使徒の意味④
ようやく、あまり竜のでない竜の里篇が終わりそうです。
『妾は、我が使徒である黒竜をうんだことは、誇りであり喜びじゃ。ま〜、少々子供のような兄がおったことが申し訳ないがのぅ。』
その場にいたエルを、皆の視線が集中する。
エルは、黒さんにべったりだな。
そうか、エルが兄なのか。
≪ユア、我らは兄弟なのだ。フフフ、初めて女神に感謝したぞ。兄として、仲良くしておるのだ。≫
褒めていいぞって感じだしてるけど、黒さんがお世話してるよ、残念だよ。
エルが弟だよね。
私の心の声に首を傾げてる。
うん、理解出来なかったか。
『さて、妾から黒竜が産まれたのは、消失しつつある神の願いだったのか。それとも、消失しつつある神に対する妾の憐れみだったのか、、、しかし、妾はこれで良かったと思っておる。後悔もないのぅ。』
そこには、女神ではなくひとりの母の姿を私は見た気がした。
でも、そうなると落ちし神の対処はどうしたらいいんだろうか?
『妾は、関われぬ。最後の最後のいいとこ取りしか出来ぬわ。妾がここにそなた等を呼んだのは、落ちし神にも理由がある事を伝えたかったのじゃ。いや、違うな。落ちし神がこの世界を、とても愛していたことだけを伝えたかったのかも知れぬな。最後の最後の時には妾を呼んでくれぬかの。初めの話と違ってすまぬが。そなた等の本質を、試したことを許しておくれ。』
神の神力だけで動くと、世界にも歪みが生まれるかもしれない。
この世界は、脆いから。
上位の神の神力に耐えられない。
この世界の住民を守らなければ。
『ユア殿、その通りじゃ。』
「すみません、どういう意味ですか?」
「あっ、サージ。んと、いくら強化したとしても上位の神の神力には、まだこの世界は耐えられない。だから、まだ力なき女神に管理を任せていたのよ。」
「、、、ユアは、どうして知ってんだ?」
サージの言葉に、私は沈黙する。
確かにそうだわ。
なんだろう、なんの疑問もなくそう思ったんだけど、今の考えると可笑しいわね。
まるで神界の事の仕組みを、知ってるみたいな言動だったわ。
『そなたは、封印か解けかけとるかも知れぬな。』
「ユアには、封印がかけられているから、こんなに鈍臭いんですか?」
「そうなのね。確かにユアの身体能力酷さは、可笑しいとは思っていたのよ。」
「納得だ。私達の身内で唯一の弱さは、成る程、封印ですか。謎が解けたようです。」
おい、酷くないか?
親友2人と身内の言葉とは思えないわ。
確かに、一番迷惑はかけてるけどね。
『そうじゃ、愛し子としてフェンリルから離れた一部だとしても、普通なら下位の神くらいの神力はあったと思うぞ。』
な、な、なんですって〜。
すぐに返しなさい!
私も、森で自由に狩りしてみたい。
皆と、守られるじゃなくて、対等にお互いに助け合いたい!
≪ん?ユア、元の姿に戻りたいのか?≫
「元の姿?」
≪確かに、我ほどの神力はないが、この世界なら敵なしの状態にはなると思うぞ?≫
「敵なし?そんなに強いの?私が?」
驚きしかないんですが。
激弱なユアから卒業出来るのかな?
皆を助けることが出来るのかな?
≪ん?よいのか?≫
「何が?私は強くなりたいけど、何か変なの?」
『この世界から離れるのかえ?』
「は?すみません。、、、どういう意味でしょうか?」
『ユア殿、いやユアよ。そなたは妾達の娘に戻るのかえ?愛しき神の神子よ。』
な、な、なんですか、それは!
私は、人間でキャーキュ領の領主の娘ですけど。
何?
神の神子?
≪まだ、時は満ちてない。母上、時期早々。≫
エルが、神の使徒様になった。
母神にも負けぬ、神力を醸し出している。
女神様も、一度瞳を閉じた。
『そう怒るでない。他意はないわ。、、、ユア、すまなかったな。』
「ユアは、この世界にいます。この世界の住人なんです。神界には、帰しません。私は、認められません。何度生まれ変わり、何度忘れられても。私の我儘なのは分かっております。でも、、、無理です。申し訳ないです。でも、私から奪わないで下さい。神の神子が、自分から帰ると決断するまで。」
サージ?
あら、ケアや兄も何か言いたそうだけど、どういうこと。
≪やはり、お主は我と出会うと記憶が刺激されるな。、、、案ずるな。我が愛し子の意志を曲げることは許さぬ。我が父上も、同じ意見だ。、、、本当にサージ、そなたは面白いな。≫
『そう妾を悪者にするでないわ。誤解させてすまぬ。妾には、何も出来ぬよ。この阿呆夫と神子の封印じゃ。、、、すまぬな、ユアそなたの封印は解けぬ、妾にはな。』
私だけ知らない事実があるのかな?
でも、なんだろう。
胸の奥に何か、なんだろう。
何かあるのが、感じられるようになった。
でも、多分それはパンドラの箱だ。
開けたら、戻れないような気がする。
でも、大丈夫。
私には、兄、親友、エル、黒さん達がいる。
きっと皆、ずっと一緒にいられる。
ううん、いてみせる。
私は、なんでだろうか?
その日は、サージをずった見てたような気がする。
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