覚醒①
何とか魔族領篇も終わりそうです。
クライマックスにむけて頑張ります。
長い長い夢の中にいた。
ここは私が住む神界。
美しい花々が、白の世界に色を付けている。
そびえ立つのは、白亜の宮殿。
遠い地からも確認できるほど、大きい。
この神界でも、一際大きく美しい最高神の住まいし神殿であった。
最高神は、どの神より美しくまた、神力では誰も足元にも及ばないほどであった。
美しく微笑みを絶やすことはなかったが、優しいだけの神ではないことを皆知っていた。
<兄上〜、私も管理者になりたい。>
私は誕生してからずっと側にいる、兄上、フェンリルの姿の兄に話しかけた。
人の姿にもなれるが、兄はフェンリルの姿がお気に入りで、滅多に人の姿にはならなった。
その影響か、私も不死鳥フェニックスの姿である。
私は、紅色の羽が好きだ。
瞳だけ、兄と同じ金色をしているが。
<ん〜?あれ?使徒になるのはやめたの〜?>
<あれ?使徒だと管理者になれないの?>
<無理だね〜。、、、は〜、神になるの〜?僕はね〜、神にはならないよ〜。父上と同じにはなりたくないし〜。僕はね〜、自由でいたいからね〜。>
兄は、父上に負けない神力がある。
つまり、新しい最高神が誕生する。
今、この神界には、最高神は二神しかいない。
父上と母上、私の両神だ。
他にもいたらしいが、長い生の中で世界に飽き、自ら消失の道を選んだようだ。
兄は父上の、私は母上の神色を色濃く引き継いでいた。
<う〜ん、私は、親神を助けたい。>
そう、最高神が二神しかいないために、色々と忙しそうなのだ。
決して、一緒に居たいからではなく、手助けをしたいのだ。
<ふ〜ん、いいじゃないの〜?喜ぶよ〜。僕は、パスだけどね。>
兄は、自分と似すぎている父神に、反発していた。
というか、兄が使徒になったら父神が喜ぶだけだと思うけどなぁ。
だってあの父は、自分の溺愛する神子を手元に置きたいんだもん。
兄も気づいてると思うけどね。
自由でいたい兄と、手元に神子を置きたい父、利害は一致しているけど素直に、手を取り合うことは出来ない天邪鬼な二神なのよね〜。
<一度、他の神の管理している世界を見てみたい。私が行くことを、あの二神は許してくれるかな?>
<いや、無理だろう。許可がおりると思っているのか?あの我儘な二神だぞ。無理だな。特に、娘神を溺愛している父神が許可する姿が想像もできないな〜。>
、、、よし、黙っていこう。
許可取らなくても、すぐに帰ってきたら、大丈夫だよね。
うん、そうしようっと。
まさか、少しだけの冒険のつもりが、世間知らずの心を闇に染める出来事になるとは、思いもしなかった。
今更な話だけどね。
ほんの少しのお出かけが、長い長い年月になってしまった。
≪お目覚かな?わが愛しい姫よ。≫
くすぐったい、半笑いな懐かしい声が聞こえる。
私は、ソッと目をあけた。
思った通り、私の大好きな半神がそこにはいた。
相変わらず、人の姿には抵抗があるみたいで安心する。
≪お待たせ。随分と長い長い素敵な夢をみてたよ。≫
私の言葉に、溜息をつく。
何よ、感じ悪いわね。
≪あのな、皆を心配させるなんて駄目だぞ。ハーッ、お前は愛し子として何回も転生繰り返すし、段々私達の意図としない話の内容になる。、、、なぜ、あの時一神だけで行動した?せめて私に話してから、行動していたらこんなややこしいことには、なってないと思うぞ。≫
そうだよね。
それは、よく分かってる。
私は、黙ってある世界に旅をしに行った。
どうせなら人間に変身して、神の目ではなく、地上からの目で見たくなかったのが間違いの始まりだった。
警戒心のない私は、人間に騙されたのだ。
最初は驚きしかなかったけど、自分で7日間神力を使えなくしていたのも失敗だった。
良い人も勿論いた。
でも、私の見た目も悪かった。
金の目に紅色の髪、元が神子なんで顔立ちも整っていた。
隠しもせずにそのままの姿で、街中を経験心もなく歩いていたのだ。
アホすぎた。
案の定、奴隷商に捕まり売られる寸前に、兄が見つけ、助けてくれた。
でもその時は、既に心はボロボロ。
≪兄上、ありがとう。あのまま神子に戻っていたら確実に、自分の心の闇に負けていたわ。≫
そう、このまま封印を解くのは落ちし神の誕生を意味するほどに、私の心は闇に染まっていた。
親神や兄の言葉にも耳を傾けない。
父神が決断をした。
最高神として、まだ親神としてこのまま落ちし神にするわけにはいかない。
神子としての神力が強いのも、勿論大外的の理由として言い訳もできた。
私の封印に、父神と兄がより強力な封印とした。
落ちし神としての、闇がなくなるまで封印が解除されないように、より強力に。
私は何回もの転生を繰り返し、ようやく闇を消せた。
勿論、親神や兄の助けは大きい。
でも、再び私に優しさを教えてくれたの私が落ちし神になりそうになった世界の住人だった。
私の一つの我が儘が、歯車を狂わしてしまった。
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