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エルフの王子の要件

始めての連載小説になります。

温かい目で見守って頂けると嬉しいです。

応援ヨロシクお願いたします。

ともかく、何回も何回も私を無理やり森に連行しやがって、腹ただしい。

最後は、それぞれのお父様に泣きついてやったわ。

わはは、さすがにもう私に構わないだろうと思ったのに、今度は屋敷に来て鬱陶しい。

もう一度、泣きつこうかしら?

あらでもそうなると今度はそれぞれの都市まで連れて行ってくれないかしら?

1人では、、、行けない。

絶対無理だわ。


「お兄様、すぐに山、間違った森にお返しくださいませ。」 

「いや、一応向こうの話しを聞いてあげなさい。」


ちっ、今こそいらん過保護発動しなさいよ。


「お兄様。私、彼からの幼少期の虐めが忘れられないんですの。」

「、、、」

「川には落ちるし」

「いや、勝手にユアが川に向かってダイブしたよな?今だに、何がしたかったか謎なんだか。」

「崖から落ちるし」

「いやいや、魔獣出たから結界で大人しくしていなさいって話したのに、ギャ〜って走っていった先が崖だったよな?」


そういえば、この兄も一緒にいたな。

奴らの仲間か?


「あやつらも、ユアに喜んでもらいたくてやったんだ。、、、想像以上の鈍臭さではあったがな。」


後半、よく聞こえなかったけど、絶対悪口ね。

ハーッ、仕方ないな~。

確かに、怪我しても落ちそうになっても奴らの魔法で何とかなったけどさっ。


「どちらに?」

「いつものとこだろう。って、こっち向かっているな。」


兄の言葉で屋敷の方に目を向けると、均整のとれた体格に美しい顔立ちをした青年がこちらにやってきた。

エルフらしく銀髪碧眼です。

そうです。

我がトーマス家と同じ色合いなんですよね〜。

というかまた、待てなかったのかな?

通された部屋で待て。

見た目だけ大人になってもね〜。

中身があまり変わった印象がないんです。

残念だわ。


「お久しぶりです。トーマス兄妹は、相変わらずに美しい。我がエルフ族と変わらぬ。」


え〜と、エルフは精霊様達と遠いが血縁関係にあるらしく、美しいイコール強さらしいのよ。

私達を、褒めてるつもりなのよ。

、、、人間には適用しませんけどね。

そうよ!

兄は父似、私は母似ではあるけど、顔は整ってるのよ。

でも弱っちぃのよ、私は。


「ありがとう?で、本日の要件は?」

「最近森が、騒がしい。エルフの感というのか何かしらイヤな予感もするんだ。急は要してないと思うが、気にってな。」


思ったより嫌な要件だわ。

エルフは精霊の遠縁だけあって、人には感じられないものに対して敏感に感じることができる。

今までも、私が知っててるだけでも結構助けられている。

公にはしていないがこの地にいる以上、森の住人との交流は欠かせない。

森の異変を教えてもらえたら、それに対処するにしても早く動くことができる。

いくら我が領民が強くても、トーマス家の騎士には叶わない。

領民では太刀打ち出来ない事もある。

その時は、領主一族として領民を守る義務がある。


「父上も同席していいか?一緒に話しを伺いたい。」

「大丈夫ですよ。ユアは、どうしますか?」

「ユアも、一緒に聞くかい?」

「勿論ですわ。弱くて力がない私でも、トーマス家の一員ですもの。」


二人が、私の顔を見る。 

兄が優しく微笑んだようにみえた。


「それでこそ我が妹だ。それでは、屋敷に入ろうか。すまないがミト、父上を呼んできてもらえるかい?」

「かしこまりました。」


ミトが頭を下げる。

すぐに、お父様を呼びに屋敷に入っていった。

私達もその後を追うように屋敷に入った。



結論から言うと、魔獣の異常発生ではなかった。

ただ、魔獣がいつもより出現する確率が増えてはいる。


不規則に魔獣の異常発生が起きることがある。

でも、なんだろう。

理由は、色々ありすぎて起こった後に、これかも?って感じの理由付けかな?

