはり、大人しく自分の屋敷に引きこもろう。

一番安全なことが分かったわ。


「情けないですね。人間とは、なんて非力のくせに傲慢なんでしょう。エルフの子供より、何もかもが劣っています。こんな人間の世話をなぜ私がしなくてはならないのか。まったく、信じられない。」


そうです。

何か報告?話し合い?があるらしく、サージはここにはいません。

変わりに美しい侍女を、お世話係につけてくれました。

全くいい迷惑です。

美しいバラには棘がある、の言葉を体現したような性悪です。

まともに世話もせずに文句ばかりで、逆に疲れました。

人選、エルフ選ミスだと思う。

エルフの王子の前では、気持ち悪いくらい甲斐甲斐しくお世話されました。

皆んないなくなったら、放置と文句だけの女となりました。

、、、二度と来るもんか。

なにが悲しくてこの女の文句を子守唄に、寝ないといけないんだろう。

気持ち悪い、心身共に。

やはり、寝よう。

疲れには勝てません。


エルフの里には、エルは入らなかった。

別に拒絶された訳では無いけど、なんかエルの方が拒んでる?

何かあったのか。

でも、サージとは仲良しみたいだしよく分からないな。


「おっ、目が覚めたか?疲れてたみたいだな。サージから聞いてるし、トキからも報告を受けている。」

「トキ?誰?」


控えていた侍女が、ニコリと爽やかな笑顔で答える。


「イヤですわ。私のことです。王子の従姉になりますわ。ご挨拶しましたのに、お聞きになっていなかったのかしら?」

「そうなのか?トキに聞いたら里の事はよく知ってるから安心だろ?流石に、俺は男だから気がきかないからな。トキなら安心だ。鈍臭い、お前の世話を任せて申し訳ないがな。」

「イヤですわ。どのような下賤な者でも、隔たりなくお世話させて頂きます。お任せ下さい。」


2人が見つめ合って微笑みあっている。

あら?

私、2人に凄く馬鹿にされてない?

馬鹿に馬鹿扱いされたのが、何よりもイヤなんですが。

バカは、性悪女に好意を持ってる?

私は大嫌いだけど、そうかバカは悪趣味なのね。

友達?だけど、あまりにも嫉妬されるなら距離をおこう。

そうです。

このバカは、サージの兄の一人で同じように銀髪碧眼の美形ではあるの。

兄弟だから少し似てるかな?

名前は、ケイだったかな?

なんか、下賤な女と馬鹿にされ続けて馬鹿としか呼ばないから、名前を忘れるとこだった。

私も馬鹿って言って殴られそうになったわ。

その時は、兄とサージが逆にバカを殴っていたけどね。


「あっ、楽しい雑談中にごめんなさいね。ケイ、私この人の世話にはならないわよ。」

「は?なんで?」

「一人でいたいし、本人も世話したくないみたいだし、裏表のある人私、大嫌いなの。」


2人の顔色が変わったわね。

何も言わないとでも思ったのかしら?

バカね〜。

エルフの長が、客である私に影を付けない訳ないのにね〜。

見張る為にも、守る為にも絶対に影がいる。

まっ、私の場合は、守るのが主ではあるかな?


バカ2人が、バタバタ足音たてて出て行ったわ。

疲れをとりたいから、もう少し寝ましょう。


数多い小説の中から選んで頂いてありがとうございます。

良ければ いいね を押して頂けると嬉しいです。

作者のモチベーションが上がります。


『姫として転生しましたが、待遇がよくありません。平民としてやっていこうと思います』

も投稿しています。

よかったらそちらもヨロシクお願いたします。

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