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サージの心からの願い

今回は、ちょっと暗めです。

サージのお話になります。

私はその日、ケアと一緒の部屋になり色々とお話、、、ケアの意味が分からん恋バナを聞かされて寝落ちした。

色んな情報がいっぺんに入ってきたし、ユニコーンさんの背中とはいえ、ずっと森を移動していた疲れもでたとは思うけどね。



「やはり、来ましたね。」


私、サージは、ユキと一緒に洞窟の外で待っていた。

使徒であり、ユアの半神でもあるフェンリルを。


≪ハ〜ッ、記憶が戻ると厚かましさが倍増するのぅ。我は、黒と遊びたい。≫

「相変わらずですね。」

≪我の関心は、この世界にはないからな。ユアが、我が半神がこの世界に固執しとるだけだ。ま〜、我も長い付き合いになった、そなたたちには愛着はあるがな。≫


そう、本来ならユアは激弱などではない。

もしかすると、この目の前のフェンリルと同様の神力があるのかもしれない。

女神様は、ユアの心情を考えてあえて、下位の神力位しかないとおしゃったんだろう。


本当に、ユアと会ったのは偶然なんだと思う。

軽い気持ちで、この世界にユアが降り立った時、この二神らしいが鬼ごっこをしてユアが逃げていたらしい。

その時、偶然私達は暗殺されかけていた。

王族として産まれ、継承権争いという下らない理由で。

初めて見る人間の醜さ。

ユアは、驚き半神を無意識に呼んでしまった。

見た目だけでいうなら、人は神に似ているから余計にその醜悪さに驚きと、恐怖を覚えたのかもしれない。

すぐに具現化したフェンリル、エルはその場の人間、暗殺者達を無の世界に帰した。

その時のエルは、直ぐに神界に戻ろうとしたが、ユアの様子をみて、暫くだけこのか弱き世界に置くことにした。

使徒として、この世の生き物達に嫌悪を持つと落ちし神になる可能性もある。

だが、エルの本来の神力にこの世界は、耐えられない。

それは、ユアも同じであった為に、ほんの少しの期間だけのつもりで、ユアの神力を封印した。

暫くこの世界で留まり、人にも良い者たちが多くいることを知ってほしかったのだ。


それが今でもあるユアの封印。

その時、私の護衛として一緒にいたのがユキ、ケアだ。

もしかして、その時エルが施した封印が関係しているのか、ユアはこの世界の輪廻転生の輪に組み込まれた。

しかし、あの最高神の神力であれば、その輪から外すことは難しいことではなかった。

ユア自身がそれを受け入れてしまったのが、あの神と使徒の計算間違いだろう。


助けてもらった恩もあるし、元使徒様でもあるのでこの世界になれるまで城に招待し共に過ごした。

共に過ごすうちに、恋心を抱いたのは私も、彼女も誤算であった。

使徒である彼女が、人間である私を選んでくれた。

共に生き、共に死ねるのを喜びと感じていたのは否定しない。

だが、その後何度も転生を繰り返し、私達3人はユアの輪廻転生の輪に一緒に組み込まれていた。

元々が神力がある使徒。

その時その時の私の種族に合わせて生涯を閉じてくれた。

もう、何度も繰り返された。

その度に、恋をし、夫婦となり、土に帰る。


いつの間にか、ユアは元使徒様ではなく、エルの愛し子とこの世界では認知されていた。

長い年月が、少しずつ事実を変えていったのだ。

エルも否定せずに、自分の半神に目を光らせていた。

封印がある以上、普通の人間以下の力しかないのだから。


「今回は、エルフでした。少しは長い年月を一緒に過ごせるでしょう。」

≪そなたは、竜の里に入ってから記憶を取り戻したのか?≫

「そうですね。そうだと思います。今回も3人共に産まれ、安心しました。」

「そうですね。サージは、ユアと。私は、ケアと結ばれる。邪魔はさせませんよ。」

≪ハハハ、その割に二人共に今までにない位のヘタレ感はすごかったがな。≫

「段々、言葉遣いが戻っていますよ。」


そう、今のざっくばらんな言葉遣いが、本来のエルだ。

今回は、、、ま〜、いいか。


≪気をつけよ。今回は今までにないほど、我らの封印が解けかけている。元々、同格である我の封印がここまで持ったのが不思議か。≫


やはり、そうなのか。

この世界から、ユア達が居なくなる?

絶対に無理だ。

耐えられない。


「私は今回は兄妹として、産まれました。サージが記憶を取り戻すと私達も取り戻す。、、、今までになくユアを身近に感じ、会えなくなるなど考えられません。」


私もユキと同じ意見だ。

なぜ今回だけ、封印が弱まっているんだろうか。

長い年月が経ち、弱まったのだろうか。

だが、今更離れ離れにはなれない。

神界に帰るのを指を咥えて見てるだけしか出来ないのか!


≪心配には及ばないだろう。我だけでなく、我らの神の封印もある。ただ、あの神は我にも甘いが、ユアにも激甘であるからなぁ。少しも信用は出来ない。≫

「と、いうと?」

≪多分、ユアが望めば、、、我の封印も一緒に解く。そうなるとこの世界には、いられぬ。我と我が半神が同時に具現するには、この世界は脆い。≫


私達の手から大事な宝がすり抜けていく。

私とユキは、何も言えなくなった。


「ユアは、使徒には戻らないわ!」


洞窟の入り口にケアが立っていた。

ユアが、寝たのだろう。

私達3人は、いや、4人は何度も転生を繰り返してきた。

エルだって、ずっと側にいてくれた。


「ユアは、私の親友なのよ。離れるなんて、今更神界に連れて行かないで!」


ケアが泣き始め、ユキが慰めている。

私達も、泣きそうな顔だろう。


≪フフフ、本当によい友を、伴侶を得たものだ。我も、できる限りのことはしよう。我もそなた達と離れるのは、寂しいからな。≫


時を同じくして一神と3人を、上空から見ていた女神とその使徒。


『よい者たちに囲まれておるのぅ。』

≪私は、自分が好きではありません。いえ、好きではありませんでした。神界でも、、、。しかし、最高神とその神子達は優しく手を差し伸ばしてくれました。一緒に笑い、泣いてくれました。私は、私に出来ることは何でもしたい所存です。私の我儘をお許しください。我が母神よ。≫

『フフフ、よいよい。貴男も、あの我儘な双子も我が神子よ。、、、好きにせよ。我が夫は、妾が見ておろうよ。、、、あの双子の神子に甘いからのぅ。しっかりと妾の神子達を、黒の兄と姉を助けるがよかろうよ。』

≪ありがとうございます。≫


黒が、頭を深々と頭を下げる。

女神は神界へと帰った。

下から、エルが舌を出して≪べ〜っ≫していたことを、女神しか気づいていなかった。

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