結果オーライって感じ。

まだまだ、なぞだらけな森の生態だから仕方ない。


でも森の住人達は、人と違って森の変化に敏感だ。

だからこそ住めるのだろうけど。

普通の人には感じる事は出来ない。


なんて偉そうに説明していますが、今私はすっっごくブルーなんですよね。

何を考えているの激弱なユアちゃんを、この私を再び森に連れてきやがった。

プンスカですよ。

自分の身も守れない私を連れてくるな。

泣くぞ。

失神するからな。 

後のケアは宜しくお願い致します。


「すまないな。今回はどうしてもユアが必要な気がすんだ。ケアとも話したんだが。」


ケアとは、もう一人の幼なじみ?の獣人の姫の名前だ。

豹の獣人だから、エロ可愛いのよ。

ボンキュボンのスタイルに、耳と尻尾がピョコンとあるのよ。

豹らしく、金髪金眼だけどね。

強いし、奇麗だし、私は私は羨ましいよ〜。

私には、胸が、胸がないのよ。

、、、スレンダーなのよ。

そうよ、逃げ足を鍛えるのに胸は邪魔!

、、、悲しいよ〜、シクシク。


「そういえば、一緒にケアと兄様がいないなんて珍しいね。」

「う〜ん、なんかどれもピンとこないんだよ。」

「どういうこと?」

「魔獣が増えてる理由。例えば、普通の魔獣増加はよくあることで、森に入らなければ危険はない、自然に透過される。でも、ダンジョンとかから溢れてきたモンスターは人の街にも流れ出る。そうするとスタンピードになる。でも、今回はどちらでもない気がする。屋敷でも話したけどね。だから、何が起こるか分からないけど、ケアとユキスは領内に残ったんだ。確かに森の変化に対応する為なら、一緒に行動する事は今まで通りなんだけど。う〜ん、ケアとも話したんだが、今回に限り同行せずに領内での変化にいつでも対応出来るようにしたんだ。ユキスは次代の守り手なんだから。その護衛かな?ケアは。」


そうか。

だからあの過保護な2人がいなかったのか。

あの2人が森の調査の為に行って、私が屋敷で待つのが普段のパターン。

号泣してたもんな。

私が、今回はエルフの精鋭部隊と共に森に入るけど、心配だ〜って。

、、、いや、私も行きたくないのよ。

肉体精神共に激弱なのは、悲しいことに自他ともに認めている。

ここで、魔獣が出てきたら戦闘になる前に、戦えに備えるエルフ達の闘気で、冬眠体制になるな。

本当、邪魔にしかならないけど、エルフ、獣人共に私の同行を求めてきたの。

ハーッ、我が家は、家臣に至るまで反対してたんだけど、何か私も行かなくてはいけないって感じたの。

全く感じたくなかったけど、感じるから無視は出来ない。

その事も話したけどね。

はい、無理でした。

足手まといでしかないし、今回は人間が同行しないから余計にね。


仕方ないから、必殺ユアの癇癪が爆発。

ダダこねまくりの幼児へと変貌しましたとさっ。

私は悪くないもんね〜。

エルフの精鋭部隊いるし、いざ戦闘になったら中からも外からも出ることが出来ない結界の中へと避難します。

非力なんで、その場にいる方が邪魔になります。

ポイントは、中からも出られない。

幼少期のパニックで一人で結界でたのが、一番の要因。

はい、全く信用ありませんでした。


う〜ん、只今結界の中にいる私です。

どういう仕組みなのか、外の景色も音も聞こえません。

少し叩いてみると、コンコンと壁を叩いたような音と感触かな?

