落ちし神の使徒①
獣人の里、楽しんでもらえているでしょうか。
ハイペースの更新、頑張っております。
「ごめんね〜、余りにもユアが気づかないし、それに婚約者が出来てショック受けてるし、話しづらくなったの。」
ケアが私がお借りしている客室に、一人で抜け駆けしてやってきた。
兄とサージは、まだ責任転嫁合戦を繰り広げているらしい。
あの二人も中々しつこいからな〜。
ケアは隙をみて、自分一人で私に会いに来てくれたらしい。
ケアらしいわ。
「ぎゃ〜、ショック受けたこと何で知ってるの?極秘情報なのに〜。」
「、、、極秘って、皆気づいてたわよ。」
「いや〜、、、お兄様も?」
「ユキ?勿論気づいていたわよ。正直、嫉妬しそうなほどの喜びだったわ。」
は、恥ずかしい。
まさか皆にばれていていたなんて、それもシスコン兄にまでとか死ぬわ。
「あ〜、可笑しい。今更でしょうが。私が婚約者だったのどれぐらい気づいてないのよ。顔は一緒だし、いくら活発なお嬢さんがきても人間なら、領内の人間以外が森にあんなに普通に入れないから。」
「確かに。」
「何?あんたまさか、私を耳と尻尾で判別してた訳じゃ〜ないよね?」
「うっ、違うけど獣人さん達のモフモフは捨てがたい。」
「呆れた。あの男2人はともかく、私は今回のことはチャラにしてね。親友なのに、冷たいわ。」
「、、、だよね~。」
お互いに目を合わせ、笑ってしまった。
そうか、お義姉様がケアか。
どうりで、好きになるわけだわ。
初対面は、最悪な印象しかなかったけど、結構、波長こあったのよね〜。
モフモフというのも、点数に加算されていたかもしれないけど。
お互いに面白おかしく話をしていたら、馬鹿な2人がやってきた。
「「ひどいぞ、ケア。」」
「私は、知らないから。」
「「うっ、すまなかった。」」
2人同時に頭を下げる。
まっ、潮時かな?
気づかなかった私も情けないしね。
仕方なく謝罪を受け入れる。
「エル殿、もう1神の使徒様は、捜索して見つかりますか?」
「ユキ、どういうこと?あの使徒様は、衰弱して見つかったわ。本当に、もう無理かもって何度も思ったもの。でも、心優しい方なんだわ。私達が献身的にお世話したからか、申し訳なさそうだったもん。体力的にも、そんなに遠くには行けないと思うけど。本当は、里以外にも報告の義務はあったと思うんだけど、衰弱されていて、もう少し様子見するつもりだったのよ。」
兄の言葉に、ケアが答えた。
そうか、そんなに危なかったのか。
≪人間でいう餓死の一歩手前だったと思うの〜。≫
「使徒様が、餓死ですか?」
≪ねぇ、僕達使徒の栄養は、ううん、食事は何だと思う〜。≫
「私達みたいな食事ではなく、空気中からなにか摂取されているのではないんですか?」
≪フフフ、ユアの兄は面白いね〜。≫
「よろしければ、わたしの事もユキとお呼び頂けると嬉しいんですが。」
「私も〜、ケアって呼んでください。」
≪いいよ〜、よろしくね〜。で、僕達の食事は確かに、空気中に含まれている魔法を使う元になる魔素-マソ-を吸収しているの〜。でもね、最も大事なのは〜、自分の仕える神から食事、つまり神の創りし魔素が使徒の最も大事な食事なの〜。だからね〜、亀さん?は〜、食事できてなかったの〜。≫
つまりエル達、使徒にとっての神は本当になくてはならない存在なんだ。
だから神様も使徒を大事にするし、使徒も同様なのかしら?
エル達は、行き過ぎだけど。
でも、亀さん辛いよね。
何か勿論理由はあるとは思うけど、亀さんが何も知らなかったのならひどい裏切りだよ。
ひょっとして、亀さんを巻き込みたくなかったのかな?
いや、ないな。
だったら今回みたいに強制に連れ去ったりしないはずだ。
今の亀さんが抵抗できない程に弱っているのを分かって、今回の行動なら最悪な落ちし神ね。
≪たぶん、次に合ったら君達の知ってる亀さんではないの〜。落ちし神の使徒に変貌してるの〜。≫
「そんな!、、、助ける事は無理なんですか?」
≪無理なの〜。多分、存在自体を、亀さんの本質を変貌させてると思うの〜。≫
なんて最悪なの。
自分一神で、闇に落ちなさいよね。
自分の使徒にも、人権?、神権?があるわ。
「私達、獣人の里の皆は、使徒様を心より敬愛しております。、、、が、里の姫であるケアが、今より亀様を保護対象から外します。父上に、報告を!」
「ハッ」
側に控えていたウサギの可愛い獣人さんが、ケアの言葉を受けて獣人の里の長に報告に行った。
多分、捜索隊は解散になり、逆に里の守りを固めることになるんだろうな。
亀さん、可愛かったのに。
うちの我儘フェンリルより、可愛かったのに。
性格は、比べることすら出来ないレベルだったのに。
≪異議ありなの〜、おかしいの〜。こんなに小さくて、モフモフさんな僕の方が、可愛い可愛いなの〜。ユア、おかしいの〜。性格も悪くないの〜。≫
「、、、時間がないわ。私達も出来るだけ協力しましょう。」
≪ユア、冷たいの〜。無視したらメッなの〜。≫
「お黙り。私の心を読むな。」
≪こうなったら、、、どうしたらいいのかな〜。ユアの愛が冷たいの〜、エ〜ンなの〜。≫
アホの子、エルの駄々っ子が出てしまった。
、、、よし、無視しよう。
あまりのアホの子に、兄達は驚いている。
エルフ達は、慣れているから変化なし。
慣れってすごいと思う。
そんな私達の間に緊張が走る。
急に部屋のドアが乱暴に開けられ、ケアの伝言を伝えに行ったウサギの獣人が入ってきた。
「何事なの?」
「姫様、お客様方、失礼しました。しかし、急を要しますのでご無礼をお許しください。、、、亀様が、里の東門近くに出現しました。」
「なんですって!」
「、、、落ちし神の使徒として変貌されております。」
最悪の再会になった。
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