新しい門出
ギリギリ投稿は変わりませんが、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。
永い永い時間が多分過ぎたと思う。
母神は、鬼だった。
父神の方に頼めばよかったと思ったけど、久しぶりに会ったエルを見て考えを改めた。
あの夫婦神は、鬼だった。
≪フ〜ン、僕の呼び名がエルになったように、ユアはユアに落ち着いたんだ。真名も刻まれてるね。≫
あんまり私から見たらエルの成長?変化は分からないなぁ〜。
多分ううん絶対に私と違って神子から神になるより、使徒から神になる方が難しい。
エルは、自分で使徒になることを選んだから尚更ね。
でも、エルは私より先に修行を終わらせてる。
私が、神になるまで待ってくれてる。
一緒に神に昇格する為に。
本当に、私の半神は優ししい。
≪エル、もう少し待っててね。、、、いつもありがとうね。≫
私の言葉に少し驚いた顔をしている。
フフフ、そうエルが人の形をとってる。
父神と同じ髪と眼の色、顔立ちも似ている。
エルは3番目の最高神になると思う。
≪全然。だって僕はね、自分がしたいようにしてるだけだから。使徒になりたかったのも、今は神になろうとしていることも、ね。≫
エルは、子供っぽいとこがあるけど、私達兄弟三神の中で神力はずば抜けている。
私みたいに不純な動機でない分、立派な神なれると思うの。
私は、やはりあの落ちし神と同じように、あの世界に囚われすぎの傾向があるからなぁ。
≪何を考えてるのか分かるけど、僕はね一番にユア。次に黒が大事なの。親神は、心配もしないけどね。だから、神になる以上目指すは最高神。ふふ、兄として守らなくてはね。さて、偶然にしては出来すぎなユアとの再会。全く、ばか親には負けるなぁ。、、、じゃ〜ね、今度は神への昇格の時に会おうね。≫
エルが、父神が待つ空間を目指して転移していく。
そうだよね、私も頑張らなくては。
少し疲れとか、寂しさが出たのか心が疲れ始めていたから親神達のサプライズなんだろう。
フフフ、いつまでも馬鹿親なんだから。
≪エル、私も頑張る!今度こそ、次に会うのは神へ昇格した時だね。≫
誰もいなくなった空間に向かって話しかける。
勿論、返事はない。
でも、エルには届いていると思う。
私は、もう一度大きく深呼吸して、母神が待つ空間に転移した。
あれからどれくらいの年月がたったのか。
見た目は30歳前後に見れるまで成長したサージが、エルフの長が住む屋敷で窓から見える景色を眺めていた。
ユキは勿論のこと、ケアも死後の世界に旅立った。
多分、俺がこの世から居なくなるまで転生しないような気もしてきた。
正直、年々年老いていく親友達をみて、寂しくて仕方なかった。
エルフの一生は、500年が平均だ。
それも自分のもつ力に比例するようで、私の生命は中々長いようだ。
この世界の人の記憶からユアの事は、忘れられていた。
覚悟はしていたが、3人でしか記憶を共有していないのは悲しかった。
だが、忘れられたユアの方が悲しいだろうなぁ。
俺は勿論、生涯を独身で過ごした。
大きなお世話なんだがよく見合いを進められた。
今でも進める馬鹿がいるが。
正直、人間のように我が子を後継者に選ぶなら、長にはなっていなかった。
でも、力で次代を決めるエルフだから俺は長になることを了解した。
一人残されたが、さすがにもうすぐ迎えが来るのが分かっていた。
一人になってから、長い年月を過ごしたが、ようやく皆が待つ場所に行けそうだ。
エルフは若い外見のまま、この世から消える。
「ユアめ、俺の生きてる間に神に昇格できなかったな。フッ、仕方ねぇ。来世に期待するからな。俺もそろそろ迎えが来そうだ。」
それから、数十年後ようやく俺の番がきた。
次代も育ったので、この里のエルフの心配はしていない。
ようやく重責 から解放された気分だ。
俺の寝ているベットには、沢山のエルフ達が囲んでいた。
悲しむ必要はない。
俺は先に逝った親友に会うために、逝くのだから。
俺は、そっと目を閉じエルフとしての長い生をようやく終えた。
≪ヤッホ〜、お久しぶりね、サージ。≫
「「遅い!」」
そこには、俺が唯一と決めたユアがいた。
ユキとケアも一緒だ。
なんだ、俺だけが仲間はずれかよ。
「持たせたな。だが、お前達の姿は10代の頃か?俺だけが、ジジィかよ。」
皆の姿に、少し嫉妬するな。
≪何言ってるの、魂だけなんだから自分のなりたい年代を思い出しなさいよ。一人だけ、ジジイよ。全く、折角わざわざエルフの里まで迎えに来たのに。≫
そう、俺の足元には死んだ俺に縋るように泣く、次代達がいた。
下は号泣しているエルフ達。
上は、笑顔のユアとユキとケア。
凄い空間だな。
「なるほどね。でも、もう少しこの姿でいるわ。」
俺のために悲しんでくれてるからな。
姿は、いつでも変化できそうだし。
≪好きにすればいいわ。さて、一度神界に行きましょう。それから、転生の準備に取り掛からないと。≫
ユアが何ともないように、軽く話す。
「神になったのか?」
私の質問に、笑顔で答えた。
多分、俺達に合わせて神力を最低限まで落としてくれているんだろう。
そうでなければ、マトモに話すことが出来ない可能性もあるしな。
≪さて、三神になった最高神と、私の大切な使徒が待ってるわ。行きましょう。皆が、待ってるわ。≫
俺は、懐かしい親友達と目を合わせ頷く。
「「「了解!」」」
新しい世界がまた、始まる。
今までおつき合い頂きありがとうございました。
何とか、最終回まで書けました。
初めての連載で、読みにくかったと思いますが、応援ありがとうございました。
気が向いたら外伝を書くかもしれませんが、今は、考えていません。
本当にありがとうございました!
また、次の作品で会えると嬉しいです。