みんなが戦っている。

森を歩いていると熊みたいな魔獣と遭遇した。

一体でも厄介らしいけど、集団だった。

エルフの皆んなは、冷静に対処していたみたいだ。

一番に私は結界の中に入れられたから、殆ど現状は分からないけどね。


手助けは出来ない。

実力的にも現状的にも。

そうだ。

巫女みたいに皆んな無事を祈ろう。

私ですできる事はそれしかないもんね。


私は心から皆んなの無事を祈った。

どうか、無事で怪我などしないように。


「ユア様、大丈夫でしたか?お一人で寂しかったでしょう。申し訳ありません。」


フッと意識が浮かびあがった。

あ〜、無事に終わったんだ。

良かった。


「いえ、ありがとうございます。トーマス家の者なのに足手まといでしかない自分が情けないです。どうか気を使わないでください。軟弱者ですが、皆様のご無事を祈ることしか出来ませんでした。」

「何をおっしゃいますか。我らエルフと獣人の者達がユア様の同行をお願いしたのです。足手まといなどではありません。」

「ありがとうございます。」


エルフの隊長さんと話す。

多分、いや絶対すごい年齢だと思う。

長寿だからね。

けど、大体二十代の見た目だ。


「ユア、大丈夫か!」


森の向こうからサージがかけて来る。

う〜ん、やはり戦闘能力が高いと走るのめ速いのか。

ユアちゃん、足も遅いから悲しいな〜。


「大丈夫だよ。ありがとう。サージも、怪我してない?」

「かすり傷だよ。心配してくれたんだ?」

「もちろんよ。」


サージ、嬉しそうだな。

サージに何かあったら、私帰れない。

あっ、エルフの方々がいるか。

なんてね、やはり幼なじみだしね。


「そういえば、ユア。魔法使えるの?」 

「魔法?」

「うん。」


えっ、魔法?

私が?

今は、魔法を使える人も少なくなった。

人々から神の加護が消えた、と言う人もいた。

獣人は、元々身体能力が高い為あまり魔法は使わない。

というか使えない。

エルフ達は、使いまくりだけど。

人間は、徐々に魔法が使えなくなっていった。

今は、剣士の時代だ。 

と言ってもあまり、領外に出ないからよくわからない。

領内の特に騎士達は、戦い方がエルフ達に似ている気もする。

って事は、魔法使ってるのかな?

駄目だ。

戦えない気絶娘には、よく分からないな〜。


「適正はないと思うよ。使おうと思った事もないけどね。」

「う〜ん、そっか。」

「どうして?」

「さっきの戦闘で身体も軽かったし、なんて言うか傷の治りも早かった気がするんだ。」

「いや、気の所為でしょう。そんな力にあったら今まで気付かない分けないもん。」

「、、、戦闘の場面に殆どいなかっから、気づかなかっ

た?それか気絶してた?、、、あり得る。」


今のすっごく失礼でないかい?

、、、合ってるけど。

確かに戦闘の場面との遭遇?は少ない。

、、、弱すぎて足手まといの為。

運悪く戦闘になったら、準備段階で気絶。

、、、恐怖には勝てません。

あれ?

気付く場面がなかっただけかもしれない?

私、巫女様?

もしくは伝説の聖女様?

やだ、カッコいい。

あら、サージってば腕にすり傷ができてるわ。

ここは、私に任せなせいな。

え〜と、目を瞑って唱えてみる。

治れ〜、治れ〜。


私は、サージの傷口に向かって手をかざしながら祈ってみる。

ふ〜、疲れたと。

治ってるかな?

ドキドキだわ。

目を開けると全く変化なし。

あれ?

どういうこと、期待してたのに。


「やだ、治ってないわ。治りが悪いの?魔法が効きにくいとか?」

「いや、修業しないとね。本当に力があっても。」

「でも、さっき出来たかもしれないならできそうなのに。」

「いや、本当に危機的な状況というか、実際戦闘になったから身体の奥に眠っていた力がでた、とか?」


何じゃそれは。

つまんない。

やっぱり、気の所為なんだろうな。

ウンウン、別に期待してないもんね。

修業して、やっぱり性能ないですねって言われるのは、一度で十分よ。

肉体精神共に、ボロボロになるんだから〜。

数多い小説の中から選んで頂いてありがとうございます。

良ければ いいね を押して頂けると嬉しいです。


公爵令嬢ですが国外追放されそうです。ついでに諸国漫遊したいので、家族はついて来ないで下さい。

も投稿しています。

よかったらそちらもヨロシクお願いたします。

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