魔族領に向けて③
魔族領に次こそ、突入します。
「さて、いよいよ魔族領に明日入る。落ちし神の動向、目的を探すのが今回の任務になる。」
竜の里を出発して、三回目の野宿の夕食の時に兄が話し始めた。
流石に年長者であるし、まとめ役として頑張って欲しい。
「魔族領の部族長の舘か、神殿か。サージ、どちらにいると思う?今回は人数的に別れない方がいいと思うだが、皆の意見も聞きたい。」
兄の発言により、まずはサージが答えていく。
「そうだな。落ちし神は、多分神殿の奥に居ると思う。ただ、動向、目的を探るには二人ずつがいいじゃないかな。使徒様には、それぞれに同行してもらうことになるけど。」
サージの言葉にを受けて、兄が仲良し使徒の方を見る。
「私とケアには、黒竜殿。サージとユアには、エル殿に同行を頼みたいですが、大丈夫でしょうか?」
≪ん〜?大丈夫だよ〜。でも、今回は僕と〜、黒の同伴者を交代させようかな〜。≫
ん?意外な発言ですな、エルさんよ。
愛しき愛し子と、離れるのかい?
≪フフフ〜、だって黒と落ちし神って〜、黒って優しいから〜、負け負けなの〜。≫
エルの言葉に皆は納得してるけど、私は違うわ。
「黒さん!」
≪なんだ?ビックリしたぞ。≫
私は、エルの意見を聞きながら、なにか考え事をしている黒さんに話しかける。
「落ちし神は、自分の闇に負けたの。黒さんの責任ではないわ!神力では、絶対に負けないのにいつまで守られてるの。一歩を出しなさい!」
≪≪「「「、、、。」」」≫≫
なんだろう。
皆の沈黙が怖いんですけど。
何か間違ったこと言ったかな?
うん、言ってないよね。
「皆して、どうしたの?」
≪ユア〜、∆∆∆∆∆∆〜。≫
なになに、エルの言葉が全くわかりませんけど?
どうしよう。
「お兄様〜、エルが言葉が話せなくなったわ。どうしよう。ねぇ、どうしたらいいのかしら?」
「いや、忘れたのではないと思う。安心しなさい。」
「でも、理解不能なんですけど。、、、元からそうかもとは思っていたけど、エルが馬鹿になったのかしら?」
私はエルのそばまで歩いていった。
そして優しく抱きしめる。
「エル、バカでも大好きは変わらないからね。」
≪ユア殿、エル殿は言葉を忘れたわけではないとおもいますよ。≫
私とエルの感動のハグに、水を差さないで、黒さん。
≪う〜ん、今のは神界の、神々の言葉ですよ。≫
何だそれ。
ヤダ、神々の言葉ってなに?
神も女神様も、話してる言葉が理解出来ましたけど。
≪そうですね。基本。いろんな世界を神達は管理しているので、数え切れない言葉が存在しているでしょう。その言葉一つ一つをおぼえる事は不可能です。だからその地その地の言葉を、神力で理解して話せるようになります。この世界にも、その地での言葉があるように神界にも言葉あります。その言葉は、神々にしか分からないでしょうね。≫
なるほどね。
納得は出来るけど、その言葉を今どうして話したのかしら?
エル、ボケた?
≪失礼なの〜、ボケでないの〜。≫
「なら、どうして神の言葉を話したの?変なの。」
まっ、今更なんだけどさ。
なにか不安なのか、サージが恐る恐るって感じで聞いてきた。
「ユア、今の言葉理解できなかったのか?」
「勿論だわ。サージはわかったの?」
「いや、俺には分からない。俺だけじゃーない。ユキもケアも、理解できない。」
「私も、できないよ。」
何だろう、皆がホッとしたのを感じた。
そんな時、ケアが明るい声で話を元に戻してくれた。
「その話は終わりましょう。明日に向けて、早く寝なくちゃ。魔族領に入ったら一先ず、族長の舘と神殿を目指しましょう。」
「そうだな。サージもユアもそれでいいな。」
「「了解。」」
私達は、他愛ない話をしてから眠りについた。
≪サージ、もう封印が解けかけているの〜。≫
ユアとケアが、眠りについたのを確認して話し合いを開始した。
「、、、再び封印を強固にしては頂けない?」
俺、サージの言葉にエル殿が答えてくれた。
≪残念だけど〜、無理なの〜。最高神である神も、封印を手伝ってくれたの〜。それを解除されるともうすぐお手上げなの〜。≫
「つまり、、、。」
エル殿の言葉をうけ、ユキが話す。
だが俺同様、顔色がわるいけどな。
聞きたくない言葉を、エル殿が話す。
≪もうすぐ〜、僕の半神が戻って来るの〜。それは〜、誰にも止められないの〜。≫
俺の手から、宝物がすり抜けようとしていた。
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